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ロマンの木曜日
 
歩き遍路はじめました〜遍路日記まとめ(前編)〜
徳島県から高知県に入るくらいまで、歩き遍路のまとめです

2011年4月29日、いわゆるゴールデンウィークの初日に、ひっそりと歩き遍路を開始した。

これは以前より個人的に計画していた事だったのだけど、当サイトの企画会議でその話をした所、ゴールデンウィークの特集として「木村岳人のお遍路日記」という枠を設けていただき、その模様をリアルタイムで更新する事に相成った。

さらに、ゴールデンウィークが終わった後も更新を続けさせていただく事となり、今でもトップページのヘッドラインに、私の坊主頭がちょこなんと居座っている。

現在進行中の歩き遍路ではあるが、ここで一つ、これまでの経過をまとめてみたい。

木村 岳人



やっぱり、遍路は歩きたい

ご存知、遍路とは弘法大師こと空海にゆかりの深い、四国八十八箇所霊場を周る事である。1番札所である徳島県鳴門市の霊山寺から始まり、高知県、愛媛県を経て、香川県さぬき市の88番札所、大窪寺までを巡るのだ。

それら札所を周る巡礼路は、遍路道などと呼ばれている。その距離はおよそ1200km。四国をぐるりと一周する、世界唯一の環状参詣道である(遍路道のルートや、各札所の位置などは、国土地理院のこのサービスをご覧あれ)。

現代では、車などを使って周るのが一般的であるけれど、私はあえて、昔の人たちがそうやってきたように、全てを徒歩で周りたい。1000年以上続いてきた遍路という文化を体感するには、やはり歩きでなければダメだろうと思ったのだ。

また、遍路道には昔ながらの風情を持つ古道も結構残っている。それらを満遍なく周るには、やはり徒歩でなくてはならない。古いモノが好物な私にとって、古道を歩く事は、この遍路における目的の一つでもある。


このような道は、徒歩でないと行けない
徒歩だと途中の景色を十分に楽しめる、というのもある

 

スタート地点は鳴門の岡崎港

さて、そうして始まった私の歩き遍路であるが、そのスタートは徳島県鳴門市の東端にある、岡崎港からとした。昔の人々は、淡路島から船でこの岡崎港に入り、そこから1番札所の霊山寺を目指したというのだ。

折角、歩きで遍路をやるのだから、どうせなら徹底的にやりたい。だからこそ、岡崎港からスタートしたかった。海岸という、陸の端っこから始まるというのも、気持ちが良いじゃないか。


というワケで、対岸に淡路島が見える岡崎港から遍路開始

お地蔵さんが見守る中、出発
遍路道沿いには古い町並みも多い

岡崎港から1番札所の霊山寺までは、道なりに沿っておよそ12km程の距離である。その道沿いには古い町並みも数多く、昔からの道という風情が漂っていて、テンションが上がる。

しかし、まだ遍路に慣れていない中、この距離を歩くのは骨が折れた。特に私が背負っている荷物は、テントを始め、ノートPCやら一眼レフカメラやら、重いものが多く、その重量は約16kg。いやはや、何度投げ捨ててしまおうかと思ったことか。


この荷物がまた重いんですよ

また、霊山寺に向かう途中では、伸びに伸びた髪の毛が非常にうざったくなり、ちょうど見かけた散髪屋で坊主頭にしてもらったりもした。非常に遍路らしい頭になったと思う。

しかし、ここまで短い坊主頭(2mmに刈ってもらった)にしたのは、多分、生まれて初めてだ。小学校の頃でも、せいぜいスポーツ刈りだった。バリカンで気持ち良く刈られていく頭を鏡越しに見るのは、何とも言えぬ喪失感があるものだ。

でも、一度やってしまうと、風通しが良くて気持ち良いね。その分、直射日光はちょっと暑いけど。


before
after

 

1番札所で遍路に変身

さて、そんなこんなで時間はあっという間に過ぎ、霊山寺に着いたのは夕方16時に近い頃であった。

岡崎港を出発したのは10時少し前なので、だいたい6時間で12kmという、歩き慣れた今では考えられない超スローペースである(この記事を書いている5月17日現在、30番札所まで周り、高知市にいます)。


そうしてたどり着いた1番札所、霊山寺

なお、霊山寺に着いて一番初めに行う事は、遍路の装備を整える事だ。霊山寺では、本堂横の納経所でそれらの品を買うことができ、またお参りの作法を教えてもらう事ができる。

何を買うかはその人の遍路スタイルにもよると思うけれど、私はとりあえず、白衣(袖なしの上着だけ)と金剛杖、菅笠、あと納め札と納経帳を買った。全部で7000円ぐらいだっただろうか。なかなか良いお値段だけど、これでもかなり簡易な方。本気でそろえるとなると、もっともっと、かかります。


形から入るって、結構重要だよね

白衣(びゃくえ)は遍路の衣装。なんでも、これは死に装束なのだとか。いつ行き倒れて死ぬかもしれない、その覚悟の表れだとの事。金剛杖は歩くのに足の負担を結構軽減してくれるらしく、また菅笠は日除けや雨に効果的。

納め札は各札所に納めるお札で、必須品。納経帳は各札所で朱印をもらうのに必要なものだ。朱印がたまっていくのは、遍路をやっていく上で励みになると思うので、私は買った。朱印代が300円なので、88ヶ所全部やると計26400円。結構バカにならない金額ですな。

他にも、線香とロウソク、それに火を付けるライターが必要だけど、それらは実家から持参した。また、読経用の教本は、無料でもらえる冊子に記載されているので、それで十分かと。


朱印を眺めているだけでもなかなか楽しい、納経帳
こちらは線香、ロウソク、お経冊子のお参りセット

 

遍路の宿泊はテント

結局、1日目は霊山寺に着いて、遍路の装備を整えてお参りを終えたら、それで17時を過ぎてしまった。遍路は17時を過ぎると、その日はもうおしまい。なぜなら、お寺では納経の時間は朝の7時から夕方の17時までと決まっているから。

宿を取っているならさっさと宿に向かえば良いのだけど、私は(主に金銭的な理由により)宿を頻繁には使えない。テントを張っての野宿が基本となる。それでも、5日に一度くらいは、カメラや更新用のiPhone、それと体のバッテリーが切れてしまうので、その充電の為に宿を使う事にしている。

初日では、霊山寺近くにあった公園の休憩所をこっそり使わせていただいた。


基本的にはテント泊
でも、時々は宿を使いますよ

ちなみに、これまでテントを張った場所は、公園、神社、河川敷、道の駅、駐車場などなど。基本的には、トイレと水場がある場所ならどこでも構わないのだ。でも、雨が降りそうな時は屋根が欲しいかな。人目につかない場所ならなお結構。

他の地域ならば、人に見つかったら警察呼ばれて職務質問とかされそうな気もするけど、幸い、遍路を始めてから一度もそのような目には遭っていない。四国は遍路に理解のある方が多く、ある程度は多めに見てもらえるのだと思う。

でも、当然ながら、地域の人々の迷惑になるような事は絶対ダメ。ゴミも持ち帰るのが基本。むしろ、掃除して帰るくらいの事はすべきだと思う。


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