皮文字するならネギがいい
皮文字を大量に作ってみてたどり着いた発見、それはネギ皮の扱いやすさだ。
前ページの文字リストを見て分かる通り、素材によっては切り口がウネウネうねっていたり婉曲部分がうまく表現できず読めるかどうか微妙なものもある。 一方でこのネギの万能ぷり。
ベタベタしていないので手が汚れることもなく、乾いても見た目がそんなに変化しない。酸化が早いバナナや梨などとは違い、優秀だ。
初段:そして原点へ帰る
そう、ネギの皮は蛇の抜け殻に似ている。 ということはもしかして、温泉宿で見たあの見事な「寿」の文字が書けるのではないだろうか。
飾りたくなる気持ちが分かった
ナスでナスビと書いたものは、稚拙すぎて恥ずかしい。一人で時間つぶしに楽しむにはいいかもしれないが、けして飾ろうとは思わない。
しかしこの「寿」。正体はネギの皮であるが、その一筋一筋に繊細さかつ勢いが感じられて、ちょっとかっこよくないだろうか。隣に誰かいるならちょっと見てよーと自慢したくなる作品となった。と思うのは皮文字作りで頭が疲れたからだろうか?
他人がこれを見たらどう思うのかは分からない。時間が経ち落ち着いて見れば「なにこれ?」と自分でも思うようになりそうでもある。しかし書き終えた時の満足感は確かにあったのだ。
ここにきて、玄関の隅っこの方にこっそりと蛇の文字を飾っている温泉宿の店主の気持ちがようやく分かった気がする。
まあ、ネギと一緒にされたくないだろうけれども。
寿命が短い皮文字書道
剥いていくと、レモンやりんごのいい香り。その一方で、刻一刻と腐り乾きだす皮たち。 最後に「寿」という文字を書きながらも、実はその寿命は短く、皮文字は時間との勝負でもあった。食べる前の果物や野菜の色鮮やかさ瑞々しさを改めて感じた。
最初は皮で50音作るなんて想定になかったけど、文字を並べて見てみると中々に可愛らしい。これを使って年賀状を作ろうか。