思いっきり期待を裏切る
遠くで見ていた船長でさえ竿先の異変に気付いたほどはっきりとした反応だ。魚がエサを食ったのは確かだ。 あとは一心不乱にリールを巻くのみ!
しかしこの時間がまた長い。水深500メートルから糸を巻き上げるのだから当然なのだが、ひどくじれったい。
まあ釣れなかった魚に八つ当たりしてもしょうがない。 そこは運と腕が足りなかっただけだ。 自然が相手なのだからどうしても上手くいかないこともある。
ちなみに魚そのものは釣れなかったが、仕掛けにはやはり白い粘液がまとわりついていた。 この粘液の主が知りたい…。
時間切れ…。しかし最後の最後にドラマが!!
ほどなくして、船長から撤収のコールが掛かる。 厳しい状況の中にあって、なんとか僕らに釣ってもらおうと船長も予定以上に粘ってくれたのだが、それに応えることはできなかった。 各自、無念に思いながらも仕掛けを回収する。
が、ここでまさかの展開が!
「あ!魚ついてる!!」 耳を疑うような声を小塚さんが上げたのだ。
急いで駆け寄るとそこには確かに見慣れぬ不気味な魚の姿が!