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コラボ企画
 
インドにインド式数学を聞きに行く

大学でインド式

バンガロールに戻り大学でインド式数学を聞くことにした。バンガロールはIT産業が盛んなだけあり、大学も多い。街を歩いていても大学生だろうと思う若い人とよくすれ違う。日本でもそうだけれど、大学生はどこかキラキラしている。眩しいのだ。


大学に来ました

大学の入り口で構内に入っていいか? と聞くといい、と言われた。自由なんだな〜と思っていたら、構内は通り道になっているらしく、学生でない人の方が多いくらいだった。そんな大学でキラキラした人を見つけてインド式数学について聞いた。


同じピンク色のシャツを着ていたので声をかけた

ほら電卓! 新インド式数学!

やはり電卓だ。これぞ新インド式。だって確実だもの。それにインドの人はみな携帯電話を持っていて、新インド式数学には最高の環境あるのだ。

ちなみにこの携帯電話が驚くほどよく鳴る。誰と話しているんだと思うほど、多くの人が携帯電話で話しているのだ。僕のほとんどならない目覚ましと化している携帯が不憫に思えた。


基本的に携帯で計算していた

 

辿り着いたインド式

この後も聞き込みを続けたけれど、インド式で解いてくれる人は現れなかった。僕の中でインド式数学は幻という考えが固まりつつあったが、最後の希望と大学内の図書館に足を運んだ。ここでも、インド式数学について調べたい、と言ったら、館内に入れてくれた。優しい人たちだ。


図書館

本棚に案内してくれた

この辺りが数学の本だ、と司書さん的な人が案内してくれた。そこには数学の本が、完成したドミノのように数多く並んでいた。当たり前だけれどここは大学なので、その数学の本のレベルは高い。試しにパラパラと見てみたが、文系の僕には熱が出そうなほど、分からなかった。しかも英語。迷宮入りする事件ってこんな感じなのだろう。


全部数学の本!

全く分からない

僕がこれは分からん! と10点差をつけられた9回の裏の監督のような気持ちでいたその頃、安藤さんは、ついにインド式数学の本を見つけたと、感動に打ちひしがれていた。さらにその頃、僕の方にはさっき案内してくれた司書さんとは違う厳しい顔をした司書さんが向かってきていた。この旅一番のドキドキだった。


本を見つけた安藤さん

これがインド式数学の本

インド式は幻ではなかった(空港で渡された本より難しい)

 

インド式見つけました

僕の方に厳しい顔をしてやってきたのは、この図書館の司書であるアルーンさんだった。しかし日本からインド式数学を調べに来たことを話すと、ゲリラ豪雨の後の青空のように優しくインド式数学について教えてくれた。

「チャクラで解くんだ」「サタンが頭の中にいて解いてくれるんだ」とアルーンさんは言う。どちらにせよインド式数学はキチンと存在したのだ。ちなみにアルーンさん自身はインド式数学はできないそうだ。


同じく記念撮影(うっすらピンクのシャツがアルーンさんで、うっすらピンクのTシャツが僕)

話を聞けば、専門的な学生は学ぶとのことで、インド式数学は全員が学ぶということではないそうだ。だから街中で聞いても分からなかったわけだ。

さらにこの後、教授に僕らを紹介してくれた。結論としてはインド式数学の存在は確認できたけれど、理解までは至らなかった。しかし忘れられない素晴らしいインドの思い出となった。こうやって輪が広がっていくのこそインド式数学の真髄なのかもしれない。


輪が広がる楽しさを実感した!

インドに行くならインド式

結局インド式数学は僕には分からなかったけれど、現地の人と交流できて、楽しい、としか言いようがない素晴らしい旅になった。それにやはり電卓は素晴らしいという結論を出すこともできた。

日本に帰ってきてからもインド式数学はさっぱり理解できなかったけれど、もっと英語を勉強してコミニュケーションを取りたいとは思った。インド式数学を通して現地の人と話すのは本当に楽しくて、もっと話せればと強く思ったのだ。インド式数学とは実はそういうものなのかもしれない。そんな綺麗な終わり方をしたくなるほど、素晴らしい旅だったのだ。

食事も美味しいのよ!

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