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フェティッシュの火曜日
 
色つき落花生を作りたい
これを作りたい!

ある場所で、殻に色がついている落花生を見かけた。
そうきたか!なんという楽しいアイデアなんだ!
…と、深く感動してしまった。

やり方はわからないけど、どうにか再現できないだろうか?

ほそいあや



みかけた場所は、日本にあるタイ寺

ここは千葉県のワットパクナム日本別院というタイのお寺だ。(参照記事:千葉の奥地にタイがあった

上記リンクの取材から数ヶ月後、いっちょ法話を聞いてお布施でもしてくるかと、プミポン国王の誕生祭の日を選んで行ってきた。


国王の誕生祭もちょっとだけお祭りっぽく、屋台も出る。

お布施タイム

お布施セットを購入し、広間で正座をして法話を聞く。タイ語なのでまったく解らないがお坊さんの妙な節のあるタイ語が心地よくて苦痛ではなかった。


法話のあと一人ずつお坊さんにお布施を渡しにいく。

お布施セットは事前に購入する。食品とお坊さんの服の詰め合わせ。

40分ほどの法話を終えて外に出ると、食べ物の屋台が昼食を配りはじめていた。

その中にあった色つき落花生に、目が釘付けになった。


ファンタスティック!こんな落花生みたことない。

小さな女の子が紙コップを大事そうに抱えて帰っていった。子供にはたまらないだろう。タイ人の女性も「カワイー!」と言ってもらっていた。タイ人がその反応ということは、現地ではよくあるものというわけではないのかもしれない。
私も思わずカワイー!と言ったら、ハイ!と渡された。カワイー!ウレシー!

食べるのがもったいなくて持ち帰った。

 

私も落花生に色をつけたい

まさか、千葉だから落花生なのだろうか?それとも無関係なのか。まあどちらでもよいのだけど、再現するならやはり千葉産の落花生を使いたい。


県内いたるところにあるお店。

店内には色んな種類の落花生がある。私は生まれてからずっと千葉県民だがピーナッツに関する知識はゼロ。 店員さんに「どういったタイプがご希望とかありますか」と聞かれ、「えっと…よくわからないのですが…」と口ごもってしまった(本当は「殻が染まりやすいものを」と言いたかった)。

試食をしておいしかったのと名前が面白いのでこれにしよう。
他県に住む友人に誕生日プレゼントなにがいいか聞いたら「八街産のピーナッツ!」と言われた事があった。

さて、着色料はなにを使おう。殻なので絵の具でも問題ないかもしれない。手っ取り早いのはスプレーだけど、うーん、あのマットな質感は油性の染料じゃない気がする。

やっぱり食紅におちつく。

殻と言っても食品だし、着色力も強そうなのでいつもの食紅に希望を託すことにした。

しかし…どう染めたらいいものか。というか本当に食紅でできるのか。ネットで調べてもまったく手がかりなし。屋台の人に聞けばよかったのだろうが、時すでに遅しだ。
とりあえず手探りでやってみよう。


水で溶いた食紅にしばらく浸してみる。
待てども染まらない。指は染まるのに!

 

加熱してみよう

うーん、どうしたらよいものか。一晩くらい置けば染まるかもしれないが、あまり時間をかけずに染められたらそれに越したことはない。

たまに古着を染料で染める事があるが、鍋で煮て染める事を思い出した。大抵のものはぐつぐつ煮れば染まってくれそうですよね。


空き缶を鍋代わりにして、
コンロで加熱。

染めすぎた

落花生はみるみる染まっていった。5分くらいしてからいそいで引き上げたが、やばいくらいに情熱的な赤色になっていた。


紅生姜か。

つぎはもう少し短めにしよう。色ごとに学習をし進歩をしていく楽しい実験室である。

どうやら「食紅を沢山いれて短時間で引き上げる」というやり方がちょうど良いみたい。

沸騰したら3分くらいで火を止め、好みの濃さに染まるまで様子を見ながら放置する。
染まったらとり出して水分をふき取る。
緑色は野菜みたいで食べもの感を失っていない。
葉脈のように殻の筋が浮き出るのがかっこいい。
青は毒々しくておもちゃ感を失っていない。
青落花生、かなり不気味でかわいい。

一通り染め終わった

軽く水分を拭き、少し乾かす。
殻が水分を含んでいると茶色が増すので、色が暗く見えているようだ。


カラカラに乾燥させたい。殻だけに。

しばらく乾かすと、だんだん色が鮮やかになってきた。そう、求めていたファンタジーとの再会だった。

大胆イメチェンした八街産ピーナッツをどうぞよろしくお願いします。

 

炒ってみよう

寺の屋台では、色がついた落花生を大きな鉄板で炒っていた。所々焦げ目がついていて、温かかった。
それに倣い、最後の仕上げにフライパンで炒ってみよう。


から煎りします。殻だけに。

水分が飛ぶにつれ、各々の色がよりはっきりしてきた。フライパンの中でクレヨンの箱をひっくり返したみたいだ。

黒にしか見えなかった紫が紫になったところで満足しました。

もちろん食べられるので、落花生好きの人にプレゼントしてみると喜ばれるかもしれない。

細かいポイントですが、私は完全に乾かないうちにまとめて炒ったらいくつか色移りしてしまったので、できれば色ごとに分けて炒ったほうがよいようです。

めちゃくちゃ楽しい

興奮して友人に写真を見せたら「うわー、夢みたい」と言われた。
「夢のようだ」という事なのか「夢に出そう」って事なのかどっちかなと思ったけど詳しくは聞かなかった。

インテリアとしてもいけると思うのだけど。

 
 

 

 
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