広告企画♪ 2015年10月15日

競技「シュフ五種」爆誕

シュフ競技5種目で競います
シュフ競技5種目で競います
近代オリンピックの父、クーベルタン男爵はいった。

「オリンピックは、勝つことではなく参加することに意義がある」と。

しかし、なみなみならぬ努力と才能がなければ、オリンピックに参加することはかなわない。

ならば、誰でも気軽に参加できる、そんな新競技を考えればいいのでは? はい、考えました。「シュフ五種」です。
鳥取県出身。東京都中央区在住。フリーライター(自称)。境界や境目がとてもきになる。尊敬する人はバッハ。(動画インタビュー)

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「シュフ五種」略して「シュフ五」

ひとはだれでもシュフになり得る。

「シュフ」というのは、主婦、主夫をひっくるめた言い方で、「家事をするひと」程度の意味に受けとっていただければと思う。

それを踏まえてもう一度いう。ひとはだれでもシュフになり得る。

既婚者はもとより、ひとり暮らしであっても炊事、洗濯、掃除はしなければならない。そんなシュフの仕事をそれぞれ競技化したものが我々の提唱する「シュフ五種」である。

オリンピックの「近代五種」は「射撃」「フェンシング」「水泳」「馬術」「ランニング」の5競技をこなして競うが、シュフ五種目は「掃除機400m走」「ペットボトル遠投」「むいたことないフルーツカット」「チラシフラッシュ記憶」「おばちゃん乗り」の5競技で競う。

5競技の詳細は以下のとおりだ。
掃除機をかけながら、トラック一周400メートルを走り、タイムを競う
掃除機をかけながら、トラック一周400メートルを走り、タイムを競う
空のペットボトルの包装をとって遠くまでぶん投げ、距離を競う
空のペットボトルの包装をとって遠くまでぶん投げ、距離を競う
チラシに書かれた商品の値段を1分で記憶し、多く正答できた者が勝ち
チラシに書かれた商品の値段を1分で記憶し、多く正答できた者が勝ち
むいたことないフルーツをカットし、食べやすくカットできた者が勝ち
むいたことないフルーツをカットし、食べやすくカットできた者が勝ち
おばちゃん乗りがいちばんキレイにできるものが勝ち
おばちゃん乗りがいちばんキレイにできるものが勝ち
誰もがやったことあるシュフの基本的な動き。それを競技化したものである。参加するためのハードルは低い。つまり、どんなひとでも参加できる競技。それが「シュフ五種」である。

以上、偉そうな能書きをたれたが、この記事はチラシ検索アプリ「シュフモ」のコラボ記事である。シュフモ→シュフ五→シュフ五種→近代五種。そう、ダジャレだ。遠回りだけど。

コラボ記事の企画をわかりにくいダジャレで押し切るメンタルの強さをほめて欲しい。
競技場借りきったぞ!
競技場借りきったぞ!

ダジャレの企画に本気のひとがきた

「シュフ五種」を行うにあたって借りた競技場に、こんかいこのシュフ五種に参加する三人が集まった。

デイリーポータルZ編集の古賀さん、石川さん、ニフティの中務(なかつか)さんだ。
左からデイリーポータルZ編集部の古賀さん、石川さん、ニフティの中務さん
左からデイリーポータルZ編集部の古賀さん、石川さん、ニフティの中務さん
古賀さんも石川さんも既婚者なので、もちろんシュフ歴は長い。その点は心配ないだろう、しかし、中務さんはまだ独身の26才。シュフ業にじゃっかんの不安はある。

しかしながら、中務さん、じつは昨年までバスケットボール実業団チームの選手で、15歳以下のバスケットボール日本代表選手に選ばれたこともあるという強者だ。

ダジャレの企画に本物のアスリートがきてしまった。

体力では中務さん有利ではあるものの、デイリー編集部ふたりは主婦業の年の功で勝つことができるのか?

