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東京で唯一だった国宝と対決する
国宝と地味対決をします

「国宝」というものがある。
十円玉の絵柄にもなっている平等院鳳凰堂や、金ピカで有名な中尊寺金色堂、彩色や彫刻できらびやかな日光東照宮の陽明門などがそれにあたる。

国宝とは国の宝だ。
絵画や彫刻、工芸など8つのジャンルに分けられ、先に挙げた平等院鳳凰堂などは「建造物」というジャンルに当たる。国宝の建造物は京都には40以上もあり、奈良には60以上もある。

もちろん首都・東京にも国宝の建造物は存在する。
といっても、2つだけど。つい最近までは1つしかなく、その1つが恐ろしく地味だった。これは見に行かねばと思う。

地主 恵亮



東京で唯一だった国宝は東村山にある

東京には国宝の建造物(以下、国宝)が2つある。
1つは2009年に国宝に指定されたばかりの「迎賓館赤坂離宮」。もう1つが、今回の目的地である「正福寺地蔵堂」だ。1952年に国宝に指定され「迎賓館赤坂離宮」が国宝になるまで、長らく東京都唯一の国宝となっていた。


最近国宝になった迎賓館赤坂離宮(華やかですな)

東京で唯一だった国宝「正福寺地蔵堂」は東村山にある。
「東村山音頭」で有名なあの東村山だ。というか、多くの人が東村山音頭が東村山について知っているほとんど全てだと思う。僕もそうで国宝があるなんて全く知らなかった。


東村山駅にやって来ました

東村山は板碑が有名だそうです

国宝を目指し東村山を歩く

東村山駅から「正福寺地蔵堂」を目指して歩く。
道中で見かけた和菓子屋では「だいじょうぶだァ饅頭」が売られていた。また、手打うどんが有名なのか「手打うどん」と書かれた看板もよく目にした。


志村けんさんの出身地だから「だいじょうぶだァ饅頭」

肉屋まで「手打うどん」を売っていた。
よっぽど「手打うどん」が有名なのか、店主の趣味がうどんを打つことなのかのどちらかだと思う。あるいは、手打うどんが有名であり、さらに店主の趣味がうどんを打つことであるとも考えられると帰りの電車の中でふと思った。


肉屋だけれど、

手打うどん

スーパーで「じゃがりこ」が98円で売られている頻度くらいの交通量の道を15分ほど歩くと国宝が見えてきた。普通の住宅街の中に普通にあった。国宝のオーラは感じなかった。


普通の住宅街に国宝がある

この国宝が学生だったら同窓会に呼ばれることは無いだろうと思う。目立たない学生生活を送っていたはずだ。「二人組み作って〜」と言われたら余るタイプの学生。遠くからもそうだと分かった。


ど〜ん! 国宝!

地味な国宝

国宝はそう簡単に指定されるわけではない。
奈良には60以上も国宝があると書いたけれど、東京には2つしかないし、徳島などは全てのジャンルにおいて国宝がない。国宝とは嵐のライブチケットのような貴重なものなのだ。


貴重なものです、国宝「正福寺地蔵堂」

国宝「正福寺地蔵堂」は室町時代1407年に建立された。
最近まで東京都唯一の国宝であり、「地蔵堂」となると日本で唯一の国宝だ。とても珍しいものなのだ。

にもかかわらず見物客は「0」。
同じ国宝である日光東照宮だったら人だらけだ。それはきっと、この「正福寺地蔵堂」が地味だからだと思う。


国宝「平等院鳳凰堂」

国宝「日光東照宮の陽明門」

国宝「正福寺地蔵堂」…地味だ

やっぱり地味だ。同じ国宝とは思えない。
高校生なら休み時間に本を読んでいるタイプだ。周りは楽しそうに友達同士でお話しているのに…。しかし、そこに僕はシンパシーを感じる。僕も地味なのだ。「正福寺地蔵堂」を他人とは思えないのだ。


僕も地味なのです(矢印の先にいるのが僕です)

地味VS地味の戦い

上の写真は旅行の思い出に撮った写真だ。
まさか一人ではるばる北海道に来て撮った写真には見えないと思う。なぜなら地味だからだ。しかもこれは北海道の政治・経済の中心的都市・札幌で撮った写真なのだ。


ピンボケバージョンもあるが地味さはピンの問題ではない(どっちも地味)

全く札幌な感じがしない。
それはやっぱり地味だからだろう。そもそもここで撮影をしようと思った思考が地味だ。なぜここで記念撮影をしたか自分でも分からない。


そんな地味と地味の写真

地味な国宝と地味な僕のツーショット写真。
もしこれが僕でなくてオードリー・ヘプバーンだったらどうだろう。きっとローマの休日の一場面のようなきらびやかな写真になるだろう。それが僕だからなのか、煮物に入っているシイタケが一番好きです! みたいな写真になっている。地味だ。


しかもグレーだらけ

しかもこの日の僕はアンダーシャツ、ロンT、パーカーと全てがグレーで統一されていた。地味だ。派手な色を考えた際にまずグレーは出てこないと思う。国宝と僕の地味対決はいい戦いになっている。


靴下もグレーだった

派手ポイント!

地味な正福寺地蔵堂を見ていたら派手ポイントを発見した。
それは四隅の屋根の反り返ったところだ。ポテトチップス「プリングルズ」のキャラクターの髭の先っちょみたいで派手さを感じたのだ。


「都こんぶ」などと比べるとプリングルスは超派手!

そんな派手と屋根が同じ感じ

派手なお菓子「プリングルス」との類似点が正福寺地蔵堂にはあった。地味の中の派手。休み時間になると本を読むのだけれど、その本の著者が「島崎藤村」ではなく「志茂田景樹」みたいなことだろうか。


派手ポイント

また反り返りは、ヒゲダンスをしている時の手の状態にも似ている。さすが志村けんさんの出身地だけある。ヒゲダンスと似ているということは、屋根の反り返ったところは、やっぱり派手ポイントだ。そして、僕にも派手ポイントはあった。


黄色いG-SHOCK

僕の写った写真を見る度に、父は「地味だ」と思っていたらしく、去年の誕生日にこのG-SHOCKをくれた。「少しは目立つようになるかと思って」と父は言っていた。確かに黄色は派手だ。僕の持ち物で唯一派手だと思う。


お互い他に派手ポイントはなく、1対1のドローとなった

正福寺
東京都東村山市野口町4-6-1
東村山駅西口から歩いて15分くらい

さりげない国宝

「正福寺地蔵堂」の周りは普通の住宅街で、観光客目当ての施設があるわけでもなく、ひたすら静かだった。鎌倉にある国宝「円覚寺舎利殿」と同様に禅宗様建築を代表する建造物だ。見ていると静かなのも手伝って、だんだんと落ち着いた気持ちになった。

帰りに正福寺地蔵堂の近くにある「八国山たいけんの里」という施設に寄った。ここには市内の遺跡から発掘された出土品が展示されている。

そこに東村山とは全然関係ない海亀の剥製も展示されていて、なぜか抱かせてもらった。この施設がオープンする際にもらったものらしい。生まれて初めて海亀を抱いた。嬉しかった。

施設の方に撮ってもらった

 
 

 

 
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