いろんな角度で人の気を惹く缶詰
気になる缶詰をジャケ買いしてみているわけだが、缶詰と言えばどこの家でもなんとなく常備してあるもの。改めて家にすでにあった缶詰を見てみよう。
見つかったのは、スープや果物、魚のオイル漬の缶詰。こうして見てみると、異彩としてのインパクトはないけれども、どれにも安心して食べられる安定感が感じられる。
日常的な食品として、それはとても大切なことだろう。ただ一つ、気になる缶詰があった。
いかにも普通に売っている缶詰ではなさそうな缶詰。妻に正体を確認したところ、遠縁のおじさんが自分で撃った熊を缶詰にしたのをもらった物、とのこと。
だからパッケージデザインがないのだ。なるほど、ならば自分でデザインしてしまおう。
画用紙を缶にちょうど巻ける大きさに切って、そこにデザインを描いてみたい。これまでいろいろな缶詰のデザインを見てきた経験を生かす場面。思わずジャケ買いしたくなる缶詰とはどんなものだろうか。
いろいろ迷って行き着いたのがこの感じ。ワイルドな内容物をわかりやすく伝えようとしたのはいいのだが、思った以上にファンシーな感じになった。
開けて食べてみたら結構な熊臭があって、再びワイルドに逆流。やはりこのデザインテイストは改めてそぐわないと思わされた。
さて、最後にもう一つ、気になってジャケ買いした缶詰を紹介しよう。デザインというよりも、そこに漂う謎に引かれて購入したものだ。まずはアップの写真からご覧いただこう。
店でこの缶詰を見かけて、まず目に入った内容物の写真。なんだこれは、と思った気持ちは、今でもすぐによみがえる。
では答えを発表しよう。正解は…。
ジャイアントトップシェルである。
ここで「あー、ジャイアントトップシェルかあ」となった人はどれくらいいるのだろうか。私の場合、写真のわかんない感じに加えて、その下に「ジャイアント トップシェル」と書いてあるのを読んで、さらにこの缶詰が謎が深まったように感じた。
トップシェルだけでもよくわかんないのに、ジャイアントが追い打ちを掛ける。まあこういうときは缶をよく見て、原材料を確認すればいい。
そこにあったのは、「ジャイアントトップシェル」の文字。答えを示してくれてない。
ジャイアントトップシェルって、もう共通の前提か何かなのだろうか。うーん、シェルって言うけど、それって貝殻のことだった ような。なんかしっくりこないけど、まあ貝か。
どうにもすっきりしないまま、1700円くらいしたこの缶詰を購入。これまでとはまた違った軸でのジャケ買いだ。
今回はあくまで缶詰のジャケ買いがテーマなので、その中身にはあまり注目してこなかったのだが、これはジャケットと合わせて中身もかなり気になるところ。そういうわけで、開缶してみたい。
…缶詰らしさを裏切ることのない淀み。ぼんやりとジャイアントトップシェルなるものの姿が見える。
ひっぱり上げてみると、確かに大きい。ジャイアントという言葉がふさわしい大きさ。結構な大きさの缶だったのだが、3つしか入っていない。もっと小さいのがぷかぷか漂っているという予想が外れた。
パッケージをまねて皿に盛ってみたが、どうもこうやって食べるものではない感じがする。「今日のおかずはジャイアントトップシェルよー」って食卓に出てくるという風にはならないだろう。
妙な存在感を放つ缶詰を見た目で買ってみた今回の試み。しばらくは部屋に飾って、そのビジュアルの味わいを楽しみたい。
ジャイアントトップシェルはやはり貝の一種であるらしい。さすがに丸かじりしたりはせず、薄く切ってバター醤油で炒めて食べたら、思っていた以上にやわらかくておいしかったです。