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フェティッシュの火曜日
 
ごはんギュウギュウ弁当はうまいのか
高い物では一万円くらいするのもアリ。弁当箱に1万円なんて、考えられない人には考えられないに違いない。

念願の、曲げわっぱの弁当箱をついに手に入れた。

話には聞いていたが、やはり曲げわっぱはいい。何がいいって、とにかくごはんがウマイ。ろくなおかずがない日でも、冷蔵庫の残り物を適当に詰めるだけで勝手に弁当として成立してくれるところも素晴らしい。

しかし、実は困ったこともある。この弁当箱を持参するようになってからというもの、午後やたらと腹が減るのだ。いや、正直に言おう。正しくは「どうにも食べた気がしない」のである。

やはり弁当箱が小さいのか…。ならば詰めるごはんの量を増やしギュウっと押し込むまでだが、そのことでごはんが不味くなりはしないだろうか。心配だ。

高瀬 克子



まずは計測から

ごはんを弁当箱に詰めるコツに「あまり押さえ付けず、ふっくらと」というのがある。最近の私はこれを愚鈍なまでに守り、それゆえ午後に腹を空かせているわけだ。これではイカン。

ところでこのわっぱ弁当、いったいどれくらいの量が入る代物なんだろう。最初に確認してみよう。


お、500ccは余裕で入るな…。

名前が「小判型(小)」なだけに、もっと容量が少ないかと思っていたが、そうでもなかった。良かった。ちょっと安心した。

さらに、一杯分のごはんを茶碗によそい、それを弁当箱に移してみよう。果たしてどれくらいのスペースが埋まるのだろうか。


まぁ標準的な一杯ですな。量ってみたら160gでした。
それを弁当箱に移したら、約半分のスペースが埋まった。

思わず「へぇー」と声が出た。理想のお弁当は、おかずとごはんの割合が1対1だという。

ということは、残り半分のスペースにおかずが入るのだな。つまりこれは「お茶碗一杯分のごはん」を想定した弁当箱というわけだ。

「女性にピッタリなサイズです」との宣伝文句だったが、実際にこうして目で見て、ハッキリと理解し納得した。…なるほど、このお弁当箱、世の女性達にはピッタリかもしれないが、私には小さい!


そうだよ、考えてみれば、いつも2/3以上のスペースをごはんで埋めてるのに、それでも足りないもんな。
で、それはお茶碗に換算すると、どれくらいの量になるというのだろう。

今度は先ほどとは逆に、お弁当に詰めたごはんを茶碗に戻してみた。

昼休み、いったい私は会社でどれくらいの量のごはんを食べているのか、わかりやすく茶碗で見てみると…


見事なまでの山盛りごはんが出現。

普段、家で食べる時は、これだけの量を食べたら満足するはずなのに、何故弁当だと少なく感じてしまうのか。

ま、つまりはおかずの量が決定的に足りてないのだろう。「曲げわっぱは、ごはんがおいしいから」なんて言って、ふかふかに詰めたごはんと、おかずを適当に放り込んだだけの弁当では満足できないということだ。

 

さらば、ホンワカ弁当

こうなったら実力行使だ。毎日おかずをきっちり用意するのは面倒だし、手軽に腹が膨れるためには、ごはんを可能な限り詰め込むしかない!

ギュウギュウに詰めたごはんもおいしくしてくれよー、わっぱさんよぉー、頼むよぉー。同郷のよしみじゃないかー。(曲げわっぱも私も秋田県北部の産です)


強く押しすぎて、親指が白く。
そして、しゃもじが折れるのでは…と心配になった。

力の限り、ごはんを押さえ付けた。「押し寿司でもこんなに押さないよ!」とツッコミを入れたくなるくらい、とにかく押しまる。

おかげで、ちょっと尋常じゃない重さの弁当が出来た。


押しすぎて表面のごはん粒は完全に潰れてます。
わずかに残ったスペースが、申し訳ばかりのおかずコーナー。とにかく味の濃いもんを詰めろ!

