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ちしきの金曜日
 
謎の船の正体


 

先日、長崎は五島に行った時、謎の船を見た。

これは一体何なのか? 

その正体を知って、かなり驚いた。

T・斎藤



いろいろな船があるが

先日、五島列島に行った時、さまざまな船を見た。









…おっと、これは船じゃない。


船が岸壁にぶつからないようにする緩衝材だ。

ヘンな船

そんな中、格段に異質な船がひとつあった。


コレ。

この船、何??

近づいてよく見てみると、
遠くから見た時に感じた違和感は
さらに強烈なものへと高まった。


え?ホントなにこれ…?

ネタっぽい香りがする、と思って近づいたのだが、
何かレジャーボートの類(スワンボートみたいなやつ)かと思ったら、ぜんぜん違う。もっと本気っぽい船だった。

が、本気にしては小さすぎる。
潜水艦のようにも見えるが…。

書かれてる文字を見ると日本の船ではない雰囲気だ。


別アングルから見て、さらにわからなくなった。

内部がメチャメチャ。

なんと、中はメチャメチャな状態だった。
そういえば扉が開きっぱなしというのもおかしい。


これってもう壊れてるよね?

この船に何があったのか?

いや、そもそもこれは一体、何の船なのか?


〜斎藤推測〜

これは外国から来た工作船で、日本の領海で何かやばい作業をしていたところを、海上保安庁の船がバトルの末、拿捕。

扉が破損していたり、中がメチャメチャになってるところがバトルの激しさを物語っている。


地元の人なら何か知ってるかもしれないと思い、港のターミナルビルの案内所の人に聞いてみた。


福江港ターミナル

〜地元の人の話〜

「あのオレンジのですか?
さぁ…海洋調査をする船ですかねぇ?
だいぶ前からあるようですが…。」


ということで、少なくとも案内所のかたはよくわからない様子だった。

いよいよ謎だ。


果たして真相はいかに

 

答えはインターネットで

家に帰ってから、さっそくネットで調べてみた。

まずは、船に書かれていた「浙江恒信」で検索。



381,000 件ほどヒットした。
その中から一番目にヒットしたサイトを見てみると、
なんと同じオレンジ色の船が写っているページがあるではないか!

しかし、全部中国語なので、詳しいことはわからない。
とりあえず
・「浙江恒信」は中国のメーカー名
・オレンジ色の船はその会社の商品。
・大量生産されている。
・ヤバいもの(秘密のもの)とかではなさそうな雰囲気。
といったことがわかった。(あくまでも私の推測)



次に、「CAMBODIA」を調べてみた。
たぶんこれは国名の「カンボジア」だと思うが、間違った思い込みで重大ヒントを逃してしまうことはよくあるので、一応確認のため調べた。

が、これは確かにカンボジアで合ってるようだ。



次に、「LIAOYUAN 6」を調べた。
するとこれは中国吉林省にある遼源市のことのようだ。

そこからさらに「LIAOYUAN 6 カンボジア」など単語を組み合わせて調べていったところ、ついに決定的な情報に行き当たった。

それがこちらこちら

要約すると、


・2008年11月18日 五島沖でカンボジア船籍の貨物船「LIAO YUAN 6」が沈没。

・貨物船には中国人乗組員14人が乗っていたが、救命ボートで脱出。発見した第7管区海上保安本部が全員救助した。


つまり、この怪しいオレンジ色の船は救命ボートだったというわけだ。

そして驚くべきことに事が起きたのは2008年で、それ以来ずっとここに置きっぱなしになっていた物だったのだ。

インターネットすごい

なんだか久しぶりに 「インターネットすごい!」 と感じた一件だった。港でみつけた気になった物が、ネット検索によって簡単に調べられ、その正体がわかる。検索を繰り返して最後、海難情報のページに行き着いた時は、まるで宇宙船の正体を突き止めたような気分にさえなったのだった。

そういえば五島列島沖では巨大漂流物が発見されたこともあった。こちらもすごかった。

 
 

 

 
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