昭和44年から変わらずここにある店だ!
となりの理髪店も、写真には写ってないけど手前にあるガソリンスタンドもそのままだ。
なんだかちょっと嬉しくなって、思わず入って話をきいてしまった。
いかにも昭和の中華料理屋といった雰囲気の店内。ご夫婦で切り盛りされているようだ。
−−すみません。昔の地図をたどってこのへんを取材してるんですが……、こちらのお店はいつごろから営業されてますか?
「んー、えーと昭和42年からかなあ……」
昭和42年といえばこの地図が昭和44年なので開店2年目のころになる。
−−やはりこのあたりはずいぶんかわりましたか?
「変わったねー、むかしは工場しかなくてなんにもなかったもん(地図を)ちょっと見せて、あー懐かしいねー、たしかに昔はこんなふうに貨物線があったなあ、このへん(現在の豊洲センタービル)は団地だったんだよね」
−−もしかして平屋建ての団地?
「そう平屋の団地でね。道路も舗装されて無くて土のままだったよ。そういえば石川島播磨の敷地内になぜか高橋さんっていうおばあさんが独りで住んでてね、一軒家に、よく出前持って行ったよ」
−−工場の中にですか?
うん、工場の中に。守衛さんに断って入って行ったんだ。なんで工場の中に一軒家があったのか今考えると不思議な家だったなあ……」
|