競技場の都合で「掃除機かつぎ400メートル走」に

さて、まず最初の競技「掃除機400メートル走」である。

当初、掃除機を手で押して400メートル走る予定だったのだが、競技場の都合で、担いで走ることになった。
担いで走ることに一抹の不安を感じる選手たち
担いで走ることに一抹の不安を感じる選手たち
小型といっても、さすが家電製品である。持つとずっしりとした重さがある。

これを担いで400メートルである。

まずは第一走者、古賀選手。
位置について……用意
位置について……用意
ドンッ!
ドンッ!
ひー
ひー
スタートした途端、数メートル走っただけでいきなり「ひー」という悲鳴とともに「これきつい!」と音を上げる古賀選手。

最初のコーナーを曲がりきった辺りで、のんきに動画を撮影する石川選手を見つけた古賀選手が、キレ気味に「石川ぁー! これできるかぁ!」と怒号を飛ばしたのが印象的だった。デイリーポータルZ編集部内での序列を垣間見た思いがした。(古賀さんの方が先輩)
怒号を飛ばしながら走る古賀選手
怒号を飛ばしながら走る古賀選手
重さ10キロはある掃除機を抱えての全力疾走である。怒号のひとつやふたつ、飛ばしたくなるのもわかる。
しゃべると余計疲れるとわかったのか、黙々と走る
しゃべると余計疲れるとわかったのか、黙々と走る
ゴール!
ゴール!
終わった……
終わった……
ぐったりした古賀選手、走り終わって開口一番「ハァ、ハァ、と、途中、ど、どんぐり落ちてた……」走っている途中、どんぐりが落ちていたのが気になったらしい。リスか。
確かに落ちてた
確かに落ちてた
途中、どんぐりが気になったものの、古賀選手、タイムは 2分27秒85。

今、調べてみたところ、400メートルのタイムは、高校生の陸上部でめちゃめちゃ早い子で50秒ぐらいらしい。

女性で、しかも掃除機を抱えながらという条件を考えると、このタイムは妥当かもしれない。

続いては石川選手。
用意、ドンッ!
用意、ドンッ!
なんで走ってんだろう
なんで走ってんだろう
さすがに怒号を飛ばしたりはしないものの「うぁ」とか「きつっ」といった、うめき声が漏れ聞こえてくる。
うぁー
うぁー
ゴール!
ゴール!
倒れこんだままピクリとも動かなくなった
倒れこんだままピクリとも動かなくなった
タイムは1分55秒52。

ゴールと同時に芝生に倒れこみ、動かなくなった石川選手。第一声が「キモチ悪い」だった。率直な感想だと思う。その後「記憶が走馬灯のように……」とうわ言のようにつぶやいていた。

これは、中務選手にとっとと走ってもらわなければ、死人が出るかもしれない。
スタート!
スタート!
は、早い!
は、早い!
早い! 中務選手早すぎる。擬音でいうと「キィーン」ってやつである。
よく見たら浮いてる
よく見たら浮いてる
ただ、さすがに掃除機を担ぎながらの全力疾走は大変らしい。腕を振ったりできないぶん、みてて辛そうなのは最初に走ったふたりと変わらない。
ゴール!
ゴール!
中務選手、ゴールした瞬間「これ、クソじゃま!」と絶叫。
クソじゃまだった掃除機
クソじゃまだった掃除機
その気持、よくわかる。

しかし、タイムは1分15秒69。

すごい。掃除機担いでなければ1分切ったかもしれない。
放心状態の選手三人
放心状態の選手三人
結果としては、アスリートであった中務選手の圧倒的勝利となった。これ掃除機要る? みたいな微妙な空気もあったが、掃除機がないとただの400メートル走なのでやはり必要なんです。ほんとすみません。

トラックが傷むので必ず掃除機は浮かせて持ちましょう


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ペットボトル遠投

次の競技は「ペットボトル遠投」空のペットボトルをなるべく遠くまで投げるという簡単な競技である。
これを投げる
これを投げる
投げる前に外装フィルムとキャップをきれいにとって分別してからぶん投げる。シュフたるもの、ゴミの分別精神は忘れてはならないのだ。

まずは中務選手の遠投。
これを
これを
こうっ!
こうっ!
これ
これ
中務選手の飛距離10メートル72センチ。

この記録、すごいのかすごくないのか……。とにかくあとの二人も投げてみないことにはわからない。

続いて古賀選手の遠投。
うぉー
うぉー
りゃー
りゃー
ヴォー!
ヴォー!
ペットボトルを投げるポーズだけはすごい。ラオコーン像みたいな綺麗なフォーム、投げ終わった後の咆哮。これが採点競技なら満点だった。
かっこいい遠投をGIFでごらんください
かっこいい遠投をGIFでごらんください
しかし、飛距離は8メートル36センチ。中務選手に2メートル以上届かず。

そして石川選手。
せーの
せーの
そーれ
そーれ
石川選手、ふわっと投げたものの、それなりに飛んでいるようにみえた。飛距離は8メートル9センチと今ひとつ伸びがなかったが、記録は古賀選手とそんなに違わなかった。

