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土曜ワイド工場
 
雨の日も馬は走るよ多摩川を


すっごい雨

東京と神奈川の県境となる多摩川。
首都圏を流れる一級河川で、なかなかの街中を流れている。多摩川沿いに建つ家々に住むにはかなりの家賃が必要だ。

そんな場所に「小向厩舎」という施設がある。
川ア競馬場に所属する競走馬が体を鍛えたり、寝たり起きたりなどの生活する施設だ。体を鍛える調教用コースと生活する厩舎の間には普通の道が通っていて、馬は横断歩道を渡り、その間を行き来する。

公道を馬が歩くのだ。
都会とは思えない光景。ぜひ見たい、というわけで行ってみることにした、雨の中。

地主 恵亮



競走馬の朝は早い

早起きは三文の徳、なんて言うけれど、競走馬の朝はとにかく早い。取材を申し込んだら5時半頃においで、と言われた。冬の5時半の世界は真っ暗である。僕の家の最寄り駅では始発もまだ走っていない。そのため、30分歩いて別の路線の駅へと向かうことになった、大雨の中。


強い雨

とてつもなく強い雨が降っていた。
傘は全く意味をなさず、駅に向かい歩く僕はどんどんと濡れていった。12月のまだ陽も昇らない時間帯に濡れるということは、賞味期限が2週間も過ぎた卵を生で食べるような危険を伴う。死ぬほど寒いのだ。こんな天気で馬はトレーニングしているのだろうか、と心配になった。


小向厩舎の最寄駅に着いたけど、大雨

「小向厩舎」は川ア駅から徒歩20分くらいだ。
びしょ濡れの格好で電車に乗ってその川崎駅までたどり着いたわけだ。不良の高校生が抱きかかえる捨てられた子猫のようにびしょ濡れだ。その格好でさらにタクシーに乗り、目的地の「小向厩舎」に到着した。


雨だけど馬がいる

雨でも走る馬

馬のトレーニングのことを調教と言う。
こんな雨の中で行われているか散々心配していたけれど、雨なんて降っていないかのように馬が普通歩き調教用コースに向かっていた。後で調教師さんに聞いたのだけれど「雨が降ろうと、槍が降ろうと調教する」のだそうだ。


横断歩道を渡る馬(ボケボケ)

馬は神経質な動物なので、写真を撮るにしてもフラッシュをたいたらダメだし、傘をさしてもダメ。今は真っ暗だし、雨は嫌がらせのように強く降っている。僕はカッパを持っていない。

さて、どうしようと密室トリックに悩む探偵のように僕も悩んだのだけれど、結局その事件は迷宮入りとなった。結果写真はボケボケだ。


馬は雨なんて関係ないが僕は雨に弱い

雨の日の調教

調教用コースは多摩川の河川敷にあり、川沿いを走る道路を一本はさんで馬が生活する厩舎がある。この間を行き来する時は、先の写真のように馬は横断歩道を渡るわけだ。

ここは神奈川だけれど、対岸は大都会東京。都心の風景とは思えない感じだ。

ちなみに、川ア競馬場は車で20分ほどの場所にあり、レースがある日は、馬はここから車(馬運車)に乗り込み向かうことになる。


調教師さんの小屋

調教用コースは1周1200メートルあるダートコースで、その脇には調教師が馬を見守る小屋が建てられている。カッパはなく、傘もさせず、ただただ濡れるしか方法がない僕は、そこに入れてもらい調教師さんと馬を眺めた。


雨でも普通に走っている(コースの奥は多摩川、その向こうは東京だ)

調教師とは馬を管理する人のことだ。
その他には馬の世話をする厩務員や騎手などがいる。基本的には調教師さんが調教のメニューや、どのレースに出走するかなどを決める。とても偉い人なわけだ。


そんな調教師さんが小屋の雨漏りをなおす

雨の中を馬が走る >
 

 
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