甘納豆の作り方を知っていますか?通常は豆を砂糖で煮て作ります。しかし、もう1つ甘納豆を作る方法があるのです。手間と時間がかかるのであまり行われていない方法です。
今回はその方法を紹介します。
(馬場 吉成)
まずは納豆作り
甘納豆を作るにはまず納豆を作る必要があります。
納豆を作るには藁か、純粋培養された納豆菌が必要です。藁で作るのはハードルが高いので納豆菌を使います。納豆菌はハンズなどで買うことが出来ます。
納豆作りではまず水で戻した大豆を柔らかくなるまで茹でて(または蒸して)、熱いうちに納豆菌をかけます。納豆菌は熱に強いので、熱いうちにかけると雑菌の繁殖を抑えられます。
納豆菌をかけて容器に入れた大豆は、空気穴を開けたラップなどでフタをして40度前後の温度で24時間ほど保温します。
表面に白く納豆菌が繁殖して糸を引いていれば発酵は成功。納豆の完成です。納豆が出来たら、いよいよ甘納豆作りに入ります。
1週間ほどかかります
甘納豆作りでは、まず出来上がった納豆を別の容器に移します。
容器に移す量はあまり多くないほうが上手く作れます。大き目のスプーンで5、6杯ぐらいまでがいいでしょう。
納豆を容器に移したら、納豆を作るときと同様に空気穴を開けたラップでフタをします。
フタをした容器を再び保温します。今度は少し温度を上げて45度から50度の温度で約1週間保温しつづけます。45度を切ったり、50度以上になると発酵が停止してそれ以上にはならなくなるので、温度管理が非常に重要です。
この方法で甘納豆が作られない理由はここにあります。長時間の温度管理が非常に難しく、コストがかかるのです。
日中家を離れる時は、温度が下がり過ぎないかとヒヤヒヤしながらも1週間乗り切りました。甘納豆の完成です。
1週間発酵熟成させた納豆は黒く変色してネバネバはありません。ネバネバは小さい白い粒となり甘くなります。
昔は砂糖が大変貴重だったので、このような方法を使って甘い納豆を作っていたのです。やがて砂糖が簡単に手に入るようになり、煮て作るほうが遥かに早く大量に出来るので、この方法での製造は今ではほとんど行われていないそうです。
肝心の味ですが、現在市販されている甘納豆と全く変わりません。面倒だから買ってくるか、砂糖で作る方がいいです。興味のある方はチャレンジしてみてください。