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はっけんの水曜日
 
松茸狩りで四本採った!


本物の松茸を狩ってきたぜ。

二年前からキノコ狩りにいくようになったのだが(といっても年に2、3回程度だが)、キノコ狩りを趣味とする以上、やはり人生で一度は松茸をとってみたい。

とはいっても、素人が案内人なしに松茸を発見できるわけはなく、かといって松茸が採れる場所に案内してくれるような素敵な人もいるわけない。

しかし調べてみると、入山料さえ払えば私でも松茸が見つけられる可能性のある山が山形にあったので、さっそくいって狩ってきた。

玉置 豊



松茸求めて山形へ

この松茸狩りができる稲子松茸山は山形県高畠町にあり、地域の財産として地元の方々が管理している場所で、入山料として一日2000円払えば、誰でも松茸狩りをしていいという山である。

この入山料は松茸狩りの料金ではなく、安全に山歩きをするための管理料という意味合いなのだそうで、松茸が採れなくても文句を言ってはいけない。なんといっても松茸なのだ。

ちなみに松茸がとれるような宝の山は、所有者がはっきりと決まっていて勝手に入るとごしゃがれる(山形弁で怒られるの意味)ので、こういうおおっぴらに松茸狩りができる場所はとても貴重なのだ。


朝五時のオープンに合わせて一番乗りで到着。実はここの場所がわからずにコンビニで店員に聞いていたら、管理人のおじさんが入店するというミラクルがあったのだ。
前日までの様子を教えてもらったら、採る人はキロ単位で収穫しているらしい。これなら素人でも一本くらいとれるかも。

舐められないように(誰に?)地元民ルックでキメてみたが、山形って寒いね。この格好で家から来たんだよ。
一応クマよけの鈴をつけてきたけれど、この山にはいないって。でも雰囲気として付けておこう。

本当はこの二週間前にこようと思っていたのだが、取材申請を兼ねて問い合わせてみたら、この夏の猛暑の影響で今年は期待薄という話で一度は中止した松茸狩り。しかし山形県民の友人から大量に採れ出したという連絡を受け、急遽日帰りでやってきたのだ。

管理人さんの話によると、松茸のピークは一週間前くらいだったそうだが、昨日もキロ単位で採った人もいるので、私でもがんばれば憧れの松茸が採れる可能性がありそうだ。たぶん今日採れなければ、今後一生採れない気がする。

目指せ一本!

さすが松茸の山、ものすごい険しい

入山開始となる午前五時、まだまだ真っ暗だけれど松茸が採れる場所まで1時間くらい山歩きをする必要があるそうなので、さっさと出発しようと思ったらいきなりの雨。

雨具を持っていなかったので15分ほど待ち、雨が弱くなったところで濡れてツルツル滑る山道を同行の友人達と三人で登っていく。

松茸狩りとはいえ、管理人のいるような山なので、それほど険しくはないだろうと思っていたが、ほぼすべての道が修験道の修行コースに最適なほどの急斜面だった。かっこつけて一眼レフのカメラとかぶら下げてこなくて本当によかった。


小雨が降る中、松茸目指して山登りスタート。
写真だと伝わらないかと思うが、この45度くらいの斜面を登っていかなくてはならない。

ぬかるんだ足元に滑ったり転んだりしながらもどうにか松茸が生えていそうな場所(根拠はないけど)にたどり着き、尾根から少しはずれた場所を闇雲に探すこと30分。同行者が「あったー!」と今まで聞いたことのないような高い声を上げた。

ツルツル滑りながらも急いで掛け寄ると、大人の親指程度の大きさではあるが、確かに松茸らしき物体、いや松茸が生えていた。

すごい、この山。本当に松茸が生えている!


同行者が斜め上で奇声をあげている。
小さいけれど、確かに松茸だ。

この山のどこかに松茸が生えているというのは信じていたが、私以上の素人である同行者がまさかの第一発見者である。はじめてみる生えている松茸になんだかこっちまでドキドキしてきた。まさに宝探し気分だ。

本来ならこのサイズは採らないのが「粋」なのだろうけれど、これが最初で最後の松茸との出会いかもしれないので、ありがたくいただかせてもらおう。

俺も松茸が採りたいぞ

ウナギでもオオノガイでもイシガニでもなんでもそうなんだけれど、はじめて挑戦する採取遊びは、半信半疑でスタートして、最初に収穫したときが一番うれしい。

その喜びを同行者が達成してしまって正直悔しいのだが、しかし松茸の実物を見たことで俄然やる気が出てきた。次の一本は俺が採る!