したがって、ペットボトル遠投は中務選手の勝利となった。

しかし、これ以降、アスリートとしての体力よりももっと繊細なシュフ力が試される競技がはじまる。

こんな意味のわからない競技でもきっちり数字出してくるアスリート、すごい


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チラシフラッシュ記憶

続いての競技は「チラシフラッシュ記憶」。

はっきり言って体力や運動神経が関係ない競技である。しかし、今後チェスがオリンピック競技になる可能性があることを考えれば、不自然な話ではない。

50メートル先にあるチラシの一面を1分間凝視し、出題者の出題する商品の値段を答え、最初に三問正解した方人が勝ち。というルールだ。
スタート!
スタート!
頭を寄せあいチラシを凝視する三選手
頭を寄せあいチラシを凝視する三選手
スマホやIT技術の発達で「ものごとを記憶する」ということをふだんあまりしなくなってきた現在、チラシを見ただけで値段を覚えるというのはかなり難しい。

映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー3』で、西部劇の時代にタイムスリップした主人公が酒場の荒くれ者に「未来ではひとはほとんど歩かなくなって、レジャーで走る」といってバカにされるシーンがある。

現実はさらに進んでおり、ひとはものごとをほとんど覚えなくなっており、レジャーでものを覚える世の中がもうすぐ来るだろう。

この「チラシフラッシュ記憶」は、そんな未来を先取りした競技と言える。
そういえばテスト前に耳ふさいで目をつぶってる子いたな
そういえばテスト前に耳ふさいで目をつぶってる子いたな
と、屁理屈こねているうちに、時間がきた。
使用したチラシはこちら。値段の部分を答えれば正解とした
使用したチラシはこちら。値段の部分を答えれば正解とした
第一問目はわりと目につく場所のわかりやすいものを……。

――「サン津軽りんご1コの値段は?」
ハイッ!
ハイッ!
古賀選手「98円!」

――「ブッブー、78円です!」
りんご78円!
りんご78円!
こんな感じで3問ほど出題するものの、なかなかあたらない。大丈夫かこの競技……となったところできた。

――「生姜1パックの値段は?」

古賀選手「ハイッ! 68円!」

――「正解!」
で、でたー正解!
で、でたー正解!
正解がやっと出た。素晴らしい、人間の脳。

このまま不正解が続くとどうなることかと気をもんだが、引き続き出題を続け、以下のとおりの結果になった。
!
古賀選手が3ポイントを先取。よってこの競技は古賀選手の勝利となった。

暗記競技とはいえ店頭価格なので、だいたいの相場を知っていると当てやすい。やはり、普段スーパーで生鮮食料品を購入する機会がすくない中務選手はその点で不利だったかもしれない。この競技はシュフ力の力の差がでる形となった。

ここで、総合ポイントを確認しておこう。(各競技、1位3点、2位2点、3位1点で計算)
中務選手7ポイント(掃除機400メートル走、ペットボトル遠投)
古賀選手6ポイント(チラシフラッシュ記憶)
石川選手5ポイント
残り2競技、むいたことないフルーツカット、おばちゃん乗りで古賀選手、石川選手がどこまで巻き返せるのか。

体力と運動神経の良さでトップを走る中務選手に、年の功のシュフ力でデイリーポータルZ編集部チームがどこまでに肉薄できるのか?

なんだか、すごくわざとらしい盛り上げ方になってきたけれど、続きは次のページです。

はたしてこれはスポーツなのか


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むいたことないフルーツカット

この競技は、むきかたやカットの仕方がよくわからないフルーツを、制限時間内にカットして、食べやすく美味しそうに盛りつけた人が勝ち。という競技である。今までの競技と違い、審査員の採点競技となる。
トラック上に準備された「むいたことのないフルーツ」をみてビビる選手
トラック上に準備された「むいたことのないフルーツ」をみてビビる選手
今回準備されたフルーツはイチジクとスターフルーツ。

どうやってカットしていいかよくわからないフルーツとしてはうってつけのスターフルーツだが、イチジクもいざカットしろといわれると戸惑う。
スターフルーツってどうやってカットすればいいのか謎
スターフルーツってどうやってカットすればいいのか謎
5分でフルーツをどんなふうにカットするのか
5分でフルーツをどんなふうにカットするのか
判定するぼくは誰がどれをカットしたのかはわからないように持ってきてもらった
判定するぼくは誰がどれをカットしたのかはわからないように持ってきてもらった
!
!
!
フルーツのカットひとつとっても、これだけの違いが出るのだ。

