「裏コマンド」ときくとまずゲームを連想するが、それ以外の身近な機械にもけっこう裏コマンドはある。たとえば、間違えて押してしまったエレベーターの階数ボタンを二度押ししたり長押ししたりして、キャンセルする技は有名だ。実は押しボタン信号にも、そういう裏コマンドがあるのだという。
なんとゲームができる
裏コマンドかどうかは別として、機器のおまけ機能としてゲームがつくケースはよくある。携帯電話にはたいてい簡単なゲームがついていたし、Windowsだってマインスイーパーやソリティアがある。かつてはゲーム機能付き電卓なんて商品もあったようだ。
ゲームモードに入るコマンド自体は、残念ながらここでは紹介できない。交通安全を担う街中の信号がゲーム機として濫用されると危険だからだ。筆者は親戚のおじさんが国の極秘交通機関である国家機密交通局の職員をやっているので、この情報を知ることができた。本人の名を明かさないことを条件に、この記事を執筆している。
プレイできるゲームは大変シンプルなものだ。前方から転がってくる障害物(地面に落ちてる点みたいなやつ)を、押しボタンを押してジャンプで避けながら前に進んでいくだけ。上の画面に出ているメーターみたいなのが体力ゲージ。障害物にあたると減っていく。
2つの画面を使用した構成は、Nintendo DSに触発されたものだろう。
このゲームモードが搭載された理由であるが、田舎の車通りの少ない道路に信号を設置することに「税金の無駄遣いではないか」という声が上がったため、「ゲームにも使えるから」と反論するために搭載されたという。このプロジェクトを発足させた職員の子供が親にパソコンをねだる際、「勉強にも使えるから」と説得したのが発想のきっかけとなったという。
なお、正直ゲーム自体はあんまりおもしろくない。
なんと続編も
そしてこのゲーム、あまり面白くないにもかかわらず、なんと最近続編が登場したらしいのだ。
残機数の要素が増えたり無敵アイテムが登場したりと細かい変更もあるが、今回最大のウリはそこではなく、この部分だ。
新しいバージョンのゲームができる信号機は全国でもまだ数台しかない。もちろん筆者はプレイ済みだ。
確かにグラフィックはきれいになっていたが、相変わらず面白くなかった。
ゲームの面白さはスペックで決まらない
美しくなったグラフィック、確かに昨今のゲーム業界の動向にあわせたものだろう。しかし、筆者は思うのだ。絵がきれいになったり、生ボイスが出たり、ムービーが増えたり、けっこうなことだが、はたしてそれでゲームは面白くなるのだろうか。ゲームの面白さというのはそういったスペックの部分には現れない、もっと根源的な部分にあるのではないだろうか。信号機業界の皆様には、ぜひ肝に銘じていただきたい。