特集 2016年7月25日

大人のシャーベットは、にごり日本酒で作ると美味しく出来る

夏にオススメ。にごり日本酒は凍らせても美味しいです。
夏にオススメ。にごり日本酒は凍らせても美味しいです。
暑いときにシャーベットのような冷たい物を食べる。甘く、冷たく、体も心もクールダウンします。ただ、酒飲みの方は冷たいと言っても酒的な何かが冷たいと嬉しくありませんか?

キンキンに冷えたビールという王道の選択肢があります。もちろんその美味さは揺るぎません。しかし、酒そのものがシャーベットになっていたらどうでしょう?嬉しくないですか?

とはいえ、酒を美味しく凍らせるのはなかなか難しい。今回は簡単に美味しく凍った日本酒をつくる方法を紹介します。にごり酒を使います。
1972年生まれ。元機械設計屋の工業製造業系ライター。普段は工業、製造業関係、テクノロジー全般の記事を多く書いています。元プロボクサーでウルトラマラソンを走ります。日本酒利き酒師の資格があり、ライター以外に日本酒と発酵食品をメインにした飲み屋も経営しているので、体力実践系、各種料理、日本酒関係の記事も多く書いています。(動画インタビュー

前の記事:3Dプリンタと地図データから街がよみがえる

> 個人サイト 酒と醸し料理 BY 工業製造業系ライター 馬場吉成 website

酒は普通に凍らすと苦くなる

酒やコーラなどのジュースを普通に凍らせたことがある方ならご存知かと思いますが、一般家庭にあるような冷蔵庫でこれらのものを凍らせても上手く凍らないことがあります。
こういう商品も売っています。氷というよりもシャリシャリとしたミゾレ状の日本酒になります。
こういう商品も売っています。氷というよりもシャリシャリとしたミゾレ状の日本酒になります。
エタノールそのものが凍る温度は-114.5℃。日本酒などのアルコール度数20%程度の溶液ならば-11度ぐらいで凍結が始まります。
こちらの商品は凍った状態を想定して作られていて、かなり冷たい日本酒として美味しく味わえます。面倒な人はコレを買おう。
こちらの商品は凍った状態を想定して作られていて、かなり冷たい日本酒として美味しく味わえます。面倒な人はコレを買おう。
家庭用の冷凍庫は-18度ぐらいにはなるので、日本酒は一応凍ります。ところが、凍ったとしてもザラザラのシャーベット状になる程度でなかなかカッチリとは凍りません。

また凍ったものはアルコールの風味が強くなり、苦みが増してあまり美味しいものではありません。

にごり日本酒で簡単大人シャーベット

左から香川県の川鶴讃岐くらうでぃ、広島県の華鳩貴醸酒にごり、福岡県の庭のうぐいす鶯印のどぶろく。どれもかなり甘い。
左から香川県の川鶴讃岐くらうでぃ、広島県の華鳩貴醸酒にごり、福岡県の庭のうぐいす鶯印のどぶろく。どれもかなり甘い。
ところが、うまい具合に味よく凍る日本酒があります。それがにごりタイプの日本酒です。
ブドウジュースのように甘い。香川名物のスパイシーな骨付き鳥に合うそうです。
ブドウジュースのように甘い。香川名物のスパイシーな骨付き鳥に合うそうです。
にごりタイプの日本酒は、目の粗い布で漉す、後から濁りを足すなどして作られ、全体的に甘味が強い物が多いです。
仕込み水の代わりに日本酒を使って仕込んだ貴醸酒。ベッコウ飴や乳酸菌飲料なみに甘いです。バニラアイスにかけても美味しい。
仕込み水の代わりに日本酒を使って仕込んだ貴醸酒。ベッコウ飴や乳酸菌飲料なみに甘いです。バニラアイスにかけても美味しい。
このにごり部分により酒がうまく固まり、甘さでシャーベットとして美味しく食べられます。作り方も簡単で、家庭用冷蔵庫で作成可能。
こちらは爽やかな乳酸菌飲料の甘さ。清酒は発酵して出来た醪(もろみ)を、酒と酒粕に漉して分ける作業が必ず入ります。どぶろくはそれを行っていません。
こちらは爽やかな乳酸菌飲料の甘さ。清酒は発酵して出来た醪(もろみ)を、酒と酒粕に漉して分ける作業が必ず入ります。どぶろくはそれを行っていません。
用意する物は冷凍庫に入るサイズの浅いステンレスやアルミ製のバット。それだけです。
こぼれるのが心配な方は、フタの出来るプラスチック容器でも構いません。
こぼれるのが心配な方は、フタの出来るプラスチック容器でも構いません。
バットを水平になるように冷凍庫内に入れます。にごり酒は瓶を回してにごり部分が均一になるように混ぜておきます。
浅く広げた方が均一に早く凍ります。
浅く広げた方が均一に早く凍ります。
あとはにごり酒をバットに流し入れるだけ。静かに冷凍庫を閉めて凍るのを待ちます。
4、5時間もあれば凍ります。
4、5時間もあれば凍ります。
凍ったら出来上がり。凍った硬さはスプーンなどで簡単に取り出せる程度なので、削るなどしなくてもそのまま食べられます。
凍りきらなかった部分が底に薄く残ります。
凍りきらなかった部分が底に薄く残ります。
食べた食感はシャリシャリとしたみぞれアイス。口の中ですぐに溶けていきます。
こちらは讃岐くらうでぃが凍った物。トップの画像は鶯印のどぶろくが凍った物。どちらも爽やかな甘味が冷たくうまい。
こちらは讃岐くらうでぃが凍った物。トップの画像は鶯印のどぶろくが凍った物。どちらも爽やかな甘味が冷たくうまい。
味は元のにごり酒の味がベースとなります。讃岐くらうでぃは巨峰のようなブドウの甘味の中にほんのりとアルコールを感じる。華鳩は完熟したメロンのような甘さと共に酒の香りが広がる。鶯印のどぶろくはヨーグルトのような爽やかな甘さが感じられます。
凍らせにごり酒は夏の大人お菓子だね。冷たくてうまい!
凍らせにごり酒は夏の大人お菓子だね。冷たくてうまい!
どれも冷たく甘く、ほんのりと酒の味がする。かき氷に後からかけるのとは違い、酒そのものが凍っているので、酒の味をダイレクトに感じられます。

