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ひらめきの月曜日
 
おでんラーメン、おでんケーキ、進化が妙だ姫路おでん

レアなおでん屋

違う姫路おでんも食べてみたいと思い、先ほどの店の近くにあるおでん屋さんに向かう。が、地図を見ながら向かっても見つからない。


時計屋さんがお洒落。

地図の指し示す辺りをぐるぐる回るが、全く見つからない。諦めて駅に向かったところでやっと見つけた。


これかっ!
こんな所に!

歩道橋の横に看板が出ていて、その横の細い道の奥まった所に 関東煮ののぼりがはためいている!なんだこの隠れっぷりは。ゲームだったら絶対に希少なアイテムが落ちてる所だ。

 

歴史感じるお店


雰囲気ある店構え。カブも良い感じ。

先ほどと同様に昔ながらのお店といった佇まいのお店。こっちは店っぽさが高いので入りやすい。


懐かしさと薄型テレビが同居する店内。

雑然とした店内は昔通った駄菓子屋を彷彿とさせる。僕の場合はたこ焼きやかき氷を食べたりしていたが、姫路の子の場合はそれがおでんなのだろうか。

おでん(関東煮)を注文すると「にーちゃん、何かける?」と聞かれた。「何があるんですか」と返すと「えーっ、生姜醤油か、ソース」との返答。ソース!ホントにソースかけるのか!

ソースでお願いすると、すぐに来た。

 

こってりおでん


なんか、力強い。ごぼ天、厚揚げ、すじ肉。

遠慮無くドバッとソースがかけられた関東煮が来た。関東煮の熱気でソースの香りが広がる。もうこの時点で僕の考えるおでんとは違う物だとわかった。


こってり、ごってり。

あぁ、ソースかぁ。と思いながら意を決して口に運ぶ。ソースの酸味が広がった後、じゅわっと油が広がった。濃い、おでんなのにこってりだ。


お店のおばちゃんのおじいちゃんの代から継ぎ足している鍋。

聞くと、同じ出汁にずっと継ぎ足して使い続けているらしい。 継ぎ足した水分は蒸発するが、おでんダネから出た油が濃縮された味。同じ関東煮でも、先ほどとは全く違う味。ここでしか食べられない味だ。

 

おでんに対する考え方が全く違う

こってりとさっぱり、生姜醤油とソース、同じ料理なのに振れ幅が広すぎる。そして実際に食べてみてもなんでソースをかけるのかよく分からない。


ブレててすみません。こってりだけどタネ自体は薄味。

僕「本当に地元の皆さんはソースで食べてらっしゃるんですか」

おばちゃん「そうやねー、いっつもソースの人もおるし、生姜醤油の人もおるし、人それぞれやねー」

本当にいるのか、意外だ。

僕「そうなんですね。でも、なんでソースなんですか?」

おばちゃん「そりゃー、ソース好きやからやろ」

えっ、そんな理由!?自由!?

おばちゃん「お兄さん、大阪から来た言うとったねー、たこ焼きにはソースかけるやろ。それと一緒やわ」

えっ、そんな感じ!?違わないか!?

おでんはすでに味付けがされていて、完成した状態だという認識だったが、姫路の人にとっては「目玉焼きに何かける?」ぐらいの感じ。料理よりは「素材」に近い考えを持っているのかも知れない。

なんだか不思議な感じだが、姫路おでん(関東煮)の大体の感じは掴めたぞ。では、応用編のうどんやラーメン、ケーキに行ってみるか。


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