特集 2014年10月27日

リステリンにアレを入れるとヒリヒリしなくなる

沈殿しているこの粉末が、液体ハミガキを変える
沈殿しているこの粉末が、液体ハミガキを変える
みなさん、液体ハミガキ使っていますか?僕は使っていません。なぜなら、痛いから!

しかし、このたび、そんな液体ハミガキの痛みを打ち消す方法を発見しました。この場を借りて、ご報告いたします。
インターネットユーザー。電子工作でオリジナルの処刑器具を作ったり、辺境の国の変わった音楽を集めたりしています。「技術力の低い人限定ロボコン(通称:ヘボコン)」主催者。1980年岐阜県生まれ。
『雑に作る ―電子工作で好きなものを作る近道集』(共著)がオライリーから出ました!

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出会い、そして決別

以前歯医者で虫歯をたくさん治療した時に、「もう二度とこんな悲劇は繰り返すまい」と思って帰りにリステリンを買った。薬局には何種類かのラインナップがあって、直感で「なんか効きそうだな」と思ったのを買って帰った。

よし、今日からデンタルヘルス生活だ。そう思って家に帰って、早速うがいしてみる。

……思わず2秒で吐き出した。

口の中いっぱいにアカクラゲの触手をほおばったような。あるいは口の中全体が一つの巨大な口内炎になったうえでアツアツの味噌汁を飲んだような!

液体を吐き出した後も口の中のヒリヒリは続き、以来、もう二度と黄色いそのボトルを手に取ることはなかった。
あの経験を経た今、この色がひどく毒々しく見える
あの経験を経た今、この色がひどく毒々しく見える
こうして、たった1回のうがいを最後に、僕の液体ハミガキ生活は、終わった。2年ほど前の話だ。
あとでパッケージをよく見たら「上級者向け」って書いてあった。
あとでパッケージをよく見たら「上級者向け」って書いてあった。

しかし俺は変わった

それも昔のことである。今の僕は、そんな上級者向けリステリンを余裕の表情で口に含むことができる。なぜなら、あの痛みを無効化する方法を編み出したからだ。
まず、リステリンをキャップに注ぎます(ここでは見えやすいように透明のグラスを使用)
まず、リステリンをキャップに注ぎます(ここでは見えやすいように透明のグラスを使用)
注がれたリステリン
注がれたリステリン
そこに、ある粉末を投入します
そこに、ある粉末を投入します
軽くかき混ぜて…
軽くかき混ぜて…
グッと一気に
グッと一気に
痛くない!
痛くない!
あとは普通にうがいをして、吐き出すだけだ。
この方法なら、あれだけ痛かったリステリンが、完全に平常心で楽しめる。

こんなすごい知恵を独り占めする手はない。編集部&ライターのメンバーにも試してもらおう。
通常のリステリンを口に入れた人(1)
通常のリステリンを口に入れた人(1)
砂糖入りのリステリンを口に入れた人(1)
砂糖入りのリステリンを口に入れた人(1)
通常のリステリンを口に入れた人(2)
通常のリステリンを口に入れた人(2)
砂糖入りのリステリンを口に入れた人(2)
砂糖入りのリステリンを口に入れた人(2)
通常のリステリンを口に入れた人(3)
通常のリステリンを口に入れた人(3)
砂糖入りのリステリンを口に入れた人(3)
砂糖入りのリステリンを口に入れた人(3)
試してくれたのは当サイトのライター地主さん、編集部より安藤さん、藤原さん。
ちょっと表情がよく読めない人も混じっているが、おおむね砂糖入りの方が穏やかな表情なのではないだろうか!

ちなみに砂糖が無効化してくれるのは痛みだけで、味は変わらない。むしろその陰に隠れていた独特のハーブっぽいというか、薬っぽい味が立ち上がってくる。そして、なぜか甘味は感じない。
そんな味が逆に辛いという人もいた。

粉末の正体

さて。

ついついもったいぶってしまったが、写真の様子からなんとなくわかったではと思う。その粉末とは、砂糖である。
理由はわからないが、砂糖を入れるとリステリンは痛くないのだ。
混ぜずに沈殿したままいってもOK!
混ぜずに沈殿したままいってもOK!
スティックシュガー以外に角砂糖もOK。生成された白砂糖でも、ブラウンシュガーでもOK。組合せの自由度が高いことから、砂糖とリステリンの相性の強さがうかがえる。

