デイリーポータルZロゴ
検索天気地図路線このサイトについてランダム表示ランダム表示
アット・ニフティロゴ


ひらめきの月曜日
 
鯉であっけにとられたい


 

観光地や公園、寺社仏閣などで、鯉が泳ぐ池にふと出くわすことがある。

立派な錦鯉が泳ぐ日本的な情緒に、ゆったりとした気持ちになる。そんな経験は誰にもあることだと思う。

しかし、鯉を眺めて湧く気持ちは穏やかさばかりではない。鯉の大きさや密度が過剰になると、逆にものすごくエキサイティングな気持ちになることがある。心に起こるざわめきに、立ち尽くすことがある。

家に帰ってからも、トイレや風呂でふとよみがえる過剰な鯉。そういう場所を巡ってみた。

小野法師丸



有名な観光地でも心動かされたのはむしろ鯉

鯉と向き合う心のざわめきに気がついたのは、ちゃんぽんチリンチリンアイスの取材で訪れた長崎。代表的な観光スポットの一つであるグラバー園に行ったときだ。


一番奥にあった由緒ある建物
2階テラスからの風景

建築物やその歴史の解説を見て、普通の観光気分を味わうひととき。左の写真は船の乗組員が宿泊した建物だそうだが、ここの2階から見た景色が素晴らしい。

向こうに見える稲佐山と港。変化に富んだ景色はいかにも長崎。そして手前には鯉がゆったりと泳ぐ池がある。問題はそこだ。


なんかこの鯉…
でかくない?

始めは「優雅だなー」くらいになんとなく思いながら池を眺めていたのだが、じっと見ていて気がついた。なんか、鯉がやたらとでかい。

子供と大きさを比較できる右の写真だと感覚が伝わるだろうか。子供の方が手前にいるので、遠近法的には鯉の方が小さく見える状況なのだが、それにしても鯉がでかい。


エサも売り切れる勢い

鯉にエサをやろうと販売ボックスを見たところ、既に売り切れ。

残念がっていると、その様子を見たボランティアガイドのおじさんが近づいてきた。「鯉にエサやりすぎなんだよ、だからあんなにでっかくなっちゃってさ。命を縮めてる!」とおじさん。鯉のでかさに怒りながらも、がっかりしている私をなだめてくれているようにも感じた。


雅趣を超えるでかさ
立ち尽くす気持ちもよくわかる

建物よりも「でけえ!」と鯉に心奪われる観光客のリアクションもしばしば見られる。声を上げて興奮する大人に対して、子供は黙ったままあっけに とられていることが多かった。

そうなる気持ちはよくわかる。感動は人を沈黙させる。この場合の感動は「鯉がでかい」という感動だ。

確かに神社には鯉がよくいる

グラバー園で鯉に心打たれて、長崎に詳しい知人に他の鯉スポットを聞いてみたところ、口を揃えて教えてくれたのは諏訪神社という神社。前日、有名なお祭りである「長崎くんち」を見に来たのに、鯉には気がつかなかった。まだ鯉スイッチが入っていなかったからだ。

鯉目当てで再び訪れてみた。本殿向かって左に進むと、鯉の泳ぐ池があるらしい。


雰囲気あります
おお、いいねえー

いたいた、立派な錦鯉。サイズとしてはグラバー園のものより小さいが、それは比較対象が巨大過ぎるだけであって、こちらの鯉も十分に風格がある。

そして密度はグラバー越え。人に慣れているのか、池の縁に立つと自然と寄ってきてぎっしりと詰まってくるのがうれしい。今回はすぐそこの売店で鯉のエサをたっぷり売っていたので、一袋買って投入してみよう。


それー

鯉「わー」

鯉「うおりゃー」

実にいいレスポンス。ゴポゴポと音を立てて集まってくる鯉たちに、なぜだか目が釘付けになる。

隠されることのない食欲と、過当な競争が引き起こす高密度。自分がエサを投げ入れたことによってこのような状況が生まれたという意識も、妙に気持ちを高揚させる。

湧いてくるの独特の感覚。自然と向き合ったときにも、映画を鑑賞したときにも、決して味わえない心の動かされ方。


とにかく必死
このやる気を見習いたい

全体ではなく、個々の鯉をじっくり見るのもいい。必死な表情に心を打たれる。何もないときにはのんびりと泳いでいる鯉だが、エサを前にしたときのテンションはものすごい。


きれい、というだけじゃ済まされない迫力

しばらく鯉と向き合って、時計を見たら一時間近く経っていて驚いた。時間も忘れる鯉とのひととき。さらなる鯉に出会うべく、長崎をあとにして自分にとってのホームである関東の鯉スポットを探してみよう。


◆鯉インフォメーション:だんだんハードになります

長崎で鯉に目覚めて、このあといくつかの鯉スポットを回ります。ここまではまだマイルドで、ここから先はだんだん鯉がハードになっていきます。

あくまで普通に見られる鯉の写真を撮ってきたわけですが、中には夢に出てくるようなダメージにつながる方もいるかもしれません。不安な場合はサブページ「鯉ハザードテスト」を設けましたので、そちらで鯉耐性を確認してから次の本編ページにお進みください。(心配のない方は、普通に本編 の続きに進むことをお勧めします)

鯉ハザードテストに進む

本編の続きに進む


つぎへ >
 

 
Ad by DailyPortalZ
 

▲デイリーポータルZトップへ バックナンバーいちらんへ
アット・ニフティトップページへアット・ニフティ会員に登録 個人情報保護ポリシー
©2012 NIFTY Corporation