夢と鯉とはでっかい方がいい
新たなる感動を求めて巡る鯉スポット、やってきたのは埼玉県羽生市にある「さいたま水族館」だ。
今回探している鯉は淡水魚。よくよく考えると、普通の水族館にはあまり改めて鯉は展示されていないような気がする。逆にこの水族館ならば、鯉をたっぷり楽しめそうではないか。
入場料を払って入りはしたものの、館内はさておき、まずは建物の周囲にある池に行ってみる。期待通りに鯉が泳いでいる。
きれいな錦鯉を素直に鑑賞しつつ、見ているうちにちょっと様子が違うことに気がついた。
なんだかやたらとでかいのだ。グラバー園の鯉よりも大きい。
池のそばにある展示版を見ると、この池には普通の鯉の他に、アオウオやソウギョといった魚がいるらしい。特に目立って大きいのはそういった魚であるようだ。
調べたところ、アオウオもソウギョもコイ目コイ科の魚であるとのこと。種としては仲間であるので、今回は幅広く彼らを鯉だと受け止めて鑑賞したい。
でかい鯉たちに、訪れる人たちも衝撃を受けている。泣き出す子供もいれば、にじりよって目が離せなくなっている子供もいる。大人だって、デート中のカップルの会話が途切れるくらいの大きさだ。
鯉がでかいという感動。心打たれたあとにモヤモヤするのは、感動の意味がよくわからなくて処理しきれないからだろうか。
エサを与えてアグレッシブに食いついてくる姿を見るのも趣深い。水面からではなく、水中の様子をしっかり確認できるのは珍しいのではないだろうか。鯉に触ってもよいとの掲示もあるので、タッチすることも可能だ。
中には鯉をすっかり手なずけて、「よしよしよし…」とスキンシップを図っている上級者もいた。鯉界のムツゴロウさん的な位置にいる方だろうか。
一応建物の中の展示も見たのだが、湧いてくるのは「けっ、小せえ…」という感想ばかり。他の魚を見ていても、心に浮かんでくるのは鯉 のこと。軽い呪いのようでもある。
鯉のでかさという面で、充分満足できたさいたま水族館。今度は密度の方でもさらなる高みを目指したい。