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ひらめきの月曜日
 
「レシピカード」の萌えドコロ


ああ、レシピカード。
さいしょは、某農大祭に行ったのがキッカケだった。 

大塚 幸代



 
 

何にも考えずに、フラリと行ったらば…。
農大を舞台にしたマンガ、『もやしもん』が流行ってるせいか何なのか、超絶混んでいた。
野菜は売り切れ、屋台も30分待ち。
楽しみにしていた、農大名物「大根踊り」は、入場制限されて、見れなかった。

 
 

「みんなが見たい演目なんだし、1時間おき位にやればいいのにな、ハト時計みたいに…」と、心の中で勝手に提案したが、諦めた。
人ごみ、また人ごみ。
自然と、人のいないところ、真面目な展示のほうに足が向いた。
山ブドウの研究、味噌の研究、里山の研究など、地味な中に、栄養学系の展示があった。
そこに、たくさんのレシピカードが置いてあった。

じょ、女子大生の手書きレシピカード…!
何か妙にかわいい!


ファンシーです。書体もキュートです。

イラストのラフさもたまらない(キャベツの共食いキャラ!)。ひとこと知識も、学生らしく真面目でグッジョブ。

ごぼうのブラウニー…。「土臭さとチョコが好相性」ってマジすか、いや、信じますよ!

もう、嬉しくなって、そこらへんにあったカードを、全部もらった。
なすとほうれん草のトマトソースパスタ、鶏と大根のポトフ、なしとエビののり巻き、にんじんのバターポタージュ、セロリーと鶏肉の中華炒め、キャベツと厚揚げじゃこの卵とじ、ぶどうとトマトのスムージー、メープルかぼちゃプリン、パセリのアーモンドクッキー、バナナプディング、などなど。

通常、自分では作らないようなメニューばっかりだった。
でも、小さい紙に、美味しいものの作り方=魔法が書いてある、ということに、妙に萌えた。
たくさんの魔法が自分の手の中に…。これはたまらない。

他にもカードを探しに、某栄養学系専門学校の学祭にも、行ってみた。


カレーと豚汁で300円くらいだった…。食べ物系の学校の学祭は、ちゃんとした味なのに安いってところが、スゴイよね。

ロクロ、というアルゼンチンの煮こみ料理は、屋台で売っていた(屋台で売っているものも、レシピを配布していた。ステキ。)

展示を見たら、「世界のおふくろの料理」レシピカードを、配布していた。うきゃー!
ガンボ、アドボ、オージー・イートパイ、鶏肉バジル炒め、キムパブ、おはぎ、プレヤッサ、カイワット、牛肉ビール煮、ザワークラウト、フェイジョアーダ、パパ・ア・ラ・ワンカイーナ、などなど。
日本で入手出来る材料で書かれていたので、ヤル気になれば作れる。

日本の料理なら、材料と手順を書いてくれれば、だいたい作業出来るんだけれども、
見た事も聴いた事もない料理というのは、なかなか作れない。
だからこの世界の料理が写真付き、というのは、大正解だと思った。ありがとう、某専門学校の皆さん。
まずガンボとか作ってみます。

じゃあ、スーパーのレシピカードはどうなのか



「あれ? そういえば、いまのスーパーのレシピカードって、どんな感じだっけ?」
と思い、デパ地下とスーパーを、まわってみた。

大きな会社が作るカード(というか、たいてい二つ折り以上の冊子)は、キレイなんだけど…萌えないのであった。
ただのチラシに見えてしまう。料理本ならぐっとくるのに、料理チラシって、何でぐっとこないんだろう。絶対プロが作っているし、美味しい調理法なハズなのに。
…「レシピを書いた紙=魔法」って感じがしないからだろうか?


クックパッドとコラボしたレシピは、美味しそうだったけどな。

料理本体よりも、隠し味(ウスターソース)を推している、というレシピカードもあった。そのテがあったか!

いろいろ見回った中で、私が気に入ったのは、高級スーパー「KINOKUNIYA」のカード!

タイトル/キャッチコピー/材料/作り方/ワンポイントアドバイス、
と構成がしっかりしていて、デザインも統一感があって、無駄はゼロ。写真は無いけど、分かりやすい作り。
しかもカードの種類がハンパなく多い。今回、頂いてきたのは、なんと40種類。世界の料理から、国内の、地方のお鍋料理、フライパンで作る大学芋などなど。
キノクニヤには、珍しい材料が多く売ってるから、必然的に、レシピカードも多くなってしまうのだろうか? 普通のスーパーで揃えられるメニューも多いので、そういうことでもないのかしら。たんに企業努力かしら。

「きゅうりのサラダ ディル風味」というのが、簡単で美味しそうだったので、作ってみたい。


こちらは、タカシマヤ新宿地下の「中島水産」さんのレシピ。紙もツルツルでゴージャス。「酒の肴に」「お子様向け」「お弁当向き」「ワイン向き」というマークが秀逸! これいいなあ。

個人的に最もツボだったのは、同じくタカシマヤ新宿に入っているお肉屋さん、「人形町 今半」さんのレシピカード。


「美味し〜い しゃぶしゃぶ」「良い子のみんな、今半のお肉をイッパ〜イ食べてネ!!」「今半流すき焼は、ピンク色したお肉を食べるところから始まります。どうぞ美味しくお召し上がりください」…。

なんというか、フレンドリーでありながらも、自らの商品に対する自信があふれているレシピカードだ。「ウチの肉じゃないと、この料理作っても、美味しくないですからね!」という声が聴こえるような気がする。でも「お店が作る、オリジナルレシピカード」って、本来はこうでなくちゃいけないのだろう。
でも、しかし…。


材料に、「肉としょうが」としか書いてないのに、作り方の中で「酒」や「砂糖」「しょうゆ」が、サラリと出て来る。

材料に、「肉としょうが」としか書いてないのに、作り方の中で「酒」や「砂糖」「しょうゆ」が、サラリと出て来る。
しかし、別に腹が立つこともないし…、何でしょうか、この、今半のレシピカードの魅力は。
ちょっとしばらく、カードをもらって、追っかけ調査していってみたいと思う。

レシピカードは魔法書だよ

今は、ネットでいくらでもレシピが検索出来る。
私の知人も、iPadを「料理のためのレシピ検索にしか使ってない〜」と言っていた。確かに便利。
でも、検索する=作るものがほぼ決まっている、ということであって、「新たなメニューを作るキッカケ」にはならない。
紙媒体=レシピカードは、偶然、目に飛び込んで来る。偶然に出会って、口にいれるまでの関係になるという…、不思議な存在だ。
しかも書籍と違って、あっというまに絶版(というか配布終了)になったりする…はかなさがある。

しばらくちょっと、レシピカード収集にはげんでみたいと思う。
10年くらい集めたら、何かが見えてくるかもしれない。

(でも、あと数年したら、スーパーの売り場にQRコードがあって、かざすとレシピが出て来るとか、そういう状態になるのかもしれない。それはそれで面白いのかもしれないけれども…!)


 
 

 

 
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