上級編・写真加工で作る
このページでは、コンピューターならではの技法、写真加工を使ってGIFアニメを作っていこう。このページの講師は、GIFアニメ研究会より森田トコリさん。本業はデザイナー・イラストレーターだ。
そして今回の課題GIFはこちら。
GIFアニメ研究会より、歩くみかん
写真加工を使えば、こうやって現実にはあり得ない動き、かつ1ページ目に紹介したコマ撮りでは実現できないような動きも、作ることができる。
ちなみにこちらのコースは、使い慣れたフォトレタッチソフトがあることが前提。いつも使っているソフトをご用意ください。(Photoshop、GIMPなど)
根性と根気の勝負
まず、課題GIFができるまでの手順をご紹介しよう。
・フォークを刺したみかんを使って、みかんが歩く写真を撮影する ・全コマ文の写真を加工し、フォークをきれいさっぱり消す
50コマあったら50コマ分の加工作業が必要。講師にお迎えしたトコリさんの第一声は「根性と根気の勝負です」であった…。
手順1・みかんを選ぶ
五感を駆使して慎重に選ぶ
いきなりさっき言わなかった手順が登場した。
みかん選びのポイントは、ズバリ、皮の薄さ。皮が厚すぎると、剥いたときにポキポキ折れてしまうからだ。この時期のみかんは全体的に皮が厚くてむずかしいらしい。
…もちろん、みかんが登場しないアニメの場合はこの工程は必要ない。
主役が決まったら、皮を剥きやすいようによくほぐそう。
手順2・道具を使って写真を撮る
ここからはみかんを使わない人も必要な工程。道具を使って、コマに使う写真を撮っていく。
ここでポイントが4つ。
1.被写体の位置がずれないようにマーキングしておこう。ここでは机にセロハンテープを貼った。
2.カメラは動かないように台を使って撮ろう
3.被写体の位置がブレないように、カメラ側のガイドを使おう
4.ちょっと離れめの位置から、高解像度で撮る。まわりの余白を多めに確保しよう
1,2,3は、コマごとに背景や被写体の位置がずれてアニメがガタガタになるのを防ぐため。多少ガタガタしていてもそれはそれで味が出るけどね。
一番大事なのは、実は4。まわりに余白がないと、複数のコマで位置を合わせたとき、一部のコマだけ背景が足りなくなってしまうことがあるからだ。気をつけよう。
そして、いよいよみかんが歩くシーン。
思い切ってグサッといくと
みかんが立った!!
この状態で撮影していきます
あとは1ページ目のスマートフォンのときと同じように、全コマぶん撮影しよう。
あ、あと、なにもない背景だけの写真も1枚撮っておくといいです。あとでフォークを消すとき、その写真から背景をコピーしたりできるから。
手順3・画像の加工
写真が撮れたら、パソコンに取り込んでレタッチソフトで加工だ。
ここでは撮影した原寸のまま、高解像度で加工しよう。縮小するのは加工後のほうが、画像加工のあとが目立たなくなってよい。
なお、以下画面写真はphotoshopなので、他のソフトを使っている方は適当に読み替えてください。
まず全コマをバーッとレイヤーにして
道具を消すときは、スタンプツールなどを使うか、背景だけを撮っておいた写真からコピペする、などなどいろんな方法がある。やりやすい方法で試してみてください。
やりかたはいろいろあるとおもうんだけど、とにかく小道具が消えればOK!これをコマの数だけ繰り返します…。
ちなみにここでは道具を消す加工をしたけど、ほかの加工をすることももちろん可能。画像に特殊効果をつけたり、違う画像を合成したり。レタッチソフト(と根気)があればどんなアニメでも作れます!
手順4・アニメーションGIFにする
縮小はさいごに
加工ができたらコマごとの位置合わせをして、余分な部分をトリミング。さらにアニメーションGIFは容量が大きくなりがちなので、画像を縮小して小さいサイズにしよう。
コンパクトな画像になったら、いよいよアニメ化。アニメ化のやり方はGIMPならこのページ(この続きだと9から)、Photoshopならこのページ(ウィンドウが出てない場合は「ウィンドウ」>「アニメーション」を選択してから操作)を見てください。
こうしてできたのがこの作品
絵コンテ書くのもよし
必須の手順じゃないので飛ばしたけど、トコリさんはこの制作の前にあらかじめ絵コンテ的なものを作っていた。
絶対いるものじゃないけど、撮影のときは他にいろいろ気を遣う要素が多いので、撮る物があらかじめこうやって見えていると楽かもしれない。
上級編・写真加工で作る まとめ
・カメラと被写体の位置を固定 ・撮影時は余白多めに撮る ・写真加工は根気と根性で ・縮小は加工が終わってから