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ちしきの金曜日
 
みんなで「GPS描き初め」をやった

設計図はまさに「机上の空論」なのだよ!


じっさいに街に出てみると、地図ではわからなかったことがたくさんある。まあ、ぼくの設計がおおらかすぎた、ってのもあるけど。

えーと、あっちが二の腕で、こっちが足の先の方で…

ぼくがGPSロガーが好きなのは、これは外に出ないと何も起こらない代物だからだ。

地図っておもしろいもので、地図好きの人って大勢いる。ときには地図そのものの表現のマニアもいる。でも、ぼくはそういうのには興味がない。地図や航空写真が面白いと思うのは、それを見てると出かけたくなるからだ。

GPSロガーには地図がぼくに働きかけるその「外に連れ出す力」をさらに高める作用がある。それが気に入っている。


何が言いたいのかというと、このGPS地上絵というものは、そのことがもっとも強く作用するのだ、ということ。

つまり、実際街に出て歩いてない人にとっては設計図として描かれた地図上のウサギの絵も、実際歩いて取得したログデータによって描き出された絵も同じだ。

でも実際歩いたうえでウサギの絵を見ると違うものが見えてくる。お腹の膨らみの道が暗渠の上の商店街でへんな店がたくさんあったこと、とか。そういうことを動物の絵の中に思い出すのだ。これが面白い。


うわ!ここ行けないよ!

ちょっとロガーはここに置いて(持ってくと軌跡残っちゃうからね)、偵察だ。

え?で、ここ行くの?行けるの?だいじょうぶ?

あと、地図では通れそうだと思ったところも、実際その場に行ってみるとだめだったりすることは必ずある。

つまり、地図とにらめっこして描く絵は文字通り「机上の空論」だということ。でもこれは悪いことじゃない。現場で別の道を選ぶときには「どうすればウサギらしいか」というのが基準になる。

「これ、外側行った方が『脚』っぽいよね」

っていうおよそ普通道歩くときには発想しないことを思いながら歩く。これが醍醐味だ。

 

各チームのアドリブが楽しい

そういう現地での冴えたアドリブが、今回各チームにあったので、それを紹介したい。

まずはぼくらAチーム。さきにふれたウサギの目について。

なんと、目は東大の敷地だったのだ。


ウサギの目を描くために東大病院のところの門から大学へおじゃまします。

設計図の目。キャンパスの中をぐるり。【より大きな地図で表示

実に大学らしい風景のなかをぐるりと一周。そしてさらにアドリブを加え…

「ねえ、三四郎池のまわりぐるってまわったら『瞳』が描けるんじゃない?」

「おっ、それいいねえ!」

「行ってみよう!」

こうして設計図にはなかったすてきなアドリブが加えられることとなった。


設計図のコースから離れ、三四郎池に降りていく。

「あそこにいるカモにロガーくくりつけて泳がせたら瞳を塗りつぶせるんじゃない?」「いや、それはさすがにむり」

こういう形で東大の三四郎池をめぐることになるとは思わなかった。

後ろ足のBチームもすごく面白いアドリブを加えていた。


Bチームの足の裏の部分。線路脇の道を歩く、という設計をしてみたのだが。【より大きな地図で表示

ちょうどぴったり都電荒川線の一駅分だったので、乗ってみた、というのだ!

電車によるGPS地上絵ってはじめてだ。これはキュートなアドリブ!

そして「オレには別のプランがある!」と言っていた石川さん率いるCチーム。

「設計では1つだった耳を2つにしたぜ!」と言っていた。ほほう!


Cチーム。なんかちょう狭い路地に入り込んでるし!どういう耳になるのか楽しみ!

そうそう、あの人のことも忘れてはならない。


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