ただこの方法、ひとつだけ注意しなければいけない点がある。
砂糖のせいで虫歯/歯周病予防の効果が台無しになる点である。つまり砂糖を入れた時点で、リステリンを使う意味がないのだ。

歯の健康という目的を見失い、「リステリンを口に含む」という手段を目的化してしまう、禁断のライフハックであるといえよう。
立て続けに何杯でもいけるがすべて無意味
立て続けに何杯でもいけるがすべて無意味
というか、そもそも僕がこれを発見したのは、他サイトの原稿で「ハミガキに砂糖入れちゃったりして!」とふざけてやったのが発端である。生まれた時点で役に立たないことは約束されていた、そんな不遇のライフハックなのだ。

おまけ:何とかして役立てられないか

ここから先は余談です。

ただ、おもしろい大発見ではあると思うのだ。このまま不遇のうちにうちに終わらせるのはもったいない。

単体では無意味でもせめて次の結果につながれば…ということで、応用編を考えてみることにした。砂糖が刺激を抑えてくれるのであれば、他の刺激物に対しても有効なのではないか。
3つの刺激物でテストしてみます
3つの刺激物でテストしてみます
わさび
練りワサビに練りこんでみる
練りワサビに練りこんでみる
さきほどテストしてくれた3人のうち、編集部の安藤さんは生わさびに砂糖を混ぜて酒のツマミにすることがあるという。
「俺やってるから!これ!」と強く主張
「俺やってるから!これ!」と強く主張
ジャリっとした質感になった
ジャリっとした質感になった
舐め比べてみると、リステリンのときとはちょっと様子が違う。
リステリンは味を変えずに刺激だけがマイルドになったが、こちらは鼻に来る刺激はそのまま、味のほうが変わった気がする。
そしてけっこう悪くない
そしてけっこう悪くない
食べ比べてみると、いままであんまり意識していなかったけど、練りわさびに苦味や雑味のようなものがあって、砂糖を入れるとその角が取れて丸くなった感じ。
率直に言うと、おいしい。チューブでない生わさびならなおさらなのだろう。ついつい食べ進めてしまうが……
しかし油断して大量になめると、鼻に来る刺激はそのまま
しかし油断して大量になめると、鼻に来る刺激はそのまま
コショウ
シナモンシュガーみたいな見た目
シナモンシュガーみたいな見た目
こちらは見た目からしてお菓子作りに向いていそうな感じだ。
生姜を使ったジンジャークッキーなんていうのもあるが、コショウも全然アリなのではないか。(と思って検索してみたら普通にあるっぽい)
あり
あり
ただし、調子に乗って舐めると辛いことに変わりはない。
「クッキーにかかっていてほしい」と言い出した安藤さんはすごい渋い顔でしたがほめ言葉です
「クッキーにかかっていてほしい」と言い出した安藤さんはすごい渋い顔でしたがほめ言葉です
一味
どう見ても辛そう
どう見ても辛そう
「無理無理」「これ絶対ダメでしょう」と誰もが試食への不安を漏らしたこのブレンド。
「せんべいに合いそう」
「せんべいに合いそう」
こちらは思惑どおり、一味の辛さを砂糖がやわらげてくれた。
コショウはクッキーに向いてそうだったが、こちらはどちらかというとせんべい。
和モノの味であった。
すぐ調子に乗って大量になめる地主さん
すぐ調子に乗って大量になめる地主さん
砂糖と混ざってるうちはいいのだが、口の中の滞在時間が長くなると砂糖は溶けて一味だけになってしまう。
その先には地獄が待っているので、早急に飲み込むことをおすすめする。

なんか可能性は感じる

砂糖と刺激物をまぜる。要は「甘いものと辛い物を混ぜると辛くなくなるのでは」という実験だ。

こう単純化してみるとバカみたいな話で、「そんなわけねえだろ」と思うのだが、実際に混ぜてみると、プラマイゼロでは済まない複雑な味わいになった。現時点で、新発見!というテンションではないが、なんとなく可能性は感じる…という期待感はである。

これをうまく活用してお菓子に…というところまでは僕の手には余るので今回はやりませんが、しかし無駄知識「リステリンに砂糖を入れるとヒリヒリしない」が新たな知識の踏み台として役に立ったということで、個人的には満足しております。

とはいえまずはリステリン。家に買い置きがある方は、ぜひお試しください。
砂糖なしリステリンを口に含んだ瞬間、「ちょっとごめん」って言って離席する安藤さん
砂糖なしリステリンを口に含んだ瞬間、「ちょっとごめん」って言って離席する安藤さん
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