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はっけんの水曜日
 
最寄り交通機関から徒歩2時間の温泉

闇風呂にコーフン!

さて、暴れ太鼓の音に呼ばれて旅館に戻る途中、こんなものを見つけました。


Docomoのアンテナ……?

コレは何かといいますと、こんな山奥なもんで電話線もきておらず、さらに携帯電話の電波も圏外ということで、衛星電話用のアンテナらしいです。

この公衆電話、宇宙を通じて電話を発信するんですよ! 夢、ありますねぇ〜(ちょっと電波は不安定でしたが)。

こちらが大広間、「こんな山奥まで来る人いるんかい?」と思ってたんですが、ものすごくいっぱいお客さんが来ているみたいですね。

……早く冬休みにしたいから、この日に予約客をギューギューに詰め込んだんじゃ、という勘ぐりもしてしまいますが。


夕食はこんな感じのメニューでした

夕食を食べ終わっちゃうと、テレビもねぇ、ラジオもねぇ、ゲームコーナーや卓球なんかも当然ない旅館なのでやることがないんですよね。団体さんはお酒とか飲み出してるみたいですが、ひとりで飲んでも……。

まあ、この無駄にゴロゴロしてる感じも温泉気分で楽しいんですが。

ところで、こんな人里離れた場所にある旅館でも夜になるとちゃんと電気がつくんですが、コレは電線がここまで引っ張られているというわけではなく、自家発電しているものらしいです。

というわけで、夜9時になると消灯……というか「発電終了!」とばかりに、いきなり電気自体がバツーンとオフになってしまうんですよ。


ホント真っ暗

予約の時に「懐中電灯を持ってきて下さいね」といわれていたんですが、理由が分かります。トイレ行くんでも何でも懐中電灯を使わないと全然見えないんですよ。

はじめて来た旅館の中を懐中電灯を持って歩き回るのって、ちょっとした泥棒気分で楽しいんだ、コレが。

消灯後も露天風呂は24時間入浴可能なんですが、もちろんそこまで行くのも懐中電灯を持っての移動です。

夜になって雪が降り出したようで、雪道を懐中電灯で照らしながら歩く……何ともいい雰囲気です。

着替えも懐中電灯を使って。

(一応混浴の)真っ暗な更衣室で懐中電灯を使ってると、ホント下着泥棒でもしてる気分になってドキドキしますね。

フラッシュを使って撮ったら雪と湯気でよく分からない写真になってしまいましたが、実際にはホントに真っ暗!

ほぼ星と月しか見えない、しかも雪が降ってる中で温泉につかるのって異次元体験ですよ。

宇宙の中で風呂に入ってるみたい! 宇宙とオレは一体だーッ! ビカーッ! ビカーッ! ……変な宗教に目覚めてしまいそうです。


真っ暗な中にいるとちょっと不安になっちゃうのか、独り言が増えますね

この後、なんと女性数名(声からすると結構なおばはん)がやって来て、期せずして待望の混浴が実現! しかし真っ暗なもんでなーんにも見えない上に、おばはんたちは酔っぱらってるようですごく変なテンションでした。

「イヤ〜ン、男の人が入ってるわ」
「大丈夫よー、真っ暗でなんにも見えないんだから!」
「そうよそうよ、もっと近くに来てもいいのよ〜」
「こういうのって若い人の方が恥ずかしがるのよね、アッハッハ……」

みたいな、おばはんパワー丸出しな雰囲気になってしまい、すごすごと部屋に引き返しました。

 

帰り道は……ホントに地獄でした

さて翌朝。

露天風呂はホントーにいい雰囲気で楽しかったんですが、帰りも来たのと同じ山道を歩かなきゃならないと思うと心底憂鬱です……。

しかも、昨夜の雪が積もっちゃってたんですよ。

山登りの経験なんてほとんどない、しかも普段から運動を全くしていないボクが、いきなり雪山登山! ヤバイことこの上ありません。

もちろん帰り道なんで「疲れたし寒いし、やっぱ引き返しちゃおう」みたいなわけにもいきませんからね。

もう帰り道は……地獄、ホントに地獄でした。

結構厚着をしていたので寒さはそうでもなかったものの、足下はズリズリ滑るわ、雪で道が隠れちゃってるわで、ホントにどこ歩いてるんだか分からなくなってしまい、ちょっとした遭難状態に。 最後の方は泣きながら歩いてましたよ。

運良く、なんとかかんとか帰り着くことが出来たんですが、帰り道のことは……つらすぎて楽しく書けそうにないのでこの辺で……。


本気で天に召されるかと思いました……

また行きたい……けど山は登りたくない

あれだけ山奥にあるにも関わらず、たくさんお客さんが来ているだけに温泉自体はホントいい雰囲気で良かったんですが、また行きたいかというと……あの山道はもう二度と歩きたくないんですよね。

夏場だったらもうちょっとマシか……イヤイヤ、暑かった暑かったで大変に違いない。

まあ、普段運動をしている人にとっては大したことのない道らしいので、是非行ってみて下さい。来年の5月まで閉まってますけど。

……しかし、そもそもは冬に閉まっちゃう温泉の最終日に行きたい、という話だったハズだったのが、山奥度がすごすぎて、そっちはどうでもよくなっちゃいましたね。この後、大掃除をして閉めるだけで特別なことをするわけじゃないみたいです。


●三斗小屋温泉・煙草屋旅館
栃木県那須塩原市三斗小屋温泉
【電話】0287-69-0882(那須塩原案内所)


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