特集 2012年8月20日

靴履いた後に忘れ物取りに行きたい

あっ、忘れ物した!この場合、どうやって靴を脱がずに取りに行くのがベストか。
あっ、忘れ物した!この場合、どうやって靴を脱がずに取りに行くのがベストか。
いつも靴を履いた後に忘れ物をしたことに気付く。靴脱ぐのめんどくさい…、でも取りに行かなくちゃ。

そういう場合、いつも靴を脱がずに這う様に取りに行っていたのだけれど、結構土が落ちていたりする…。もしかして、意味がないのか?実際どのくらい違うんだろうか。
1983年三重県生まれ、大阪在住の司法書士。
手土産を持参する際は消費期限当日の赤福で受け取る側に過度のプレッシャーを与える。

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> 個人サイト owariyoshiaki.com

試してみよう

試してみよう
試してみよう
いつも、這っていけば靴の裏が床についてないから履いたまま部屋入っても大丈夫!っていう、食べ物落としても三秒以内なら大丈夫!みたいなルールでやってきていた。
角を曲がって真っすぐ標的。テーブルの上のカギを取りに行く。普通に歩くと約7歩
角を曲がって真っすぐ標的。テーブルの上のカギを取りに行く。普通に歩くと約7歩
しかし実際パラパラと砂が落ちているのを見ると、やっぱりダメなのでは。という気持ちが沸き上がってくる。
スタートを押して、忘れ物回収開始、取ってきたら時間を止める。
スタートを押して、忘れ物回収開始、取ってきたら時間を止める。
いったん疑問に思うと、這っている自分に対して「もしかして、意味ないのに這ってる自分はバカなんだろうか」などと思ってしまう。
わざわざガッツリと土を付けてから始める。
わざわざガッツリと土を付けてから始める。
そういう悩みから開放されるため、ちゃんと数字で、分かりやすい形で結果が欲しい。 一度しっかりと確かめてみねばなるまい。
子供でもここまではならんだろうという汚れ具合。分かりやすく結果が出るよう、土のつきやすいスニーカーでチャレンジ。
子供でもここまではならんだろうという汚れ具合。分かりやすく結果が出るよう、土のつきやすいスニーカーでチャレンジ。

信じてるぜ、這う

まずチャレンジするのは、這っていく方法。いつもはこの方法で忘れ物を取りに行っているのでこの方法で一番良い結果が出ると嬉しい。
気合入れてスタート。手がペッタリ付くんじゃなくて爪を立てている様なのが不思議。
気合入れてスタート。手がペッタリ付くんじゃなくて爪を立てている様なのが不思議。
靴に砂をつけて、タイマーをスタートして忘れた鍵を取りに行く。時間を計っているのでいつもよりも急いで這う。
カギゲット!
カギゲット!
いつもしていた這う作戦だが、初めて写真で見てみると、これは相当みっともない。一人暮らしなので周りの目を気にする事は無いのだが、そうでない人はそれも考慮したほうが良いかもしれない。
森へ帰りなさい…。
森へ帰りなさい…。
いつもしていた事の知らなかった一面を知る事となったアニマルスタイルだが、結果はどうだろうか。
良いのかどうかまったく分からない。
良いのかどうかまったく分からない。
タイムは13.8秒。一発目なので良いのかどうか分からない。靴紐を解く必要のあるタイプの靴を履く場合であれば大幅な時間短縮は見込めるか。
結構土が落ちてしまっている。
結構土が落ちてしまっている。
靴裏を床にはつけていないがやはり土は落ちている。入り口だけかと思いきや、部屋の真ん中辺りもパラパラと。これは…、ダメだな…。
集めて、計測。
集めて、計測。
結果、3グラム。3グラム!?
結果、3グラム。3グラム!?
集めて計った結果、這って行ったときに落ちた土の量は3グラム。3グラム!?たった!?

持っても分からない程度の、普段意識も出来ないくらいの重さの土だが、この量の土が部屋に落ちてたら子供時代なら母親に泣くほど怒られただろう。という量だった。

これ、這っていくの、無しですわ。
!

じゃあ普通に歩いてったらどうなんだろうか

と、這うのダメな感じが分かったが、普通に歩いていった場合とどのくらい違うのだろうか。普通に歩いていった場合は土が2トンくらい落ちちゃうならば、やっぱ這うのスゲーじゃんと汚名返上の可能性もあるだろう。
家の中でブルーシートの上歩くの、事件性を感じる。
家の中でブルーシートの上歩くの、事件性を感じる。
先ほどと同じように土をたっぷりつけて歩く。ブルーシートの上だとはいえ自分の家を靴履いて歩くのは悪い事をしている気分になるが、なんだか気持ち良い。

俺は歩けるんだ、這ってなんかいられるか!という足の叫びが聞こえる。
心なしか、意気揚々と歩いている様に見える。
心なしか、意気揚々と歩いている様に見える。
制限されて気付いた、歩くの便利さ。さて結果的に這うのとどのくらい違うのか。
流石に速い。
流石に速い。
タイムは8秒。這うのと比べて半分強位の時間だが、体感としてはもっと速かったように感じた。不自由さがなくスムーズに進むからだろうか。
小動物の生活跡みたい。
小動物の生活跡みたい。
2グラム。這うより少ない。
2グラム。這うより少ない。
落ちていた土の量は2グラム。靴裏に付いていた土の量の具合だろうが、這うより少ない。靴の汚れを落とさない。という観点からは這って進むのは全く効果がないという事が分かった。
!