こういう濡れた斜面を探し続けるのですよ。松茸のある可能性がなかったら絶対にこんなところ歩かない。
あった!っと思ったら腐ったマツボックリ!っていうお手つきが三回くらいあった。

そしてしばらくして二本目の松茸を採ったのは、またもや同じ同行者。まさかの二本連続ゲット。しかもちょっとだけサイズアップ。


せめて匂いだけでもかがせてもらった。ちゃんとした松茸ってこういう匂いだったのか!(はじめて嗅いだ)
いつの間にか、ふもとが見えないくらいまで登ってきた。日本昔話みたいな景色。

この頃になると、探しやすい場所は誰かがすでに探し歩いた後で、道なき道をいかないと松茸なんて生えていそうな気配がない。

そういうところを焦って歩くとズルズルズルと軽く滑落することになるのだが、あわてて掴んだ松の根元にまさかの一本。おお、ドラマチック。


あったー!俺の松茸!
汗だらっだら。

やばい。松茸狩りって楽しい。

先祖代々日本人の遺伝子にインプットされた松茸に対する「ありがたみ」のせいか、発見した喜びが半端じゃない。

松茸には食べ物としての価値そのものよりも、それ以上のなにかご利益みたいなものを感じてしまう。ありがたやありがたや。

三人で合計7本の松茸を収穫

その後も延々と山を歩き回り、昼過ぎまでは頑張ろうと思っていたが、だんだんと足腰握力背筋力思考回路と全面的に弱りきった午前11時に捜索終了。これ以上は怪我の元。

採った松茸は最初にみつけた同行者が三本、もう一人がゼロ、そして私はなんと四本。

なんとなく松茸の生えている場所、探すコツがわかったころには、今日生えた分がだいたい採りつくされてしまった感じだったので(今日だけで百人以上登っているらしい)、次回きたらもっと取れそうな気がするのだが、これほど豊作の年はもうないんだろうな。


松茸かと思ったがちょっと違う。食べられそうだけれど名前がわからないのでパス。
これまた松茸と一瞬間違えたキノコ。松茸狩りのいいところは、松茸はあきらかに松茸の形をしているということだな。

すごい色をしたムラサキシメジ。途中であったおばちゃんの話だと食べられるらしいよ。
クリタケっぽいけれどきっと流行りのニガグリタケだな。

これは松茸!何回見つけてもうれしい!
何十本もでっかい松茸を見つけていたおじさんが同行者達にモテていた。そういう人に私はなりたい。

これは松茸かな?
松茸だー!今日一番のサイズ!

帰りはルート選択を誤って、なぜか松なんか生えていない沢道を通って下山。地図もらっておいてよかった。
かっこいいカエル。

採った松茸は三人で7本。入山料に対してこの松茸の収穫で元をとったかはよくわからないが、入山料以上に楽しめたことだけは確かだ。一本も採れなかった同行者はもう二度と来ないといっているけれど。

名人級の人は朝の3時間くらいで何キロも採ってすぐ下山しちゃうみたいだけれど、何時間も探して一本も採れなかった人の方が断然多かったみたいだ。

どうやら初めての松茸狩りで、何本も見つけることができた我々は相当幸運だったようである。


この日の全収穫。小さいのばかりだけれど十分満足。
夢が叶った一日。来年も豊作だといいな。

今年は本当に松茸が大豊作らしい

帰りに大学時代の友人のところに寄って採ってきた松茸を自慢したら、「たったそれだけかー。せっかく山形まできたんだから、父ちゃんがうちの山で今朝採ってきた松茸あげる」と、大量の松茸をもらってしまった。

もし私がお金持ちだったら、「その山を売ってくれ」と本気でいったことだろう。

ひえー。

 
 

 

 
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