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はっけんの水曜日
 
二人羽織でロック&ジャズのライブをやってみた


二人羽織でまさかのライブデビュー。しかもロックとジャズで。

久しぶりにどっからなにを説明したらいいのか、ちっともわからないような体験をした。

簡単にいうと、ちゃんとしたライブハウスで本格ジャズバンドに挟まれて、二人羽織による初ライブをすることになったのだ。しかも一気にロックとジャズの二本立て。

ほら、なにをいっているかわからない。

玉置 豊



二人羽織でライブをしました

ギターが弾けないけれどバンドがやりたい。だったら二人羽織で誰かに弾いてもらえばいいじゃないということで、当サイトのライターで同じく楽器ができない斎藤充博さん、櫻田智也さんと結託し、知り合いのプロミュージシャンを巻きこんでタンデムというバンドを結成したのが去年の3月。

その記事はこちら


前からみるとギター、ベースを弾いているようにしか見えないでしょ。
しかしその実態はアナログ世界のAR(拡張現実)、二人羽織というソリューション。

このときは練習スタジオでPV的な映像をつくって十分満足し、それ以降表立った活動は特にしていなかった。二人羽織のロックは冬ですら暑いので、これから暖かくなってくる時期になにかやろうという気にはならないし。

しかし、人の縁と好意と勢いが重なって、本気のジャズイベントの余興のような形で、タンデムがロックとジャズで初ライブをおこなったのだ。

以下、ライブ映像のピックアップ。


まずロック版のタンデム。この動画だけだと、二人羽織って気がつかないかもしれないですね。

これがジャズ版のタンデム。演奏がうまければうまいほど笑いが起きるという不思議なバンド。

なんでこんなことになったのか、初ライブまでの歩みを書き記します。

 

おしゃれジャズバンドと一緒になにかしようといわれた

二人羽織バンドのタンデムで、ベースの弾く方をやっている上西さんから「一緒になにかやりたいといっているバンドがある」という連絡があったのは、バンド結成から4ヶ月後の7月。

一緒になにをやりたいのかよくわからないが、とりあえずそのバンド、「FakeJazzQuintet」(以下FJQ)を見にいくことにした。

渋谷のオシャレなライブハウスでみたものは、お人形さんみたいな美女がかわいい声で歌う、本格派のジャズだった。なるほど、わかりやすい異文化だ。


キャンドルが置かれた客席では、オシャレなお客さんがワインとか小さいカクテルを飲んでいる。
右がFJQの彩月さん。左がタンデムの上西さん。これは私が試されているのだろうか。

この日は挨拶だけさせていただき、「なにができるか考えてみます」といって帰った。FJQのメンバーも、見に来ているお客さんも、私の人生の延長線上でまず触れることのないタイプの人たちだった。

タンデムと一緒になにかをやるということは、やはり二人羽織を一緒にやるということになるだろう。ということは、私と斎藤さんがあの完成度の高いジャズバンドの中に、二人羽織で参加するということか。


「こういうことでいいですか?」と、この間違い探しみたいな合成写真を彩月さんにメールで送付。二人羽織というかお面みたいだけど。俺、なにかすごい勘違いをしているのではないだろうか。

 

ジャズだけではなく、やっぱりロックもやりたい

何度かのメールのやりとりをおこなった後、FJQのもう一人の中心メンバーであるK-Taさんを加えてのミーティング。

簡単なのはFJQのライブ中にゲストプレイヤーみたいな感じで呼び込んでいただき、FJQメンバーと二人羽織で一曲やるというものだが、何も知らずにFJQを見に来ている客に怒られそうだ。たぶんワイングラスが飛んでくる。

そこでFJQの演奏とは別に、ライブの余興としてジャズ版タンデムを登場させることになった。フロント側がいつものタンデムメンバー(私と斎藤さんと櫻田さん)で、演奏する側がお客さんには内緒でFJQの人という構成である。


「俺にこれを被って二人羽織しろと?」(K-Taさんとは、ほぼ初対面です)

ジャズの経験は聞いたことすらろくにないが、演奏する人が変われば、どんなジャンルでもできるのがタンデムの強みだ。私が偉そうにいうことじゃないですが。

さて、これだけでも十分に楽しそうな体験ができそうなのだが、お客さんになぜ二人羽織で演奏しているのかが伝わらないような気もする。

そしてタンデムのオリジナルメンバーとなにかをしたいという思いもずっとあった。タンデムは私が初めて結成したバンドである。一度くらい人前で二人羽織ロックが通用するのかを試してみたい。そんなこと、いままで恥ずかしくてメンバーに言えなかったけど。

そこで話を少しずつ大きくしていき、前半にオリジナルメンバーによるロック版タンデムをやって「こういうことをやっているバンドです」とプレゼンをして、後半にFJQメンバーとのジャズ版タンデムに挑むという、いきなり二兎追う欲張りをさせていただくことにした。


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