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ちしきの金曜日
 
吉野家の移動販売車で食べる牛丼のうまさよ


 

先日、あてもなくネットをしているときにこんな噂を見かけた。

「吉野家は独自の移動販売車を持っている」

吉野家の移動販売車なんて見たこともないし聞いたこともない。吉野家の公式ホームページにも載っていない。そんな物が本当にあるのだろうか。

斎藤 充博



これが吉野家の移動販売車

吉野家の広報部に問い合わせてみると、確かに移動販売車はあるらしい。取材を申し込んだところ快諾してもらえた。

向かう先は、神奈川県青葉区の鉄(くろがね)小学校。日曜日に行われる、地域の防災訓練に移動販売車が来るという。行ってみたら、確かに一目で「吉野家の移動販売車だ!」とわかる物がそこにあった。


これ

ものすごく目立つ

これくらい引いてもまだ目立つ

頭のところに付いてる吉野家のロゴマークが最高にカッコいい

 

そりゃみんな気になるよな

みんな吉野家の存在に気もそぞろ

防災訓練は、消防団長や町内会長さんのお話から始まった。僕も離れて何となく聴いていたのだが、これがちょっと妙なのだ。防災の話をしているはずなのに「吉野家…」とか「牛丼…」とかいう単語が出て来る。

要は、この一連の訓練の段取りとして「訓練が終わったら吉野家さんの車のところに行って牛丼を受け取って下さい」と説明しているようなのだが、それ以外でも話の所々で「牛丼…」「牛丼…」という単語が出てきていてなんだかおかしい。

気になっちゃってしょうがないのだ。


消火訓練が始まる

そんな状況ではあったが、そこはみんなきっちりした物で、しっかりと訓練は執り行われた。子供たちも消火器の使い方など真面目に話を聴いている。

そして僕は依然として吉野家が気になっている。


薄着で取材に来てしまった

消火器の使い方を練習
よく見ると消防車も相当カッコいいのだが今日はレア度で吉野家カーの勝ちだな

鍋をかき回しているとなんとなくみんなで見てしまうという光景

豚汁もあるよ

ちなみに今回の訓練後に振る舞われるのは牛丼だけではない。町内会の方々が、移動販売車のすぐ傍らで豚汁の製作に没頭している。

…なんだ、ずいぶん楽しいじゃないか、この防災訓練!


これがまた具沢山だった

車の中のほうも動きが。準備に取りかかってるっぽい

一方その頃、消火訓練の方もクライマックスを迎えていた

歯がゆい

牛丼の提供開始!

訓練も一区切りつき、いよいよ牛丼の提供の時間になった。

ここで一気に吉野家カーに人が殺到!押すな押すなの大騒ぎ!…になるかと思ったが、特にそういうこともなくみんなちょっとづつ冷静に並んでいる。

「押すな押すなの大騒ぎ!」の妄想は、単に自分自身の食欲の延長だったことに気付いた。


ひょっとしたらこの場所で一番牛丼に盛り上がっているのは僕なのかもしれない
手伝おうとする子供。君、将来良いバイトになれるよ

段々と少しずつ人がたまってきて行列になった

まさに食い盛りの子供たち
「お前ら、豚汁も作ったんだからな。食えよ」「後でね」

この子たちはベンチに向かって何やってんのかなと思ったら
テーブル代わりにして食べてた。小さい子にはずっと容器を持っているのは大変か

大人達は静かに味わう
「ハイ、牛丼行き渡っていない人いませんかー」と町内会長さん。何かと気を遣いますね

僕は牛丼を食べれるのか

小学校の校庭で牛丼を食べるという、ほんのささいな非日常感が効いていて、みんなとても楽しそうだ。

ところで、僕は牛丼を食べさせてもらえるのだろうか?確か取材を申し込んだ時には「吉野家さんの移動販売車を見せて欲しいんです」と伝えてあった。「出来ればそこで作った物を試食させて欲しいんです」とは言っていない。


見れば見るほど腹が減る

なんとなく流れで食べさせてもらえそうな気はする。しかし、そうならない可能性もある。牛丼なんて帰りがけに駅前あたりで食べれば良さそうな物だけれど、僕は、今、この場で、食べたい。1000円払ってでも食べたい。とにかくむずむずしながらうまそうに食べている人たちの写真を撮り続けた。


来ましたよ、吉野家さんのご好意!

ありがとうございます!吉野家さんありがとうございます!

一応、客観的な視点を書いておくと、この移動販売車で提供される「牛丼弁当」はお店のものと全く変わらない物だ。いつも食べている、あの味。

でも今日食べた牛丼は今まで食べたどんな牛丼よりも…いや、どんな食べ物よりもうまく感じてしまった。


なんか理性を超えて魂レベルに「ウマイ」って響いてきました

 

なんで移動販売車を作ったのか

…ごちそうさまでした。落ち着いたところで吉野家の担当の方にお話を聞いてみた。答えてくれたのは第一営業本部の小黒さん。


オレンジドリーム号をバックに

---そもそも吉野家さんが移動販売車を始めたきっかけは?

「2年半くらい前、店舗の改装を進めていた時期があったんですよ。改装のためにお店を閉めなくちゃいけなかったんですが、その時にお客様に継続して吉野家の牛丼をお召し上がりいただきたいという思いのもと、この『オレンジドリーム号』を作りました。」

今まで勝手に「吉野家カー」と呼んでいたが正式には「オレンジドリーム号」というそうだ。ドリーム…確かに今しがた僕は夢のような勢いで牛丼を食べたのだが。

---オレンジドリーム号、今まで見たことないですよ。そうとうレアなんじゃないでしょうか。

「東北〜関東で1台、中京で1台、関西で1台と、全国に3台だけですね。大体使うのは月に2〜3回です。レアといえばそうだと思います。道路を走っているとみんな携帯で写真撮りますよ。」


 

---今後、移動販売車を増やしていったりはしないのでしょうか。

「店舗改装時の活用がメインで、稼働スケジュールの問題のない範囲で外部イベント等でも活用している、というのが正直な話で、今のところ増やす予定はないです。」

当面、オレンジドリーム号はレアなままのようだ。なお、オレンジドリーム号を呼ぶには「だいたい300食以上が見込めるイベント」であることが条件。そこから応相談、という形らしい。メニューは「牛丼弁当」のみだが、「つゆだく」などのカスタマイズ注文も可能とのことだ(じゃあ、さっきつゆだくにしてもらえば良かった)。

寒空の下で食べる牛丼は、びっくりするほどうまかった。300食以上から呼べるというのも思っていたよりは手軽だ。いっちょ人集めてオレンジドリーム号オフでもやってみたい。不可能な人数ではないはずだ。

そしてこの日、色々と吉野家に対する気持が高ぶって、思わず晩ご飯も吉野家に行ってしまいました。

ちょっと興奮し過ぎていたみたい

 
 

 

 
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