こうなると困るのがおかずだ。残ったスペースは「猫の額以下」と呼びたくなるほどの狭さである。通常のおかずでは対処のしようもない。

日の丸弁当にしたくとも梅干しの乗るスペースなどあるはずもなく、隅っこに追いやられる始末。

それでも、どうにか弁当っぽいものが完成した。


塩昆布、梅干し、ちりめん山椒、ゴマ塩、というラインナップ。なんというか、これらはおかずというより保存食だ。

しかし気のせいか、こういうメンツだからこそ、曲げわっぱが似合う。味の濃いモンばっかり食べてた秋田の人の弁当って、実はこんな感じだったんじゃなかろうか。お米だけはふんだんにあるからごはんをキチキチに詰めて、自分ちで漬けた漬物なんかも入れて…。

同じ曲げわっぱを使ってるのに、どうやら自然派オシャレ雑誌に載るような弁当とは対極のものを作ってしまったようだ。


横から。完全に容量をオーバーしてごはんが盛り上がってしまった。ちりめんに至っては浮いている。
こういうタイプのフタで助かった。もしもタッパーだったら、たぶん閉まってないと思われます。

かろうじて乗ったフタを上からギュッと押さえつけ、さらにハンカチで結ぶことによりフタを固定させた。

ちなみにこの弁当、重量は485gだった。手のひらサイズなのにズシリと重く、見た目と重さが比例していないせいか、持ち上げると「あれ?」となる。「中に石でも入ってるのかな?」と。

 

いざ、実食

せっかくなので、弁当を持って外にやってきた。やっぱり曲げわっぱは外がよく似合います。


さすがに、これを食べて満腹にならなかったら、根本からいろいろと考え直した方がいいレベル。
どんなにキツイ肉体労働後のごはんかと思う量&塩分。

とりあえず、ごはん部分に最初に箸を…なんとか入れて…
…うん。かたい。

持参したのが割り箸で本当に良かった。もしもプラスチック製だったら、ごはんの硬さで折れていても不思議じゃないくらいに硬い。なんたって、箸がなかなかごはんの中に入っていかないのだ。

こんな弁当、他にあるだろうか…。


押し寿司を超えたかもしれないレベル。かたーく握ったおにぎりで、こういうのあるかも。
やっと底が見えた!(いつもは残念なのに、今日ばかりはなぜかホッとする)

こ、この弁当、
食べるのにやたら時間かかるな…。

いつもは10分以内であっという間に食べてしまう弁当が、今回ばかりは20分以上かかった。ごはんが硬いせいで噛む回数も増えているし、これはどう考えても腹持ちがいいに違いない。

足りないのでは…? と危惧されたおかずも十分だった。というか余った。

秋田には「弁当は完食せず、仕事帰り、なにがあってもいいように少しだけ残しておいた」という言い伝えがあるくらいだし、帰宅後、残ったこれをツマミに一杯飲むのが現地での習わしです、と言われても私ゃ信用しますよ。


ごはん、硬くてもおいしいもんだなぁ。
べつに曲げわっぱじゃなくてもおいしいんだろうけど、気分の問題ですかね。やっぱりおいしく感じました。

冷めても硬くてもおいしい(気がする)

ごはんに強い思い入れのある人じゃなければ、ギュウギュウに詰めたお弁当のごはんは特に不味いわけではないと思う。こういうもんだと思って食べれば、なんの問題もないだろう。ただ「箸がなかなか刺さらないなー」とか、そういう点での食べにくさは感じるかもしれない。

それより、味の濃いおかずが4種類もあれば、飽きずに大量のごはんが食べられることが分かったことの方が収穫だ。いつ何があるか分からないから、瓶詰め系メシの友は、切らさないでおこう。

ちなみに今回は、お茶碗3杯弱のごはんを弁当にすることでやっと満足できたわけだが、さすがに食べ過ぎだと思う。お弁当の量を増やそうと努力をする以前に、胃袋を諫める策を講じるべきかもしれない。

育ち盛りじゃないんだから。

 
 

 

 
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