見た目の派手さにこだわったA、地味ながらも食べやすそうなB、よくわからないまま切った感がつよいC。
うーん、どれも味は同じだな
うーん、どれも味は同じだな
第一印象ではAの切り方の華やかさに目を奪われたが、イチジクが小さく切りすぎてあり、ちょっと食べづらい。イチジクの淡い甘みは、できれば大きいサイズで味わいたい。

スターフルーツは、星形を保持する形で切るよりも、スティック状に切り分けたほうが食べやすいしおいしい。

Cは、スターフルーツがサイコロ状になっているけれど、シャクシャクした歯ざわりをたのしみたいので、これは大きめに切ってある方がいい。

その点、Bはイチジクもスターフルーツも適度な大きさで切ってあり、満足感が大きい。

以上からB=8点、A=6点、C=3点(10点満点中)の順で採点した。

カットしたのは、それぞれB=古賀選手、A=石川選手、C=中務選手であった。

中務選手、やはり独身のハンデが響いたのか、失速。古賀選手が持ち前のシュフ力でもって追い上げる。石川選手はマイペース。

そして最後の競技、おばちゃん乗りに移ります。

おばちゃん乗り

「おばちゃん乗り」というのは、おばちゃんが自転車乗る時によくやる乗り方で、片足でケンケンしながら助走をつけてヒョイッと乗る乗り方だ。

この乗り方が一番美しかった人が勝利である。

事前に話を聞いたところ、ぼくをふくめて、男性はおばちゃん乗りを一度もしたことがなかった。逆に古賀選手はいつもそうやって乗っているらしい。

これは女性有利だ。

まずは石川選手。
おばちゃん乗りだと逆に戸惑ってしまう
おばちゃん乗りだと逆に戸惑ってしまう
男性は、ふつう自転車を止めた状態でまたがってから勢いをつけてこぎだすことが多いと思うけれど、片足でペダルを踏んでケンケンするそのやり方がいきなり難しい。

バランスをどうやって取ればいいのか、まごついたうえ、挙句の果てに転倒。
あー
あー
ちなみにこの自転車、石川選手の私物なのだが、ふだん普通に乗る分には問題なく乗れるのに、おばちゃん乗りをしようとすると、とたんにこの体たらくぶり。

残念ながら、石川選手、この競技1点とさせていただきたい。

続いては、いつもおばちゃん乗りで自転車に乗っている古賀選手。
スムーズ!
スムーズ!
すぃ~
すぃ~
なんの問題もなく、すぃ~と、おばちゃん乗りで行ってしまった。フォームも完璧なおばちゃん乗りで、本物のおばちゃんっぽかった。

これはかなり高得点。9点でいいでしょう。
せっかくなのでGIFで見ていただきたい。おばちゃん乗り9点の演技がこれだ。
!
動きにむだがなく、スムーズ。理想のおばちゃん乗りといえる。

つづく中務選手。9点を越えるにはこれ以上美しいフォームでおばちゃん乗りをしなければならない。
うーん
うーん
まごつく右足
まごつく右足
さすがにアスリート、初めて乗る乗り方でもなんとか自転車をこいだ。しかし、じゃっかん足のもたつきがあったのは否めない。

これは6点。6点とさせていただきたい。

というわけでで、おばちゃん乗りは、石川選手1点、古賀選手9点、中務選手6点で、古賀選手の勝利、そして、総合優勝は……合計12点を獲得した古賀選手に決まった。
優勝は古賀選手に決まりました!
優勝は古賀選手に決まりました!

シュフ力がポイントの「シュフ五種」

というわけで、我々が考案した「シュフ五種」。

優勝はシュフ歴8年の古賀さんが優勝ということになった。

古賀さんは、学生時代、運動はまったくしておらず、女子バレー部のマネージャーをやっていたときは、スコアをつけることができないので気合を入れる掛かりだったらしい。

このように、体力や運動能力だけでなく、ふだんどれほどシュフ業をこなしているかも重要なポイントとなるため、この「シュフ五種」は運動が苦手なひとたちもこぞって参加できる間口の広い競技なのである。

2020年は無理でも、2024年ぐらいからなんとかならんもんかね。オリンピック。

オリンピック入りを狙うより、勝手にシュフリンピックを開催した方がはやそう


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