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ひらめきの月曜日
 
250km走るマラソン大会は、やはり楽しい

激しい吐き気

豊田湖畔第1チェックポイントを出て更に山道を進み俵山温泉のエイドを通過します。この辺は道が暗くランナーもバラけます。その為、映像がありません。


俵山温泉の前後は結構な坂道。しかも暗い。日本海側に出た時には夜が明けていた。

暗い山道を進み、油谷湾に出たらいよいよ日本海側です。実は俵山温泉の後からずっと激しい吐き気に襲われ、かなりのペースダウン状態でした。


スタートから15時間。およそ100kmの地点を通過。目が死んでます。ちょっとゴールを諦めていた。

食べながら走ることとなるウルトラマラソンでは、胃腸の調子が悪くなりリタイアなんて人が割りと多く出ます。胃腸が強いことはゴール出来る為の必須条件。この胃腸不良は非常にマズイ。


107.8km地点。川尻岬チェックポイント。アッサリ治った。

とは言え、ウルトラマラソンでは距離も長ければ走る時間も長い。ゆっくりでも進めば状況が改善することがあります。ゆっくり進み回復を図ったところ、第3チェックポイントの川尻岬に着く頃には大体回復していました。

そして、ここのエイドではカレーかうどんが食べられるのでカレーを選択。何か濃い物が食べたかった。あの胃腸不良はなんだったのだろう?

 

坂多過ぎ

回復したところで先を急ぎます。胃腸不良のペースダウンでゴール可能時間ギリギリです。ここから170kmあたりまで海の近くを進みます。この辺りはコース内でも有数の上り坂があるところ。


立石観音から千畳敷に登る坂道。8kmほど急な登りが続きます。このぐらいの時間になると徐々に眠気も襲ってくる。

立石観音はこの辺。海沿いまで山が張り出しています。

この大会のコースはとにかく坂が多いです。しかも、後半になると直線的で急な坂が増えます。


坂の頂上。千畳敷チェックポイント。ここで125km。あと半分。
芝生の上で暫しダウン。

また、この辺りを過ぎる頃はひと晩寝ないで走った後の昼過ぎ。走行時間も20時間を超えてかなり眠くなります。眠くてボーっとする頭で走り続けると色々な物が見えてくる。


チェックポイントの看板何処ですか?あっ、ランナーじゃないや、犬だ。
前にランナーが5人ぐらいいるか。いや、電柱か。あれ?電柱2本?あっ、目の前のランナーは1人か。そんな感じです。

眠気がピークになると寝たまま走っていたりもします。そうなると、溝に落ちたり、縁石につまずいて転んだりと色々ありますが、それもこういう超長距離マラソンの楽しみの一つ・・いや、違う。辛いところです。

旅として楽しいこの手の大会も、これだけは辛いと思います。やはり布団で寝るのは素晴しい。


眠いよー!
仙崎港から青海島へ渡る橋の上にて。

最大誘惑ポイント到着

千畳敷から仙崎港へ。そこから青海島へ入り、152.8km地点の鯨墓チェックポイントに到着したのは20時近くでした。あたりは既に真っ暗。来た道を戻り、再び仙崎港を通過して、次は175km地点の宗頭文化センターを目指します。


青海島は「海上アルプス」なんてランナー泣かせな別名があり、鯨墓までの往復の道は6回ぐらい峠越えをする感じです。いい加減にしろ!と坂道に向かって突っ込みたくなる。

鯨墓はここ。ほぼ島の一番先。往復が長い。

宗頭文化センターまでの道は暗くて真っ直ぐなので再び激しい睡魔が襲ってきました。つい寝ながら走ってしまい、縁石につまづき激しく転倒。幸い膝を軽く擦りむく程度で済みました。転倒時に骨折してリタイアなんて人が結構いるのでよかったです。


深夜1時少し前に到着。まだ走る!俺の目の前に酒など置くんじゃない!

そして、宗頭文化センターエイドではスタート前に預けておいた着替えなどの荷物が受け取れます。風呂もあります。温かい味噌汁やオニギリなどしっかりした食事もできます。しかも、隣の酒屋が好意で深夜営業してくれている為、そこかしこで既にリタイアした人が酒を飲んでいる。ここは最大のリタイア誘惑ポイントなのです。


風呂に入り着替えて食事を済ませた後、15分ほど仮眠をとったら全ての誘惑を振り払い出発。仮眠をとったのでちょっとスッキリ・・でもないか。

結局、宗頭文化センターエイドを出発したのは深夜1時半過ぎでした。このエイドをどんなに遅くとも2時までに出ないと時間内ゴールの可能性は少なくなります。かなりギリギリの状況なのは変わらず。諦めずに進みます。

いよいよ大詰め。最後の往還道越えが待っています。


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