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チャレンジの日曜日
 
カニカマは50万パックに1パック、カニ
左、カニカマ。右、カニ!

最近のカニカマはすごい、という話はよく聞く。

高いものの中には本物のカニと並べて売られるなどもはやカニとして扱われるものもあるそうだ。

そんな折、近所のスーパーでカニカマを買ったのだが、なんとそれがカニだったのである。

古賀及子
(こがちかこ)
1979年東京生まれ。主におはぎだけを食べて生きるという生活を20年続けてきたが、昨年いよいよ飽き、普通の食生活に戻った。それでもなお現在も好物はおはぎ。
> 個人サイト まばたきをする体


カニカマを2パック買った

カニカマの美味しさは百も承知であるものの、我が家ではそんなにたびたび買うことはない。

この日はたまたま安売りしていたので晩酌用に買ってみたのだった。


いつもはちょっと高い、カニっぽさあふれるカニカマが安かった

かに酢までついていてかなりカニっぽい。サラダにしなくてもそのまま食べるだけでもごちそうになるカニカマだ。

ただ、本物のカニではなくカニカマなのでその姿は整然である。2パック買ったがどっちも大きさなどはピシッとそろっている。


かなり複雑に色々使って作られてるんだなあ

裏を見ると、原材料としてかなり多様なものが使われているようだ。カニっぽさを表現するのも大変なのだろう。

と、何気なく、本当に何気なくもう1パックの方を見たのだ。


かに

カニカマじゃ、ない……?

なになになに、ちょっと、なになになに、怖い怖い怖い。

2パックのうち、1パックは確かにカニカマとしての原材料が羅列されている。のだが、もう1パックのほうはただ「かに」と書かれているだけなのだ。


どゆこと?!

額面通りに受け取れば、片方はカニカマだけれどもう片方は本物のカニである、ということだろう。

……。

いやいやいや、だってどちらのパックも同じスーパーで同じ棚に並んでいるのを買ったのだ。値段も同じだった。

どちらか片方がカニだなんて、そんなことないはずだ。


並べてみた

ならべてもどっちもカニカマ

並べてはみたものの、どういうことなのかさっぱり分からない。

触った感覚も両者まったく一緒であるし、そもそも見た目がカニカマだ。確かにカニっぽさはすごい技術だとおもうが、これがカニということはないだろう。

原材料表示のプリントミスかなにかなのだろうか。なにしろ、食べてみよう。話はそれからだ。

食べてみた


のわっ!

なんと、なんと。

カニなのだ。

驚いた。カニである確かにカニなのである。

これ、やっぱりカニなんだ。


こちらはカニカマの方。カニではなく、ちゃんとカニカマの味であった

メーカーに話を聞いた

カニと書かれている方は本当にカニであった。これはどういうことか。メーカーのお客様相談室に電話で話を聞くことができた。

応対してくれた方もこの手の問い合わせになれた様子であった。

というのも、日本で日本国内向けに売り出されるカニカマのうち、なんと50万パックに1パックは本物のカニを入れてあるというのだ。

私のように50万分の1を引き当てた人から電話が来ることも少なくないという。


メーカーや商品問わず、50万パックのうち必ず1パックは、本物のカニ……!

そういうことに、なっているから

理由を聞くと、よりカニらしいカニカマを作るモチベーションの維持のため、業界内で決定された取り決めとしてそういうことになっているという。

50万パックに1パックはカニを入れなければならないということから、その1パックを目立たないようにするために技術が向上されるだろうというわけだ。

ただ、その決定のため逆に現在はカニをよりカニカマらしく見せる技術も進んでしまったそうなのだ。

本末転倒ということもあり、業界では見直しも検討されているということだった。


カニをカニカマっぽくする技術が発達しているとは!

探してみようカニカマっぽいカニ!

お話によると、この取り決めの見直しはかなり本格的に議論されているということだった。

カニカマっぽいカニが見られるのももうあと少しかもしれない。せっかく磨かれたカニのカニカマ化という技術が無駄になるのもおしいが、やっぱりカニはカニとして売られていて欲しいものだ。

この記事はエイプリルフール企画のために作ったうその記事です


 
 

 

 
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