オススメです。

是非試していただきたい

にごりの日本酒はあまり多く売られていないので、入手が難しいかもしれませんが、もし見つけたらやってみてください。

出来れば低アルコールタイプ(通常の日本酒はアルコール度数15度程度)の物がオススメです。味がよりデザート風になります。

そして、ただのシャーベットと違いアルコールがしっかり入っているので、酒の弱い人なら酔います。うっかり子供が食べてしまうなどないように注意してください。大人シャーベットは大人だけの楽しみで。
日本酒とは全然関係ないですが、焼酎をソーダで割ってセブンイレブンで売っている「まるでマンゴーを冷凍したような食感のアイスバー」を突っ込んで飲んだらおいしかったです。アイス割。
日本酒とは全然関係ないですが、焼酎をソーダで割ってセブンイレブンで売っている「まるでマンゴーを冷凍したような食感のアイスバー」を突っ込んで飲んだらおいしかったです。アイス割。

おまけ:コンビニの冷凍フルーツを氷代わりにすると美味しい

今回はにごり日本酒を凍らせてシャーベットにする話でしたが、逆に凍った果物を酒に入れて氷代わりにすると美味しいのでその話もついでにつけておきます。
マンゴーとか。ブドウなども冷凍で売っています。
マンゴーとか。ブドウなども冷凍で売っています。
コンビニやスーパーの冷凍食品コーナーにいくとこのような冷凍フルーツが売っています。これを氷代わりにします。
いいちこ。そのまま飲んでもおいしいよね。
いいちこ。そのまま飲んでもおいしいよね。
焼酎と冷凍フルーツ。あとソーダ水と大き目のコップを用意します。
この時は1対1ぐらいで割りました。ちょっと濃かった。
この時は1対1ぐらいで割りました。ちょっと濃かった。
グラスに冷凍フルーツをお好きな量入れます。あとはお好みの比率で焼酎とソーダを入れれば出来上がり。
少し時間が経ってからが飲みごろ。
少し時間が経ってからが飲みごろ。
入れた直後は少し冷たいソーダ割りの焼酎ですが、フルーツが溶けてきたところを潰しながら飲むと美味しいです。面倒でなければミキサーにかけてもいいかもしれません。
ちょっと飲むのが面倒ですが美味しいです。
ちょっと飲むのが面倒ですが美味しいです。
もっとも、氷と果汁100%ジュースを買ってきて混ぜた方が早いし安いので、面倒な方はそちらをオススメします。人が来た時にやるととりあえず盛り上がると思います。
▽デイリーポータルZトップへ

banner.jpg

 

デイリーポータルZのTwitterをフォローすると、あなたのタイムラインに「役には立たないけどなんかいい情報」がとどきます!

→→→  ←←←
ひと段落(広告)

 

デイリーポータルZは、Amazonアソシエイト・プログラムに参加しています。

デイリーポータルZを

 

バックナンバー

バックナンバー

▲デイリーポータルZトップへ バックナンバーいちらんへ