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ひらめきの月曜日
 
スーパー「残り物」クッキング

パンがないならパン粉を食べればいいじゃない

スーパーで品薄になっていたのは、納豆やカップ麺の他にもまだいくつかあった。


パン好きが大挙押し寄せたか

上の写真はパン売場。訪れた店には食パンは結構あったし、菓子パンも全くないわけではなかったので、一番品薄だったときよりは状況は改善したのかもしれない。それでも、菓子パンの棚はこの有様。

閉店間際というわけでもない。平時にはちょっと見られない光景だ。


小麦粉コーナーはこんな感じ

パンの材料となる小麦粉の棚はこのような品揃え。店によってはほとんどなくなっているという話も聞いたが、ここはまだいくつか選択肢があるので、品揃えがよい方なのだと思う。

ただ、それでもいくつかの部分がぽっかり穴を開けているのは通常のスーパーではないこと。程度の差こそあれ、震災の影響は響いているようだ。

しかし、その隣の棚は通常通りに商品で埋め尽くされている。


パン粉なら充実

そこはパン粉売場。パンや小麦粉の入手はままならなくても、パン粉ならばたくさんある。

パンから作った粉であるパン粉。ならば、それを逆転させて、パン粉からパンを作ることもできるのではないだろうか。納豆やスパゲティの記事にあった知性は他の人に任せて、小学生的なとんちで現況にアプローチしてみたい。


材料はシンプルに
パッケージにある用途にとらわれたくない

材料はパン粉と水、それだけだ。パン粉の袋にある用途例には「パン」とは書いてない。書いてあったら面白いのだが、さすがにメーカーもそれは想定していないようだ。

パンを作ろうと思って、小麦粉ではなくパン粉を買ってくる。パン作りの基本からしてわかってない人がしそうなことだ。しかし今、そんなうっかりに光が当たるのかもしれない。


なんとなく違和感
でもなんかそれっぽくなってきた

調理に入ろう。まずはパン粉に水を注ぐ。

普段はあり得ない調理過程ゆえになんだか違和感も感じたが、よく練っているうちになんとなくパン生地っぽくなってきた。うっかり行為も、実際にやってみるとまあまあ様になることもあるものだ。


再びパンだったあの頃へ

電子レンジで生地を一旦温めたあと、トースターに入れてしばらく加熱。こうして見ると、さっきまでパン粉だったものもパンに戻りつつあるように見える。

パンをパン粉にして、そのパン粉をまたパンにする。今はその行動の不毛さに気づかないふりをしていよう。


パンだー
これはパンだぞ

しばらく焼いて、トースターから取り出す。おお、見た目はかなりパンになっている。誰に見せてもパンだと思うものになっているのではないか。

手に持ってみても、違和感はない。表面がカリッとしていて、どこからどう見てもパンだ。


中身もそれっぽい
無理のない笑顔

割ってみてもなかなかにパン。いいにおいも漂ってきて、普通においしそうだと思える。

実際に食べてみよう。…表面が固めの仕上がりで、いわゆるハード系のパンと言えるだろうか。中身は普通のパンより水分が保持されている感じで、しっとりタイプ。やってることのアホらしさの割には、まともなものができている。

パンも小麦粉もないならば、パン粉を食べればいい。バカだからこそ気づく盲点だ。この着想で、もう一つ品不足が言われる食品の解決策を模索したい。


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