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はっけんの水曜日
 
ギネスに挑戦したい


ギネスに挑戦

ギネスに挑戦したい。
これは誰しもが想い描く夢ではないだろうか。

しかし、その夢は遠い。
世界一になるというのは、世界一難しいことである。

であるならば、ちがうギネスに挑戦してみようではないか。
別の意味でのギネスに挑戦だ。

工藤 考浩



六本木ヒルズでギネスに挑戦

まず最初に挑戦するギネスは六本木ヒルズにある。


オシャレタウン

六本木ヒルズができてもう8年にもなるらしい。
ここの展望台は好きなので(僕は高いところが好きだ)年に何度かは来るのだが、いつまでたってもなじむことができない。
たぶん僕と同じような印象を持っている人は多いだろう。
この「なじめなさ」はおそらく六本木ヒルズの演出で、それにうまいこと僕はのせられているのではないか、と思う。
そう考えると、この場所はギネスに挑戦するにあたって最高の場所といえよう。
相手に不足はない。


僕にはまったく縁のない店がならぶ

ギネス発見

さて、六本木ヒルズで挑戦するギネスはこの店、「ルル・ギネス」である。


ルルギネスというブランドがあるようだ

ファッションブランド ルル・ギネス

ルル・ギネスというのはイギリスのファッションブランドで、世界中のセレブに人気だそうだ。
僕はブランドの名前すら知らなかったが、有名なのだろうか。


カラフルでオシャレ

入りにくい

うすうす想像はしていたが、セレブに人気のブランドだけあって、お店の敷居はとても高い。
ふらっと入っていくには勇気がいる。
これぞまさにギネスへの挑戦である。


はー

キラキラしていてチカチカしている。
これが店内の印象である。
女性向けファッションを扱うお店に一人で入ったのはたぶん生まれて初めてだ。
デパートに入っているテナントには入ったことがあるが、こういうドアがあって仕切られている店には入ったことがない。
そういう面ではほぼ「はじめてのお使い」状態なのであるが、オドオドしているのを店員さんに悟られないようにさっと店内をひとまわりし、できるだけハキハキとあらかじめサイトで調べておいた目的の商品を告げ、お金を支払った。
ここまではうまくできたと思う。
入店から支払いまで、イメージトレーニングをした甲斐があった。
「ポイントカードをお作りしますか?」と聞かれるとは思わなかったのでそこでどぎまぎし、「お包みしますので店内をご覧になって」と言われてまたどぎまぎしたが、なんとか逃げ出さずに与えられた責務を全うできた。

できるだけ平静を装って購入

ギネスに挑戦完了

じわっと汗をかきつつも、ひとつめのギネスへの挑戦は無事成功した。
これで僕もギネスホルダーだ。


挑戦したぞ!

つぎのギネスに挑戦

続いて挑戦するギネスは、ビールのギネスである。


続いてはこれに挑戦

ちなみに「ギネスブック」はこのビール会社の代表取締役だった人が作った本で、先ほどのブランド「ルル・ギネス」のデザイナー、ルル・ギネスはビール会社の創業家一族出身とのことだ。
さすがギネスである。


おまえすごいんだな

というわけで酒屋でギネスビールを購入してきたのだが、蓋が王冠方式であった。


300円というのは贅沢品だ

ギネスの栓に挑戦

ククーッと飲みたい気持ちを抑えて、素手で開栓しようと試みた。


王冠が手に食い込む
携帯電話を使ってみたが開かない

そこで、ギネス

ギネスにはギネスで挑戦ということで、先ほどの「ルル・ギネス」の出番である。


「プレゼント用ですか?」「はい」と答えてしまったので…
包装が何重にも

シャキーン

手袋を買ったのだ

ルル・ギネスでは何を隠そう、UVカット手袋を購入していたのである。
これをはめてギネスの栓に挑戦すれば百人力である。



えいやー!
手袋ほつれる

手袋ほつれる

しかし現実問題として、手袋は百人力なはずがなく、むしろ繊細な生地を王冠の角で傷つける結果となった。
ごめんよ、ルル。


コインや
ライターなど定番の栓抜き代用を試したが開かなかった

僕の友人は、学生時代みんなで家に集まって飲み会をしていた時に栓抜きが見あたらず、その中の女子がおもむろに部屋の窓を開けてサッシの端を使ってポンとビールの栓を抜いたのを見て、いっぺんにその娘を好きになったそうだ。
いい話である。
人は自分に無いものを求める。


実は気を惹きたくてその女子が栓抜き隠したのかもしれないよな、と最近はそう思うようになった

シュポン

クックックックッ

ギネスビールに栓抜きが必要なのは知っていたので、家から栓抜きを持ってきていた。
ではあの茶番はなんだったのかというと、それは照れ隠しである。
なんに対して照れているのか、自分でもよくわからないが、ギネスに挑戦などといっておきながら、ただ公園で昼間っからビールを飲んでいるだけであることへの照れなのかな、と想像している。


そう、公園なのだ


公園に来ています

どこの公園にいるかというと

根岸
根岸
ねぎし
ねぎし

ギネスに挑戦(ネギシで)

ギネス。
ネギシ。
ぎねす。
ねぎし。
Guinness。
Negguissi。

ごらん、ギネスとネギシは似ているだろ。

どこまで伝わるか自信がないのだが、僕個人の見解としてはギネスと根岸は紙一重なのである。
ギネスに挑戦 in 根岸。
(↑これはぜひ声に出して読んでいただきたい)

ということで、東京都台東区根岸に来ているのだ。


もういっちょギネスに挑戦


戦場にかける橋

「ギネスに挑戦 in 根岸」と書いた時点でもうだいたい思いの丈は果たした気もするが、もうひとつギネスに挑戦したい。


アレック・ギネス

ヒホッ ホヘヒ ヒッヒッホ〜でおなじみの映画「戦場にかける橋」でニコルソン大佐を演じているのがアレック・ギネスという人だ。


ほー
ふーん

挑戦なのか

本当は公園で映画を鑑賞したいところなのだけれど、僕はポータブルのDVDプレーヤーを持っていない。
なのでジャケットをじっくりと読む。
今日最後のギネスに挑戦だ。
いや、はたしてこれが「挑戦」なのだろうか。
挑戦というのは文字通り解釈すれば戦いを挑むということである。
では、この場合の戦いとはなにか。
この戦いが何との戦いであるかということに対する適当な答えが出せない不安との戦いである。


おのれとの戦い

挑戦は続く

僕は子供の頃から運動が苦手で、暗記力も弱く手先も不器用で、ギネスに挑戦するような人とはほど遠い人生を歩んできた。
それがアラフォーなどと呼ばれる歳の今になって、まさかギネスに挑戦することができるとは。
そう思うと感慨深い。
とても素敵な経験であった。
生きていると時折すばらしいことに出会うものなんだな、と感じた。
残りの人生も、今回のように「挑戦する心」を大切にし、過ごしていきたいと思う。

「ネギマ」も食べようかと思ったが、もうなにがなにやらなので止しておいた


 
 

 

 
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