保健所と向きあう
しかし檜原村は遠いぞ、車ないときついぞ、熊出たら死ぬぞ、という話になりまた暗礁に乗り上げる。
ここで安藤さんが保健所に電話をしはじめた。
保健所に電話したところでどうなるわけでもないのだから、相当追いつめられていたのだろう。
電話して聞くと、東京都ののらいぬ管理は保健所でないらしい。動物愛護相談センターというのがそれなんだそうだ。
ここで安藤さんが違和感を感じて電話をやめた。愛護、という言葉の悲しい響きに安藤さんの幸せなのらいぬ像が不協和音を奏でたのだった。
とにかく保健所を避けてきた私たちにとって大きな契機となった。これからも保健所のことは置いておこう、と心に誓った。
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