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ひらめきの月曜日
 
ブータン料理は辛くて旨い
初ブータン料理体験。辛くて旨かった。そして行きたくなった。

料理で辛味を付ける際に唐辛子を入れます。通常1、2本の唐辛子を入れて調理をしたら、食べる前に取り除きます。唐辛子そのものを食べることはありません。

しかし、辛味付けではなく、唐辛子そのものを積極的に食べる国があります。その国の名はブータン王国。

今回はそのブータン料理を食べてきました。そして自分でも作ってみました。

馬場 吉成



ブータン料理店「ガテモタブン」

今回ブータン料理を食べたお店は「ガテモタブン」。新宿駅から小田急線各駅停車で4駅目。代々木上原駅にあります。商店街を通り、駅から歩いて4、5分。赤い扉のカフェのような佇まいのお店です。


店内は明るくこぢんまりとしています。家の近所にこんな店を発見したら、まずは入ってみるだろう。

小さめの店内には2人用のテーブルが4つと4人用のテーブルが1つ。明るく落ち着いた雰囲気です。ビールなど飲みつつ、早速唐辛子を使ったブータン料理を注文。出てきたのがこちらの料理。


唐辛子ドーン!

この料理は「エマダツィ」と言います。エマは唐辛子。ダツィはチーズです。唐辛子のチーズ煮込み。ブータンの一般家庭でよく食べられている料理です。

大きい、小さい。赤い、青い。ブータンの各種唐辛子にトロトロのチーズが絡んでいます。早速食べてみました。


いやー、丸ごと唐辛子だねえー。

一瞬、とろけたチーズがかかり凄く旨そうだと思うのですが、やはり物は唐辛子。食べることを躊躇します。


おっ、唐辛子の辛さがチーズでマイルドになっている。これは旨い!思っていたほど辛くない・・・

いや!そうでもないか!

エマダツィは、唐辛子の甘みと辛さにとろけたチーズの濃厚な味が合わさりとても旨いです。辛さもチーズの味でマイルドになっています。全体として想像していたほど辛くはありません。むしろ、その辛さがとても旨い!

これなら唐辛子をメインとして美味しく食べられます。ブータン料理旨いです!

ただし、唐辛子の種の付近などを食べた際に驚くほど辛いことがあるので注意が必要。一気に食べない方が無難でしょう。


ブータンの人は唐辛子や乳製品の他、赤米や白米など米を沢山食べるそうです。そのあたりは日本に似ている。辛い料理でご飯が凄く進みます。

ちなみに、ブータン料理は「世界一辛い料理」とよく言われるそうです。実際の所は、「世界一辛い」というより「世界一唐辛子を良く使う料理」と言うほうが合っているのだとか。


こちらは干し肉のパクシャバ。若干硬いですが味があって旨いです。辛さはエマダツィよりも控え目。
こちらはホゲ。大根やトマトがカッテージチーズで和えてありました。あまり辛くないです。

そして、ブータンでは唐辛子は香辛料というより野菜という位置付け。種類も豊富で辛さもまちまちです。お店ではブータンの唐辛子を使用しているので、季節や使う物によって辛さも違ってくるそうです。


これはジャシャマル。鶏肉とトマトと唐辛子が炒められている。結構辛い。
ブータンのスナック。潰したトウモロコシと米を炒ったものでした。香ばしくて美味しい。ちなみに生ビールはエーデルピルスだった。

当初は激辛料理をイメージして行きましたが、程よく辛く実に旨い料理でした。全体的にご飯の進む味です。唐辛子を使っていない料理もあって、辛いのが苦手な人も大丈夫でしょう。

他にも食べてみたかった料理が幾つもあるので、是非また行きたいお店でした。


ギュンチャンパ。キュウリの山椒和え。辛くないです。酒はブータンの焼酎。ARA。トウモロコシや大麦などで作られています。結構クセが強い。
こちらはブータンのドラゴンラム。ご飯が進むならば酒も進む。

Gatemo Tabum/ガテモタブン
営業時間/月曜定休
Lunch: 12:00 〜 14:30
Dinner: 18:00 〜 23:00
〒151-0062 東京都渋谷区上原1-22-5
Tel/Fax: 03-3466-9590
https://www.gatemotabum.com/index.html

 

エマダツィの作り方は簡単

さて、今回ブータン料理屋で食べてきたエマダツィ。家でも簡単に作れます。


青唐辛子、チーズ、バター、タマネギ。あと水と塩少々。タマネギは無くても構いません。

使う材料は青唐辛子、チーズ、バター、タマネギ、水、塩。分量は青唐辛子10本程度に対して、チーズが50〜100g。バターが50gぐらい。タマネギは1/4個〜1/2個程度。無くても構いません。塩は少々。水は材料全体が浸るぐらい。

使うチーズは、現地では牛やヤギから取れる乳で作ったカッテージチーズが使われるそうです。お店の人から聞いたところによると、日本で普通に売っているプロセスチーズでもOK。ブータンの人は日本のプロセスチーズが好きということでした。意外です。


種を取り除くと辛さが調節できます。

作り方は、まず唐辛子を食べやすい大きさに切ります。そのままでも構いません。タマネギも食べやすく切り分けます。

唐辛子は乾燥した鷹の爪でもいいですが、相当辛くなるでしょう。


水が多すぎるとチーズ入り唐辛子スープのようになるので、出来るだけ少な目で。
10分ほど煮ます。迂闊に蒸気を被ると目が痛かったりするので注意。

切った材料を鍋に入れて浸る程度の水を入れたら10分ほど煮ます。煮る時は混ぜたりしません。ブータンでは料理の際にあまり混ぜないそうです。


塩で調整するので無塩バターを使用。バターが無ければサラダオイルでも構いません。結構大雑把。
最後にチーズを入れて溶けるまで煮込めば出来上がり。

10分ほど煮たらバターと塩を入れます。辛さが足りなそうならば一味唐辛子などを入れて調整します。バターが溶けたらチーズを入れて、チーズが溶けるまで煮込めば出来上がり。切って、煮るだけ。凄く簡単です。

出来た物がこちら。


辛さを懸念してチーズとタマネギ大目です。

シンプルな材料と調理法だが辛くて旨い!ご飯にも合いますが、パンに乗せても美味しかったです。

ブータンに行きたい

今回、ブータン料理を食べにいくにあたり、ブータンの事を色々調べてみました。

GNH(国民総幸福量Gross National Happiness)という尺度があって、国民の9割が自分は今幸せだと答える国。親日国。タバコの販売が禁じられている。ブータン農業の父といわれるダショー西岡という日本人がいる。棚田のある古い日本に似た風景などなど。乳製品や唐辛子、米を沢山食べる独特の食文化意外にも非常に興味深い内容が沢山ありました。是非一度行ってみたい。現地で本場のブータン料理を食べてみたいです。

ちなみに、外国人観光客の入国は制限されており、200米ドル以上を前払いして、必ずガイドが同行しないと入国できないそうです。日本からの直行便もないので、行くのは少し大変そうです。でも一度行ってみたいですね。魅力的な国だ。

辛いからご飯だけでなく、ビールなども進みます。

 
 

 

 
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