駅構内
たまに公衆電話を使っている人がいると近づいて様子をうかがってみたのだが、話している最中にコインの落ちる音がして、カードを使ってかけている人は少ない。
「テレホンカードって売ってますか?」
と訊ねたところ、「ありますよ」との返事。 えっ! あるの!? み、みせてください!!
すると店員さん、レジの下のあたりから、適当な空き箱に入ったカードを取り出した。 そう、店頭には並んでいないが、KIOSKにテレカは売っていたのだ!
前のめりになっていただけに、この犬を見せられたときの脱力感はすごかった。 思わず「犬ですかっ」と声に出した。 そうかー、犬かー。 もちろん仙台発祥の犬種とか……ではないんですよねそうですよねー。
「お土産用のテレホンカードっていうのは、今はもう入ってこないです」
と、店員さんから明快な回答。
もう1種類は富士山の写真。よし、仙台関係なし。
とりあえず撮影させてもらい、それでいて1枚も買わないというのもアレなので、50度数の犬のほうを購入。 念のため駅内にあるすべてのKIOSKで確認してみたが、どこも犬とフジヤマという結果だった。
使い終わったテレカに珍品はないか?
以前はよく、公衆電話のまわりに使い終わったテレカが捨てられていたものだ。今はどうだろう。
繰り返される脱力感。そんな目でこっちを見るんじゃない。
新幹線車内
帰りの新幹線。仙台でたいした収穫もなくしょんぼりしていたのだが、ふと、そういえば車内でもテレホンカードを売っていることに気づいた。
JRの通販カタログで扱いが雑な宝田明の写真を眺めて楽しんでいたのだが、そんなことに時間を費やしている場合ではない。あわてて席を立ち電話をさがす。
今やほとんど使われることのない車内の公衆電話。 そしてなんの愛想もないテレカ販売機。だが、こういう「何が出てくるかわからない」感覚がコレクター魂を揺さぶる。
値段は1000円。くそっ、大きい賭けだ。だが、観光客が移動の足に使う新幹線車内で販売されているテレカ。なにかお宝が眠っていないとも限らない。そうであればこれは記事のクライマックスにも使える。
どうだ。なにが出てくる!?
さっきKIOSKで買わなかった富士山だった。