デイリーポータルZロゴ
このサイトについて


ひらめきの月曜日
 
恐怖!ハバネロチョコレートボンボン


この悪魔の液体をチョコに封じ込めるのさ。

この記事が掲載される2月14日はバレンタインデーですね。前にもこの書き出しで書いたな。

とにかくバレンタインデーなのでチョコを作ります。前回はカカオ豆から作る手作りチョコレートでしたが、今回はあんな大変な事はせず、普通にチョコを融かして作ります。

ただ、中身は大人仕様。アルコールを入れます。いわゆるチョコレートボンボンです。ただのアルコールというのも何なので、先日使用したハバネロスピリタスをチョコの中に封じ込めてみましょう。

馬場 吉成



こうやって作るそうです

チョコレートボンボンの作り方を調べてみました。

まず、中に入れたいアルコールの入った糖液を作ります。それを型にいれて静かに固めると、表面で砂糖が再結晶化して薄い殻となりアルコールが包まれるそうです。出来上がった殻にチョコレートをかければチョコレートボンボンとなります。


出てきたレシピは100個分の分量だった。そんなには作らない。

用意する材料はグラニュー糖と水飴。水と中に入れるアルコール類。それから、糖液を流し込む型を作るコーンスターチか片栗粉。最後にコーティングするためのチョコも要ります。


いきなりハバネロスピリタスではなく、まずは普通のウイスキーで。グラニュー糖は家に沢山余っていたスティックシュガーを使用。

まず最初の工程は型作り。容器に粉を敷き詰めて作りたい形の物を押し当てて凹型を作ります。


あまりいい形の物がなかったので、ペットボトルのフタでシンプルな丸型とする。
出来上がった型。全体的にひび割れた感じになる。今考えるとこれが失敗の原因のひとつだったかもしれない。

続いて糖液を作ります。グラニュー糖、水飴、水を量り鍋へ。ボールにはウイスキーを量って入れておきます。


分量はちゃんと量りましたよ。ここにも「絶対に量る」と書いてあったから。

続いて鍋に入れたグラニュー糖を110度まで加熱。


鍋肌についた砂糖は水をつけたハケでこそげ落としながら加熱。実は温度計が105度までしか測れないものだったので最後は感覚で。そういう所にも問題があったのか。

加熱したグラニュー糖を今度は静かにウイスキーに加えて混ぜ合わせます。


何回か入れ替えて静かに混ぜ合わせる。糖液に衝撃を与えてはいけないらしい。

糖液が混ざったら型に流し込み、上からさらに粉をかけて6、7時間放置します。


お菓子作りは細かい作業が多いので大変。こんな風にチョコレートボンボンが作られているとは思いもしなかった。
中が空洞になっているチョコを作って注射器とかで注入しているのかと思っていた。

 

ハバネロスピリタスは仕込みだけでむせる

それではウィスキーのボンボンを放置している間にハバネロスピリタスのボンボンも仕込みます。


ハバネロスピリタスもちゃんと計量。
加熱したグラニュー糖を混ぜ合わせた時に激しくむせる。揮発したハバネロスピリタスはとても危険。

作り方は全く同じ。加熱したグラニュー糖とハバネロスピリタスを混ぜ合わせて糖液を作り、型に入れて6、7時間放置します。


赤い・・・。凄い危険物を作っている気分。

こうしてハバネロスピリタスの仕込みも終了。

型に入れた糖液は6、7時間放置したら砂糖の殻を均一にするため、一度ひっくり返します。そして更に6、7時間放置したらボンボンの出来上がり。チョコレートでコーティングすればハバネロスピリタスチョコレートボンボンの完成です。

の、はずでした。

 

見事に失敗

糖液を型に入れるまでは割りと順調でした。ところが、数時間後こんなことに。


なんだこの異物は?
砂糖の殻などなく、ただの塊だ・・・

型から糖液が染み出して、隣の糖液とくっついてしまっています。砂糖の殻など出来てはいません。餅のような感じになって一塊になっています。とりあえず引き剥がせる物は引き剥がしてみました。


こんなお菓子があったような気もする。気がするといったら気がする。知らないとは言わせない。
オレンジグミとでも思っていただければ幸いです。

一応液体に近い状態の物が中に残っているものもあります。しかし、全体的に餅のような、求肥のような。そんな塊です。


イメージしていたものとはかなり違うものが出来てしまった。どうしよう。

とにかく一部食べてみました。


意外に旨いぞ!

予想通り、粉っぽく、殻を破って甘いウイスキーが出てくるなんてことはありませんでした。しかし、ウイスキーの味や香り、アルコールの感じもしっかりします。雰囲気だけはウイスキーボンボンのようになっていました。結構旨い。

では、ハバネロスピリタスの方はどうだ?


なんじゃこりゃー!

辛いです。泣けてくるほど辛いです。「つらい」ではなく「からい」。いや、「からく」て「つらい」のか。もうどっちでもいいか。

最初ボンヤリと甘く、熱いグラニュー糖を混ぜた時に辛さが飛んだかと思ったのも束の間。ドーン!と辛さが襲ってきます。幸いなのは液体ではないので直ぐに吐き出せる点。ある意味失敗してよかったのかもしれない。「損して得取れ」とはこのことか。違うか。

 

ロシアンチョコレートボンボン完成

ということで、ハバネロスピリタスの辛さを封じ込める事には成功しました。これを使っておみくじ的なことでもしてみましょう。


チョコを50度に温めて溶かして28度に冷まして再び32度まで暖めて。テンパリングは面倒だね。

そのままだと赤いのでそれがハバネロスピリタス入りと分かるが、チョコでコーティングすると全く分かりません。

出来上がった物を混ぜ合わせ、ロシアンルーレットならぬロシアンチョコレートボンボンにしてみました。さあ、あなたはどのチョコを食べてみますか?下の1から5の中から選んでください。あなたのバレンタインデーの運命はいかに!


番号をクリックして食べるチョコを選んでください。この中に1つだけハバネロスピリタスチョコレートボンボンがあります。それを選ばずハッピーバレンタインとなることを祈ります。

つぎへ >
 

 
Ad by DailyPortalZ
 

▲デイリーポータルZトップへ バックナンバーいちらんへ
個人情報保護ポリシー
© DailyPortalZ Inc. All Rights Reserved.