馬場さんのお店「ビーワイ」で、いざ
「たすけて」とお願いしてから「できました」の連絡まで、その間2日間のみ。しかも馬場さんは飲食店の営業に加え別の仕事も多忙ななかでの開発だったそうだ。それでできてしまうものなのか。
大丈夫か、馬場さんココアを練ったものを寿司ネタの形に成型したりしてないか。
疑いながらも信用する気持ちのほうが大きいことは確かだ。期待を胸に馬場さんのお店へ急いだ。
自信のなさからのコスプレ
到着すると、普段はエプロンで板場に立つという馬場さんが寿司職人のコスプレで待ち構えていてくれた。
実はこれ、当サイト編集部の安藤がこの撮影の当日の朝かっぱ橋で買ってきたものらしい。
当記事は森永ココアとのコラボ記事だ。実はその全責任を負っているのが安藤なのである。
(もしココア寿司がうまくいかなくても、馬場さんに寿司職人の格好してもらえば画的に説得力あるしなんとかなるんじゃないですかね)安藤から耳打ちがあった。
責任からの不信が安藤をおそっているのか。
楽観的な気持ちが勝っていた私だが、ここで改めてちょっと心配になってきた。ココアで寿司、やっぱり不安である!
なにしろ、食べてみよう
「じゃあはじめましょうか」
馬場さんが腕をまくり、思惑の飛び交うなかいよいよココア寿司の登場である。ごくり。空腹の意味と緊張の意味あいのつばを飲む。
コスプレはびしっと決まっているが、馬場さんは実際寿司職人ではないということで寿司自体は持ち帰り寿司を用意を使うようだ。
どうやら酢飯にココアを混ぜ込んだり、練ったココアを乗せるといったわけではないらしい。どんな秘策があるのだろう。
うん。普通に寿司だ。
と、ここで馬場さん小瓶に入った何かを取り出した。
拡大! なんだ?
すっぱい? ココア?
見たところ、こげ茶色のこってり、どろりとした液体が入っている。もしかしてココアじゃないかこれは。牛乳で伸ばす前のココアそのものじゃないですか。
が、瓶のふたを開けたところでハッとなった。匂いが、すっぱいのだ。え、なになに、どういうこと。
茶色くてどろーり。見た目はやはりココアである。が、相変わらず匂いはすっぱい。
酢飯のすっぱさとあいまって、かなり寿司らしい匂いである。不思議だ。
すっぱい! ココア!
これがどういうことなのか一切想像ができないがもう待ちきれない(撮影時15時、そして私は楽しみすぎて朝ごはんと昼ごはんを抜いて挑んでいる)。食べてみようじゃないですか。
すっぱい! しょっぱい!
……。
からの、ココアきた!
ココア酢です
馬場さんが寿司にぬったもの、それは「ココア酢」だそうだ。”ココア寿司”以上に聞きなれないネーミングが出てきた。
なんでも世の中には、きなこと酢、そしてオリーブオイルに醤油などをまぜて作る”きなこ酢”というものがあるらしい。そのきなこの部分をココアに変えて馬場さんなりに分量を調整したものだという。
きなこ酢もまた初めて聞いた。食の世界が深すぎる。
酢ベースなのでサーモンやトロなどこってりしたネタに合うということだったが、イカや青柳、ホタテでも十分すぎるほどおいしかった。
ココアと寿司が、出会った。出会えた。これはちょっとすごいぞ。
おい、これ! ああ、これな!
ストレートにうまいのです
こういった珍しい食べ物を食べるときよく「おもしろい味」という言い方をすると思うのだが、このココア寿司はおもしろいというよりストレートにおいしい。
これは珍味ではなくただの美味だ。ココアにこんな力があるなんて。
ココア酢、レシピは以下のとおりである。混ぜるだけでよいそうなのでココアが好きな方は絶対作ったほうがいい。
ココア酢の配合(馬場レシピ)
純ココア 大さじ1 酢 大さじ2 オリーブ油 大さじ2 しょうゆ 小さじ1 塩 小さじ2分の1 砂糖 小さじ1
このレシピに使われている純ココアは砂糖が入っていないもの。なので、甘みはない。
が、 私は甘いココアが好きでよく飲むのでココアを感じると脳が甘みも感じるらしい、どこか頭のなかで甘さがよみがえる。
寿司を食べながらココアのあのこってりした甘さを思い出してしかもさっぱりしていて不快でないのだ。なんというか、頭のふたがぱかーっと開いた気分であった。
エル・ブリとかって、こういう料理を出してるんじゃないか。
さらに後半では肉も飛び出します。