じゃあどうすれば良いのか

普通に歩いたのと同じくらい汚れが落ちるのならば、もう這ってなんかいられない。でも、普通に歩くのは靴と床、靴底の汚れで擦れて床に傷が付くだろうからダメ。じゃあどうするのが一番良いのか。
躍動感あふれる、ケンケン。
躍動感あふれる、ケンケン。
ならば、片方だけ脱いじゃって、ケンケンしていくのはどうだろうか。これなら履いてる靴が片方だけなので汚れを持ち込む可能性もハッキリと半分。

もちろん片方の靴を履きなおす手間はあるがそこはお互い様だ。妥協ではなく、譲歩。大人の政略的なケンケンである。
タイムは12.6秒。這うのとあまり変わらない遅さ。
タイムは12.6秒。這うのとあまり変わらない遅さ。
タイムは予想よりも遅い。増えた体重と弱ってきた足腰からケンケンが予想以上に怖く感じた事による遅さ。このケンケン、遊びじゃねぇぞ…。
分かりやすく1グラム。
分かりやすく1グラム。
そして落ちた土の量は普通に歩いたときのちょうど半分の一グラム。分かりやすく、片方の靴を履くめんどくささの代わりに落ちる土の量も半分になった。

ちょっと安いけど、ちょっとまずい定食屋。みたいな、メリットもデメリットも微妙で一番使わないかなー。という結果だ。
!

これはダメだと思うのだがむしろどうだろうか

ここまでどの方法でも「めんどくさがるなら、それ相応の報いは受けてもらうぜ」みたいなことを靴に言われている感がある。この世は全て等価交換なのか。
こうやって、サイドだけならついても大丈夫。って言い張ってた。昔。
こうやって、サイドだけならついても大丈夫。って言い張ってた。昔。
さてどうしようかと考えたとき、昔にやっていた靴の側面だけならつけても大丈夫法を思い出した。

どう考えてもダメだろう。と気付いてやめたのだが、案外こういうのが好結果を出したりしないだろうか。
えんやっせのこらせ
えんやっせのこらせ
えんやっせのこらせ
えんやっせのこらせ
失礼しまんにゃわ~。
失礼しまんにゃわ~。
えんやっせのこらせ
えんやっせのこらせ
やっているときは出来るだけ靴の側面のみをつける為、必死に足首を曲げていたのだがこうやって客観的にみると、とてもコミカルで良い。

何か必死っぽいけど見た目、普通に歩いちゃってるのも味わい深い。これで好結果が出れば言う事無しだ。
タイムは20.9秒。まぁそんなものか。
タイムは20.9秒。まぁそんなものか。
普通に歩いたときと同じ、2グラム。
普通に歩いたときと同じ、2グラム。
タイム、土の量ともに、そりゃそうだよな。という所に落ち着いた。普通に歩くのと比べて落ちる土の量は同じでちょっと遅いけど、コミカル。

土足で家の中入らなきゃいけないって時に誰かに見つかった場合、許してもらえる確率が上がる、くらいのメリットしかない。いや、それも無いか。あと、すっごい足首痛い。
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ついに見つかった

どの方法を試しても、一長一短でとてもよくバランスが取れている。ここまでの結果であれば、靴脱いだ方が良いかなぁー。と思うが、やっと違う結果が現れた。
それが、ヒザ立ちである。
それが、ヒザ立ちである。
靴履いたまま忘れ物取りに行く時ってどうやるのが良いですかね。人に聞いてみたら、帰って来たのがヒザ立ちで取りに行くという答え。
何か、カタツムリっぽい。
何か、カタツムリっぽい。
足の状況的には這っているときとほとんど同じだから別段変わりは無いだろうな、と思って試してみて驚いた。
タイムはこれまでで一番遅い。
タイムはこれまでで一番遅い。
ちょこちょことしか動けないため、タイムは遅い。まぁ、これは予想通りの結果だ。
ブレてて申し訳ないが、落ちてた土がこれだけなのだ。
ブレてて申し訳ないが、落ちてた土がこれだけなのだ。
堂々の0グラム
堂々の0グラム
それに対してビックリするほど落ちていた土が少なかった。探さなきゃ見つからないレベルの量しか落ちていない。先ほどまでと何という差。
靴に土付いてなかったんじゃないかと思い、再チャレンジ。
靴に土付いてなかったんじゃないかと思い、再チャレンジ。
これは計測方法がおかしいのでは、と思い再度やってみるも全然土が落ちていない。何でだろう、と思って立ち上がったらその場にパラパラと土が落ちた。

立てヒザ歩き、めっちゃ凄い、全然靴裏の汚れが落ちない。ただし、ヒザに青いあざができる。
!

世界のバランス調整凄い

どっかで手を抜こうとしたら別の所でデメリットが発生する。その、手を抜いた時のメリットとデメリットがちょうど釣り合っている感じになっているのが凄い。

ゲームなどで人が必死でバランス調整しても攻略法が最適化されていったりするのに、靴履いた後の忘れ物取りに行く攻略法はどの手法選ぼうとも人の好みの問題で答えは無い。これが自然の摂理か…。
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