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はっけんの水曜日
 
冷蔵庫を明るくしたい


完成予想図

冷蔵庫の扉を開けると中のランプが灯る。
あの明かり、庫内の食品を照らすには実用上支障のない明るさではあるが、すこし物足りなくはないか。
もっともっと明るくしてみたい。
僕はそう思うのだ。

工藤 考浩



明るさは富の象徴だ

冷蔵庫のランプがものすごく明るいと、お金持ちっぽく感じられるのではないか、と考えた。
扉を開けると、まばゆいばかりの光がびかーっと射す。
これでもかという明るさで食品を照らす。
贅沢で豪華で、なんとも富豪っぽい情景ではないか。
冨の象徴としての明るい冷蔵庫。
うん、すばらしい。


こういう、あまり富豪とは縁のない飲み屋で考えた

そんなことを、お酒を飲みながら思った。

東南アジアのタクシーは、必要以上に冷房を効かせているという。
寒いくらいに冷えているのが贅沢だと考えるらしい。

僕が育った北海道は、真冬でもストーブをがんがん焚いて部屋を暖め、半袖でアイスクリームを食べたりビールを飲んだりする。
おそらく、その昔北海道に入植した先人たちが冬の寒さに苦労をし、その反動から冬でも夏と同じように暮らす贅沢さを求めるようになったのではないだろうか。


このことを考えた店には鼻でしゃべる共食いキャラがいた

明るい方がいいだろう

東南アジアの冷房や北海道の暖房の話は論理のすり替え以外のなにものでもないが、ともかく冷蔵庫がまばゆいほど明るいというのは楽しいに違いない。

以前友人夫婦の家にお邪魔したところ、そこの家の冷蔵庫の庫内灯がLEDランプで、僕のよりもちょっとだけ明るかった。
そこに何となく僕と彼等とのあいだの格差を見た気がした。
もっと明るい冷蔵庫が僕の家にあれば、あの時感じた人間としての劣等感を払拭することができるかもしれない。

それに、このところ東京都内は節電で薄暗い。
薄暗いとなんとなく気分も暗くなる。
ここは一点豪華主義で、冷蔵庫の明かりくらいばびっと明るくして、気分を高揚させようではないか。


通常の冷蔵庫はこれくらい

それをこれくらい明るくしたい(上の写真を明るく加工した物)

自作します

いつもだったらこんな考えは飲み屋を出たら忘れてしまうのだが、この日はやけに明るい冷蔵庫が気になってしまった。
翌日、翌々日と時間がたつたびに、どうしても明るい冷蔵庫を手に入れたくなってきた。


電気工作で何とかしてみようと通販で材料を購入

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