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ロマンの木曜日
 
クリニカの酵素で水あめは作れるか


クリニカの酵素は、歯垢以外も分解するか!?

酵素で歯垢を分解する歯磨き剤、「クリニカ」。
調べてみると、細かくは「デキストラン」という物質を分解するんだそうだ。じゃあ、名前の似ているデキストリンも分解できるんじゃないのか。
デキストリンなら、僕らは毎日食べていて、マツキヨで普通に売っている。

加藤まさゆき



ノークリニカ、ノーライフ

僕はもう、20年以上「クリニカ」を愛用している。

高校生だった兄が、「酵素が入ってるから、歯垢がよく落ちるんだ」と、子供の僕を洗脳したためだ。
以来、クリニカじゃないと汚れが落ちないような気がするようになり、それは今でも続いている。
常に何の迷いもなくクリニカを買う。


おかげで虫歯には、一度もなったことがない。

さてそのクリニカの酵素だが、「デキストラナーゼ」といい、歯垢の成分であるデキストランを分解するんだそうだ。そこで僕はふと思った。

 

デキストリンリン、デキストランラン

デキストランと名前も構造も非常によく似た物質、「デキストリン」なら、僕らは毎日食べている。片栗粉みたいに、溶かすとトロッとするので、粉末ポタージュやドレッシングのとろみ付けに使われるのだ。
特にこれ、僕が「めんつゆフォンデュ」の記事で使ったとろみ剤なんか、典型的なデキストリンだ。


これはデキストリンを含む粉末。溶かすとトロトロ。

もし、クリニカの酵素でデキストリンも分解されれば、分解後は糖分になるから、とろみ剤が甘い甘い水あめになるのだ。
すごいぞ、このアイディア。
よし、とりあえずやってみよう。

 

まずはとろみ剤、買い揃え


マツキヨとかで売ってるよ。とろみ剤。

右はめんつゆフォンデュの記事で使った余り。お年寄りの介護食などに使われるやつだ。
それに対して左は乳幼児用。
僕らの人生はとろみに始まり、とろみに終わる。そんな人生の一面が垣間見える並びだ。

さて、これを水に溶かすと、とろとろの溶液になる。


こっちはお年より向けの方。デュルン、デュルン。

コップの水をかき混ぜながら溶かし入れると、一瞬で白く分散し、1〜2分経つと急にとろとろしてくる。突然ではなく、だんだんと変化する感じが面白い。味は片栗粉をとかして作った「くず湯」に似ている。

この粉、コーラとかファンタに入れたらどうなるかなあ。やってみたいが、趣旨がずれるので今はやめておく。

 

続いて主役・クリニカの登場。


子供が使う程度の量。味をミントフレイバー程度で抑えるため。

歯磨き剤を使う量は、実は少量でいいと言う。歯ブラシの上にニュルニュルっと乗せる写真は、製薬会社が消費拡大のために作ったイメージだというのは有名な話だ。
もし水あめが出来たとして、歯磨き粉味しかしない水飴を食べるのは避けたいので、今回の実験でも、少量しか使わない。


クリニカを水で溶いて、とろみ溶液にイン!

酵素は温かくないと働かないから、温める。

電子レンジ機能の「パン発酵」モードを使う。庫内を40度に保ってくれる機能だ。
この電子レンジを買って、もう14年になるが、いまだ一度も使ったことが無い。この「パン発酵」モードのスイッチを入れる日がとうとう来た! 入れ方が分からなくて、10分以上悩んだ! でもなんとかなった!

さあ、はたらけ! クリニカの酵素!


デキストラナーゼ! デキストラナーゼ!(はたらく呪文)

 

で、クリニカの酵素はどうなった

10時間後。もうすっかり真夜中になった。


ほわりと温かい、40℃のオーブンレンジ。

パジャマ姿で、生温かいコップを取り出す。
見た目には何の変化も無い。傾けてとろとろ感をチェックしてみたが、変化は無い。


左がクリニカ入り。入れる前から左が少し白く、今も白い。

どう見ても、酵素が働いたようには思えない。
とりあえず、4つのコップ全部、ひとくちずつ飲んでみた。


10時間前は「くず湯」の味だったが。

何も変わっていなかった。
全部、くず湯の味がした。何の味もしないくず湯と、ミントの香りのくず湯。
クリニカの酵素は、間違いなく何もしていない。
デキストリンを前に10時間、ただただ無力だったのだろうと想像できる。


すまない、酵素たち。無理を言った。

僕は今、明日の締切を前に、途方に暮れている

以上の結果、「クリニカを混ぜると、ミント味のくず湯ができる」ことが分かった。クリニカの酵素は、デキストリンは分解できないのだろう。名前と構造が似ている物質でも、違うものは違う。 そういえば青年期の頃は、アイドルに名前と雰囲気が似ているAV女優にも、よくがっかりさせられてきた。今回の実験であの経験を生かすことができなかったのは残念だ。

じつは、これが失敗したときのために、別の実験も考えてあり、10時間待っている間にやっていたのだが、こちらも見事に失敗した。失敗談を2つ並べて書くのはあまりにも恥ずかしいので、無かったことにする。 次回以降、あてずっぽうで理科実験の記事に挑戦するのには慎重を期していきたい。

もう一つの実験も失敗しました。材料が無駄に余っています。

 
 

 

 
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