うずめ飯
続いて紹介する「うずめめし」は、もともと石見地方(島根県西部)の山間部で食べられていた料理で、江戸時代にはすでにあったらしい。 「うずめ飯」というかなりヘンテコな名前の由来には、豪華な食事をしているのが役人にバレないように、おかずをご飯の中にうずめて食べたのが始まりだという説があるようだ。 コントみたいな話で、本当かなあという気もするが、僕はこの説がおもしろいので信じることにする。
うずめてみたい
先ほどの道の駅のレストランに「うずめ飯」のメニューがあったので食べてみた。 僕も他のお客さんに「こいついいもん食ってるな」と思われないように、うずめたおかずをこっそり食べる気満々だったのだが、でてきたうずめ飯は、ぱりっと豪華なお膳だった。
うずめるのやめました
このお店のうずめ飯は、おかずをご飯にうずめていないようだ。 それだと見た目が質素すぎて華がないからということのようだが、なるほど、お店のメニューとしてはたしかにそれが正解かもしれない。 本来は、野菜や肉などを刻んで煮たものをご飯にうずめ、それにダシ汁をかけて食べるものだということだが、このお店ではけんちん汁のような物をご飯にかけて食べる。
うずまっていないけどうまい
単純にいうと「しょう油仕立てのけんちん汁かけご飯」なわけだが、うまい。 さいの目に刻んだ椎茸とかサトイモがワサビとよくあう。 さらさらとお茶漬けのようなのだが、具がしっかりしていて歯ごたえがあり、それがうれしい。 二日酔いの日に食べると最高だろうと思う。
うずまっているのを食べる
うずめ飯はお店によっても様々らしく、具がうずまっているのもあるということなので、せっかくだからそれも食べてみた。
山菜と鮭がうずめてある
こちらのうずめ飯は、ぱっと見は海鮮丼で、これだけでも豪華なのだが、海鮮の下のご飯のそのまた下に山菜と鮭が敷いてあり、そしてそのまた下がご飯という、書いているだけでニンマリとしてしまうようなスペシャル感である。 ちなみにこれで840円(+サービス料)だった。
半分食べたらダシをかける
海鮮丼部分を食べ終えて、中間地点の山菜と鮭を確認したら、おもむろに熱いダシ汁をかけて第二の領域へと進んでゆく。 もう書かなくてもわかると思うが、これがまたうまい。 ダシ汁がまずおいしいのと、それから鮭がうまい。 ご飯に汁をかけるとどうしてこんなにうまいの? 誰にともなく質問を投げかけてしまうほど、汁かけご飯は魅力的だ。
松江へ
ちなみのこのうずめ飯は、日本五大銘飯とよばれている(残り四つは、さよりめし<岐阜>、深川めし<東京>、忠七めし<埼玉県>、かやくめし<大阪> )。 もともとは山間部の食べ物で、名物にするにはやや地味なので、各店が工夫を凝らしているということだ。 ハンバーグか餃子でもうずめたらB級グルメってことで人気でないですかね、というような話をしたら「はははは」と笑って返されたが、目は笑ってなかった。 ということで、この翌日は県東部の松江に移動して「ぼてぼて茶」を食べるつもりだ。
関係ないけどホテルで食べた翌朝のご飯