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年末年始とくべつ企画
 
貧乏国盗り合戦


制限時間と参加人数を考えると、おそらく優勝ラインは3〜4県というところだろう。目先の1県を狙うより、効率よく3〜4県をかっさらえるプランを練る必要がある。

榎並 紀行



見えてきた攻略ルート

前日、そんなことを考えつつ路線図を眺めていたところ、なんとなく攻略ルートがみえてきた。うまくいけば5県を攻め落とすことも可能かもしれない。

パスモに1万円をチャージ。大富豪になった気分
まずは、東京駅→(山手線)→秋葉原駅

まずは、東京駅から山手線で秋葉原駅へ。そこからつくばエクスプレスに乗り換える。このつくばエクスプレスの使い方が、僕のプランでは最大のキモとなるのだ。

秋葉原からつくばエクスプレスへ乗り換え

3県を通過するつくばエクスプレス

つくばエクスプレスは秋葉原から茨城県つくば市までを最速45分で結ぶ路線。この路線が魅力的なのは、途中で「八潮駅(埼玉県)」「南流山駅(千葉県)」「守谷駅(茨城県)」という3つの駅を経由する点だ。


どこで降りるかが勝負のカギ

ずっと同じ県を走り続ける路線だと、目当ての県を誰かに盗られた時の軌道修正が難しい。
だが、つくばエクスプレスなら、もし乗車中に誰かに千葉を盗られたら僕は「八潮駅(埼玉県)」で降りればいいし、埼玉を盗られたら「南流山駅(千葉県)」で降りればいい。両方盗られたらまっすぐ「守谷駅(茨城県)」へ行けばいい。いずれの場合も最低1県は狙えるであろう手堅い路線だ。つくばエクスプレスが戦国時代の名馬「松風」のように思えてきた。

最初の県「埼玉県(八潮駅)」に近づく

開始から約20分。間もなく埼玉県の八潮駅に到着する。まだ他のどの軍からも「国盗り」宣言の報は届いていない。てっきり埼玉はどこかの軍が真っ先に狙うだろうと思っていたので意外だ。

ということで「埼玉」盗っちゃいます!

「国盗り」のメールは改札の外に出てから送るのがルール。車内で下書き文を用意しておく
急げ!

改札の外でメールを送信

10:33「埼玉」奪取!

八潮駅の改札から「埼玉とりました」のメールを送る。どうやら一番乗りのようだ。やった、これで埼玉はおれのもの。

(参加メンバー間での)領有権が正式に認められたことで「おれの領土」という自覚がにわかに芽生える。大名として、いい国にしていきたい。

領土を奪うということは予想以上に気分がいいですね。(危険な発言ですが、もちろんゲームの中での話)

さて、さらなる国盗りに向けて出陣じゃ

安藤軍が千葉を落とす

さらなる領土拡大を狙い、兵を「下総」「常陸」に向けて進軍させる(つくばエクスプレスで千葉と茨城に行くということです)。

安藤軍は千葉を落とした模様

僕が埼玉を盗ったほぼ同時刻に、安藤軍も千葉を盗っていた。僕としては結果的に千葉を捨て、埼玉を選んだ判断が功を奏したようだ。では、このまま「守谷駅」へ向かい、茨城を盗ることにしよう。

その時「安藤軍の武蔵野線、強風で止まる」というアクシデントの報が届く。わが軍にとっては神風

他の人の動きが気になる

とりあえずひとつ目の県を盗って安心したところで、他のメンバーの動きを気にする心の余裕も出てきた。それぞれの動向をメールでチェックしてみると。

安藤軍
小柳軍

安藤軍、小柳軍とも停滞している模様。気になるのはスタートから音沙汰のない地主軍の動きだ。

そうこうするうちに「守谷駅(茨城)」に近づく
改札へ急ぐ

10:56「茨城」奪取!

埼玉に続き、茨城も一番乗り。嬉しいのだが、このあっけなさが少し気にかかる。本当は他のメンバーみんなで宴会でもしてるんじゃないのか?

