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工作ウィーク
 
人形の首を回してクール・ジャパン
MTM06という工作イベントに出展。写真は展示の様子をyoutubeに上げてた人の動画から(こちら

首が回るとおもしろい。

昨年工作イベント(MTM06)に出席することになり、手ぶらで居座るのもヒマなのでやっつけの作品を出した。ひな人形の頭をモーターで回してみたのだ。

これがなぜか妙なインパクトがあった。

今週のデイリーポータルZは工作ウィークだそうで、あれおもしろかったよね?またやってみないか?とお声がかかった。

あれか。え、あれを?あれっておもしろかったんだっけ?自信がなくなってきた。もう一度、首が回るおもしろさを見つめ直してみよう。

大北 栄人



なぜか合羽橋の道具屋街でひな人形のジャンクセールがある

回しがいのありそうな左大臣を購入

前回作ったものは、ぼろぼろだったので最初から作ろう。

ひな人形は合羽橋の店に980円でバラ売りされている。一体だれが買うのだろう?と思いながら、もうニ個目だ。それにしてもほんとにだれが買うんだろう。

前回は三人官女だったので、今回は男人形を買いたい。長いヒゲが回り映えするだろうと思い左大臣を購入。なんだ、「回り映え」って。


もろもろすっ飛ばして、人形の頭にモーターを刺したところ

材料調達

編集部から支給された材料はミニ四駆用のモーターだった。シャフトが短く、モーター直付けで頭をつけるしかなかった。

動力と頭、近いな〜。めし食ってすぐトイレに行くとバカみたいに見えるが、そういうバカさ加減をひしひしと感じる。


ホットボンドすごい。電池が「あって当然」のような顔してくっついてる。

スキルが上がっている

二回目となり、ホットボンドや硬化接着剤など道具が増えていくと仕上がりもきれいになっていく。

「そうか、ガムテープじゃだめなんだ」

技を覚えていくたびに何度もその言葉が口を突いて出た。


破損していた三人官女も修理した。さあ、回してみよう。

ミニ四駆用のモーターだからか、三人官女と比べてパワーアップした左大臣。

これがスピンヘッドひな人形

回った。こんな単純なギミックでもちゃんと動くとホッとするのがバカらしい。でもほんと動いてよかった。

頭が回るバカらしさも、これこれこれこの感じ。久しぶり!と同級生に会って一瞬で甦るあの感じ。首がぐりんぐりんの同級生だ。

いや、いい。いいよ、かなりいい。クール・ジャパン!って感じだ。

さて、次は何を回そう?ひな人形は古風でおもしろかったが、今の人形、着せ替え人形みたいなのはどうだろう?


100円ショップの着せ替え人形にチャレンジ
「誰かがやらないといけないんだ」そんな気持ちで作業してたが、もちろんそんなことはない

リカちゃん風人形を

女の子の人形の背中にモーターを埋め込むときの忌まわしさといったらない。

本郷猛を仮面ライダーにした改造実験も、やってるショッカーは相当落ち込んだにちがいない。「こんな夜中に、なんでライダーなんかにしてるんだろう‥‥」きっとそんなことを思ってたはずだ。


背中にメカが入ったメイド服のお人形。図らずも萌え文化。

うーん、これもクール・ジャパンだなー

人形じゃなくてもいいかもしれない

ああ、バカみたいだ。これもきれいに回ってくれた。人形はもしかしたらなんでもおもしろいのかもしれない。

人形だから?人の頭が回るからおもしろいのだろうか?

ここで人から離れてみよう。物の「頭」っぽいところを回せばなんでもおもしろいんじゃないだろうか。


ルービックキューブみたいなものはどうか?
外れない。そもそも物の構造がさっぱりわからない。

あれどうなってるんだ、ルービックキューブ

ルービックキューブみたいなピラミッドの頂点だけ回ればかっこいいかな、と思って分解してみようとしてけど、むりだった。なんですかこれは。どういう構造になっとるんですか?

不思議だ。

ああ、この段階で楽しんでしまった。パズルを解くよりもその不思議な形で楽しめてしまった。もしかしたら全員に選挙権を与えなくてもいいかもしれないな。そんな政治的なひらめきも突然得る。


こういう容器の「頭っぽい部分」を回したらおもしろいのだろうか?

もしかして平面でいいのかも?

うむ。よし。そうくるか!という驚きがある。作ったのは自分ではあるけれど、それでも「ああ、そこをね!」の意外性は楽しめる。

しかしやっぱり人形の方がインパクトあるか?

人形の人っぽさだろうか。顔か。顔でいいのだろうか。もしかしたら立体でなくて平面でいいのかもしれない。


こういうお菓子のパッケージでも成立するのだろうか?

オールスター大感謝祭開催

ビスコも意外性があってよかった。結局頭さえ回ってくれればなんでもいいのだ。頭まわればすべてよし。

さあ、最後は全員で万歳三唱してお別れしよう。今までに作った作品を一堂に介し、回すのだ。

いわばオールスター、ウルトラ兄弟大集合、紅白歌合戦の昴みたいなこと。それではさらば、また来年。


おいおい、とんでもねえことになってきただよ

ザ・祭りのあと

ザ・祭りのあと(上空)

これを本業にしよう

とんでもねえカオスだ

宇宙の創生を見た気がした。あわててスイッチを切った。死霊の踊りとはこういうものか、異界への扉が開きそうだった。魔物が出てきても当然だという説得力さえある。

魔物が出てきた上に選挙権剥奪されたんじゃあもう。さっぱりと言うほかないだろう。

そんなさっぱりな私の一日だったが(こんなものでも二日かけたが)、最後のオールスター大感謝祭の手際のよさはまるでDJのようだった。初めてにしては、何か妙にプロっぽい手つきでスイッチをオンオフしてるのだ。

もしかしたらこれが天職か。これが私の天職というものなのか。

なるほど、たしかに天職と出会った人は幸運であるかもしれない。だけど、断るという選択肢があってもいいかもしれないな。動画の最後のフーッとしたため息にはそんな実感が込められている。


完成した作品は新橋にあるタミヤプラモデルファクトリーにて、5月23日〜29日の期間展示される予定です。実物を見たい方はぜひ!

タミヤプラモデルファクトリー新橋店


 
 

 

 
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