ギネスに挑戦したい。 これは誰しもが想い描く夢ではないだろうか。 しかし、その夢は遠い。 世界一になるというのは、世界一難しいことである。 であるならば、ちがうギネスに挑戦してみようではないか。 別の意味でのギネスに挑戦だ。
(工藤 考浩)
六本木ヒルズでギネスに挑戦
まず最初に挑戦するギネスは六本木ヒルズにある。
六本木ヒルズができてもう8年にもなるらしい。 ここの展望台は好きなので(僕は高いところが好きだ)年に何度かは来るのだが、いつまでたってもなじむことができない。 たぶん僕と同じような印象を持っている人は多いだろう。 この「なじめなさ」はおそらく六本木ヒルズの演出で、それにうまいこと僕はのせられているのではないか、と思う。 そう考えると、この場所はギネスに挑戦するにあたって最高の場所といえよう。 相手に不足はない。
ギネス発見
さて、六本木ヒルズで挑戦するギネスはこの店、「ルル・ギネス」である。
ファッションブランド ルル・ギネス
ルル・ギネスというのはイギリスのファッションブランドで、世界中のセレブに人気だそうだ。 僕はブランドの名前すら知らなかったが、有名なのだろうか。
入りにくい
うすうす想像はしていたが、セレブに人気のブランドだけあって、お店の敷居はとても高い。 ふらっと入っていくには勇気がいる。 これぞまさにギネスへの挑戦である。
ギネスに挑戦完了
じわっと汗をかきつつも、ひとつめのギネスへの挑戦は無事成功した。 これで僕もギネスホルダーだ。
つぎのギネスに挑戦
続いて挑戦するギネスは、ビールのギネスである。
ちなみに「ギネスブック」はこのビール会社の代表取締役だった人が作った本で、先ほどのブランド「ルル・ギネス」のデザイナー、ルル・ギネスはビール会社の創業家一族出身とのことだ。 さすがギネスである。
栓
というわけで酒屋でギネスビールを購入してきたのだが、蓋が王冠方式であった。
ギネスの栓に挑戦
ククーッと飲みたい気持ちを抑えて、素手で開栓しようと試みた。
そこで、ギネス
ギネスにはギネスで挑戦ということで、先ほどの「ルル・ギネス」の出番である。
手袋を買ったのだ
ルル・ギネスでは何を隠そう、UVカット手袋を購入していたのである。 これをはめてギネスの栓に挑戦すれば百人力である。
手袋ほつれる
しかし現実問題として、手袋は百人力なはずがなく、むしろ繊細な生地を王冠の角で傷つける結果となった。 ごめんよ、ルル。
僕の友人は、学生時代みんなで家に集まって飲み会をしていた時に栓抜きが見あたらず、その中の女子がおもむろに部屋の窓を開けてサッシの端を使ってポンとビールの栓を抜いたのを見て、いっぺんにその娘を好きになったそうだ。 いい話である。 人は自分に無いものを求める。
シュポン
クックックックッ ギネスビールに栓抜きが必要なのは知っていたので、家から栓抜きを持ってきていた。 ではあの茶番はなんだったのかというと、それは照れ隠しである。 なんに対して照れているのか、自分でもよくわからないが、ギネスに挑戦などといっておきながら、ただ公園で昼間っからビールを飲んでいるだけであることへの照れなのかな、と想像している。
そう、公園なのだ
ギネスに挑戦(ネギシで)
ギネス。 ネギシ。 ぎねす。 ねぎし。 Guinness。 Negguissi。
ごらん、ギネスとネギシは似ているだろ。 どこまで伝わるか自信がないのだが、僕個人の見解としてはギネスと根岸は紙一重なのである。 ギネスに挑戦 in 根岸。 (↑これはぜひ声に出して読んでいただきたい) ということで、東京都台東区根岸に来ているのだ。
もういっちょギネスに挑戦
「ギネスに挑戦 in 根岸」と書いた時点でもうだいたい思いの丈は果たした気もするが、もうひとつギネスに挑戦したい。
ヒホッ ホヘヒ ヒッヒッホ〜でおなじみの映画「戦場にかける橋」でニコルソン大佐を演じているのがアレック・ギネスという人だ。
挑戦なのか
本当は公園で映画を鑑賞したいところなのだけれど、僕はポータブルのDVDプレーヤーを持っていない。 なのでジャケットをじっくりと読む。 今日最後のギネスに挑戦だ。 いや、はたしてこれが「挑戦」なのだろうか。 挑戦というのは文字通り解釈すれば戦いを挑むということである。 では、この場合の戦いとはなにか。 この戦いが何との戦いであるかということに対する適当な答えが出せない不安との戦いである。
挑戦は続く
僕は子供の頃から運動が苦手で、暗記力も弱く手先も不器用で、ギネスに挑戦するような人とはほど遠い人生を歩んできた。 それがアラフォーなどと呼ばれる歳の今になって、まさかギネスに挑戦することができるとは。 そう思うと感慨深い。 とても素敵な経験であった。 生きていると時折すばらしいことに出会うものなんだな、と感じた。 残りの人生も、今回のように「挑戦する心」を大切にし、過ごしていきたいと思う。