そんな疑念を抱き始めた1分後に届いたメール

隠密的に事を進めていた地主軍だったが、どうやら茨城を狙っていたようだ。僕が守谷に着いたのとほぼ同時に「取手駅(茨城県)」に着いたらしい。取手を鳥手と打ち間違えているところに地主軍の焦りを感じる。

だが、タッチの差で茨城は我が軍の領土となった。これは後々大きな勝利になりそうだ。

地主軍の心を折ることに成功

次は栃木を狙います!

順調に2県を制覇し、次に狙うのは栃木県だ。守谷駅からだと、関東鉄道の常総線とJR水戸線を乗り継いで小山駅へ向かうルートが最短となる。

ちょうど快速が来ていた。武運長久とはこのこと

常総線は2両編成のローカルな鉄道。茨城県南西部を縦断する車窓からは田園風景が広がる。

心和む風景

そんなのどかな風景を眺めて鋭気を養っている間に、電車は下館駅に到着。ここからJR水戸線に乗り換えて小山駅へ向かうのだが、電車が来るまで少し時間があるようだ。

乗り換えの電車は約30分後
というわけで、駅近くの「喫茶ミレー」で時間をつぶすことにした

今回は食事代も1万円以内でまかなうルール。節約のためコーヒー1杯で我慢するつもりだったが、困ったことに「喫茶ミレー」はおいしそうなランチメニューが充実している。

特にハンバーグがおいしそうだ

「腹が減っては戦はできぬ」そんな呪文を心のなかで何度か唱えてみたら、1000円の出費も意味があるものに思えてきた。戦国時代には便利な言葉があるものだ。

ということでハンバーグを注文

「喫茶ミレー」のハンバーグはかなり本格的なハンバーグだった。バターでソテーしたホウレン草やポテトの付けあわせも家庭的な味付けでうまい。

いざ、栃木へ

ハンバーグを堪能して駅へ向かうと、ちょうど電車がホームに到着するところだった。まだ、栃木攻略の報はどの軍からも届いていない。ここから小山までは約20分。栃木一番乗りも近い。

JR水戸線で小山へ

12:53「栃木」奪取!

水戸線の車内で地主軍が群馬を奪取したとの一報が入るも、栃木は未開だ。

ということで悠々と小山駅へ到着。栃木も一番乗りを果たした

さて、どうしよう

ここまで順調に3県を奪取したが、ここで我が軍も手詰まり状態に陥る。近場だと福島県が狙い目だが、最寄りの新白河駅でも片道約2時間かかる。今回は17時までに都内に入るというルールなので、福島を目指すとタイムオーバーになることが分かったのだ。

とりあえずお土産を買ってから考えよう

小山駅の構内でお土産を物色していたら、安藤軍から一通のメールが届いた。

「東京は最初に帰ってきた人の物にしましょうか」

渡りに舟とはまさにこのこと。さっそく調べると、東北本線で赤羽駅を目指すのが東京への最短ルートらしい。所要時間は約1時間。よし、江戸も盗ってやろう。

そしてお土産は「いちごブッセ」にした。

東北本線にはグリーン車があった。プラス750円でゆったりしたリクライニングシートと車内販売のサービスがついてくる。普通車両と比べて静かなのもいい。せっかくなので、大名らしくグリーン車で凱旋することにした。

静かで快適なグリーン車

東北本線の車内販売はけっこう充実していて、ビールやつまみも売っている。ここで豪遊して予算オーバーしてしまえば全てがパーだ。いちごブッセで腹を満たしながら赤羽を目指す。

新富士駅からタクシーにお土産を食べながら帰還乗車

14:26赤羽に到着。首都を制覇し、これで1都3県を手中におさめる大名となり、めでたく優勝の名誉を授かった。

そして赤羽到着。東京も一番乗り

優勝してしまいました

最終的には榎並軍こと僕が4国(埼玉、茨城、栃木、東京)を盗り優勝となった。 完勝のように思えるが、茨城と栃木はタッチの差だったし、実際は薄氷の勝利といえるだろう。

ゲームが終了した瞬間、せっかくおさめた領土が僕の手から離れてしまうのは寂しかった。明治維新で藩主の座を追われた大名たちもこんな気持ちだったのかもしれない。 。


今回のルート

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