特集 2014年7月21日

梅雨明けて一気に猛暑に?~あと出し天気予報~

梅雨前線は北へ離れて、ぞくぞく梅雨明け!
梅雨前線は北へ離れて、ぞくぞく梅雨明け!
1週間の天気予報を振り返って当たったかどうかを検証する週1連載。
勝敗とその理由を振り返ります。はたして今週の成績はどうだったのか。

(本連載は振り返りが中心で、詳しい予報は行っていません。予報が見たいかたはウェザーマップなどの専門サイトをどうぞ)
1977年滋賀生まれ。お天気キャスター。的中率、夢の9割をめざす気象予報士です。 好きな言葉は「予報当たりましたね」。株式会社ウェザーマップ所属。
ツイッターでも気象情報やってます。(動画インタビュー)

前の記事:梅雨明けは間近?注目は台風9号の動き ~あと出し天気予報~

> 個人サイト ウェザーマップ・増田雅昭 ツイッター @MasudaMasaaki

梅雨に最後まで苦しめられました

一週間を振り返る(東京都心周辺) 予報は前日夜にこちらでやってます。
一週間を振り返る(東京都心周辺) 予報は前日夜にこちらでやってます。
うーん、今週からは、予報のハズレを梅雨前線のせいにできなくなるなぁ。
うーん、今週からは、予報のハズレを梅雨前線のせいにできなくなるなぁ。
先週は5勝1敗1分け。
梅雨にしては悪くない成績だが、最後くらい梅雨に勝ちきって終わりたかった。

×だったのは18日(金)。
梅雨の終わりで梅雨前線もしょぼくなってきたし、晴れる時間はけっこうあるだろと考えていた。
が、梅雨前線が意外としっかりしていて、曇りや雨の梅雨空に。

引退間近のおとろえた選手が相手だからと、余裕をかましていたら、ガツンとやられた感じだ。

そんな、さんざん苦しめられた梅雨前線とも、そろそろお別れの時がきた!

ただ、「梅雨時は予報がむずかしいんですよ~」という言いわけが、使えなくなるのはちょっと残念かも。

ぞくぞくと梅雨明けしました

先週は、梅雨明けしそうで、全国的にはしない一週間。
晴れた日も多かった一方で、曇りや雨の日も。

気象予報士の中でも、「梅雨明けした」「いや、まだ」と意見は分かれていた。

きのう・きょう(21日)で、西日本と東海はぞくぞくと梅雨明け。
関東甲信も間近となった。

そう言えば、「今年の梅雨明けは、平年より遅くなる!」という予報が、5月・6月頃に出回っていたが、けっきょくは平年並みの梅雨明け。

今の技術レベルでは、1~2か月前から梅雨明け日を予報するのは、100メートル先に置いた空き缶に、投げたボールを当てるようなもの。

個人的には、そんな当てずっぽう的な予報を答えなくていいように、うまくかわしているが、聞かれたら「何か答えなきゃ」と反応するのが、

予報士のさが。

来年からは、5月・6月に梅雨明けのことを聞かないという皆さまの優しさを、どうぞよろしくお願いいたします。

【今週のみこみ】
今週は、猛暑へ日々前進か?
ぞくぞく梅雨明けした大きな理由は、梅雨前線の位置。

北海道の北まで、一気に押し出された。
ようやく夏の太平洋高気圧が強まって、本州を覆ってきたからだ。

おかげで、真夏の空気がいっそうやってきたうえに、カーッと熱い日差しで、さらに気温は上昇。
晴れる日が続けば、熱が蓄積されて、どんどん暑くなる。

今週なかばには、梅雨明けした地域では、32~33℃前後の暑さが普通になって、内陸では連日の35℃超えということも。

あとは、暑さにブレーキがかかるとすれば、梅雨前線の南下。
23日(水)の雨の予測。今週後半に梅雨前線が南に下がれば、暑さは少し落ち着くが…。 太平洋高気圧VS梅雨前線。
23日(水)の雨の予測。今週後半に梅雨前線が南に下がれば、暑さは少し落ち着くが…。 太平洋高気圧VS梅雨前線。
今週後半には、梅雨前線が梅雨明けした地域にもいったん下がって、少し気温が下がる可能性がある。

それがなければ、猛暑へ日々前進…。

はたして結果は!?
!
今週の格言
『梅雨明けしても梅雨前線が戻ってくることあり。暑さをマシにする、ちょっといいヤツ。』

質問コーナー

冷夏だと、クーラーがいらないくらいなのでしょうか?何℃くらいで冷夏となるのでしょうか?

冷夏でもクーラーはいります。


今年の夏も暑くなりそうですが、もし「冷夏」になっていたとしても、北日本の一部を除き、やっぱりクーラーが必要な暑い日はありますね。

「冷夏」と言っても、あくまで夏(6~8月)の気温の平均。

つまり、平均しているわけですから、全体的に気温が低めの日が多くても、平年を上回る暑い日も現れるわけです。
涼しい日が多い中の暑い日なので、そういう時は余計に暑く感じやすいですね。

ちなみに、「冷夏」かどうかは、過去30年間の夏の気温を小さい順に並べて、小さいほうから10年分の気温と同じくらいなら、「冷夏」と言っています。
なので、それぞれの地域によって、何℃で冷夏かは変わります。

30年生きてきた人が体験した夏のうち、涼しかったベスト10と同じくらいの夏が「冷夏」となるわけですから、それほどレアでもないということになります。

ちなみに、この先一か月は暑くなりそうですが、あくまで“平均して”の話ですから、冷夏っぽい涼しい日が、数日続くこともあるかもしれませんよ。
17日発表の1か月予報(気象庁)。 この先1か月は、暑くなりそうだが、期間限定で冷夏っぽい日もあるかも。
17日発表の1か月予報(気象庁)。 この先1か月は、暑くなりそうだが、期間限定で冷夏っぽい日もあるかも。

詰め天気

先週の問題は、こちらでした。
正解と次の問題は、来週アップします!

追加のヒントは、「前線の位置が近いですよね。」です。


解答はこちらから↓
正解は来週!
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