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土曜ワイド工場
 
40年前の父と同じ写真を撮りたい


この写真を頼りに

私の父は12年前、50歳の若さで亡くなった。
当時私は家を出ていたから、最後の1年はほとんど会っていない事を考えると、父に会えなくなってから約13年が過ぎた。

誰に対しても優しくて、ユーモアがあり、笑顔が印象的だった父。そんな父のアルバムを見返していたら、気になる写真があった。

今回はその写真と同じ格好で、同じ場所に行き、父が見た風景を見に行くことにした。

小堺 丸子



父の写真

父の写真を見るのが好きだ。
もう会えない事を考えると悲しくなるが、好きだ。
特に若い時の父は、私が言うのもなんだが男前で好青年風で好きなのだ。


父の高校時代(右)。私の大きな口は父親ゆずり。
右から2番目。陸上部だった。

たぶん弾いてるフリ

アルバムをめくっていくと、父は高校時代に陸上部に精を出していたんだなとか、仲の良かった友人はこの人かとか、ギター弾けるフリしてたんだなとか色々と分かって楽しい。

それらの中には、学校やら新潟の実家というように場所が大体想像のつく写真や、説明が書かれているものがある。


陸上部の合宿写真。(右から2番目、上)
場所と共になぜか左の写真のサングラスの人の絵が。絵はあまり上手くなかったようだ。

しかし大抵はどこだか分からないものや、これと言った特徴のない風景ばかりだった。


どこでしょうここは

分かったとしても、何せ40年以上も前の写真。新潟の家も改装したし、学校や街の景色はきっと随分と変わっている事だろう。そう思いながらページをめくる。

すると「棒乃折山」という山の頂上らしき所で笑顔で旗を振っている写真を発見した。それが冒頭の写真だ。


大学時代の父

今までなら次へとページをめくっている所なのだが、この時は「ん、まてよ」と思った。

山なら40年経ってもきっと変わらずあるだろう。ならば父がそこで見た風景を私も見られるんじゃないか、と。

さらによく見たらこの写真、後ろの景色がボンヤリしていてよく分からない。霧がかっているのもあるだろうし、白黒写真だからというのもあるだろう。

そこにはどんな景色があったのだろうかとさらに気になった。
「棒乃折山」を調べてみると、奥多摩にあるようだ。そんなに遠くないと知った私は、その週末にさっそく登る事にしたのです。


行ってきます

その前に準備

いや、ただ登るだけではつまらない。
どうせなら父と同じ格好で、同じポーズの写真を撮ったら面白いのではと思った。という訳で写真を改めてジックリと見てみた。

・白いシャツを着ている
・旗を振っている
・案内板に帽子をかけている

ポイントはこの3つだ。
白いシャツというのを私は持っていないのでワイシャツを買ってきた。帽子もそれっぽいものを用意。旗は・・・100円ショップでつっぱり棒と、布切れを買ってきた。


無地の布切れはこの色しか無かったがまあいいか
そんな訳で下にシャツ着てます

それでは高尾山以来の登山に行ってまいります。


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