特集 2015年5月16日

みんな笑顔だ 靴の神輿でワッショイショイ

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モツの煮込みとビールがあれば幸せ、 はじめまして墨田区在住ケシと申します。日常で見かけた人間模様を中心に下町から発信します。

今回はお隣の台東区で開催された、めずらしい靴の神輿が登場する「こんこん靴市」というかわいらしい名前のお祭りをご紹介します。
広島生まれ。墨田区在住。ぽつぽつと絵を描いています。アイコンはおじさんですが女性です。


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「こんこん靴市」は台東区清川の玉姫稲荷神社にて4月25、26日の2日間開催され、私は初日に行ってきました。場所は台東区浅草と荒川区南千住の間です。最寄り駅は南千住駅でしたが、なんとなく浅草駅から歩いて向かいました。
浅草でポスターを発見。
浅草でポスターを発見。
思った以上に時間がかかり、30分くらい歩いてやっと神社付近にたどりつきました。すると路上でお酒を飲んでいるおじさん達が目に入ってきました。
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この辺りは日雇い労働者の人々が集まるかつては山谷地区とよばれた場所であり、彼らが寝泊まりをしている1泊2千円前後の簡易宿泊所がいたるところにあります。近年はそれら簡易宿泊所を宿として利用するために多くの外国人が訪れている場所でもあります。
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そんなおじさん達の間をくぐり抜け、祭囃子が聞こえる方向へ歩いて行くと玉姫稲荷神社に到着しました。
開始時刻の9時ちょうどでしたが既に大勢の人で賑わっていました。
開始時刻の9時ちょうどでしたが既に大勢の人で賑わっていました。
私は靴神輿が目当てでしたが、このお祭りの目玉は靴やバッグなどの革製品の大安売りなのです。台東区は皮革産業が盛んで、なかでも革靴の生産量が全国1位といわれています。すごい!
驚愕の割引率!
驚愕の割引率!
女性もののサンダル500円!
女性もののサンダル500円!
付いてる値札の半額!
付いてる値札の半額!
玉姫稲荷神社は氏子に靴の業者が多く、日本唯一の「くつの神社」とも呼ばれており(ポスターより)このお祭り自体は靴への感謝と産業の発展を目的に開催されているそうです。

近くにいた親しみやすそうなおばあちゃんに話しかけてみました。
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おばあさん二人にしか聞いてませんが、とても人気のあるお祭りだということが伝わってきます。

商品の販売ブースはどこも大盛況で、売り子のおじさんも元気いっぱいです。
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神輿の時間が14時過ぎだと教えてもらったので、しばらく買い物を楽しむことに。ベルトと財布と小物数点の購入で合計5千円くらいでした。安い。少し疲れてきたので座る場所を探していると……。
靴の山が!!!
靴の山が!!!
積まれていた靴は履き古した感がありました。なんだろうとスタッフのおじさんに聞いてみると、古靴の供養でお焚きあげをするとのこと。誰が持ってきても良いそうで、話している間も古靴を持った人が続々とやってきました。

これぞ靴への感謝のあらわれだなあと感心して眺めていたのですが、お腹も減ってきたので腹ごしらえもかねて神社周辺を散策することに。
すぐにモツ煮に出逢う。普通の民家っぽいところで売られていましたが絶品でした。
すぐにモツ煮に出逢う。普通の民家っぽいところで売られていましたが絶品でした。
神社から少し離れた場所でもお店が出ていました。後ろには簡易宿泊所が見えます。
神社から少し離れた場所でもお店が出ていました。後ろには簡易宿泊所が見えます。
こちらの普通っぽい民家でも靴が売られていました。
こちらの普通っぽい民家でも靴が売られていました。
関西弁のおじさんのフリーマーケット。「これなあ今もうぜえったい手に入らへんで!!」と奥にあるキユーピーちゃんとゴジラを売りつけられそうに。
関西弁のおじさんのフリーマーケット。「これなあ今もうぜえったい手に入らへんで!!」と奥にあるキユーピーちゃんとゴジラを売りつけられそうに。
また別のフリーマーケット。10円かごの中には官能小説と陰謀本が並んでました。
また別のフリーマーケット。10円かごの中には官能小説と陰謀本が並んでました。
独特の空気感を味わいながら、神輿の時間が近づいたので神社に戻ることにしました。
神社に戻ると全体的に商品が品薄になっていました。気になっていたブーツがあったのですが既に完売してました。
ワゴンセールもすっからかんです。
ワゴンセールもすっからかんです。
ハッピ姿の人々がぞろぞろと移動していたのでついて行くと、その中の一人のおじさんが何か叫びました。
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近くにいた別のハッピ姿のおじさんに聞いてみると、なんと神輿は希望すれば誰でもかつげるとのこと!
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残念ながら今回はかつぐのをあきらめて、カメラを構えて神輿の出陣を待ちました。
行くよー!
行くよー!
大きな靴が!
大きな靴が!
 地球の上に靴が!
地球の上に靴が!
男神輿の「日本最大の靴神輿」の登場です。地元靴業界の元気を日本はもとより世界に発信したいという思いと、靴への誇りが込められてこのような形になったようです。
ワッショイワッショイ!
ワッショイワッショイ!
続いてさらに派手な神輿がやってきて…。※おじいさんが映りすぎていたので隠しました。
続いてさらに派手な神輿がやってきて…。※おじいさんが映りすぎていたので隠しました。
王冠の中にパンプスが!
王冠の中にパンプスが!
こちらは女神輿の「世界最大のシンデレラ神輿」です。世界最大! 男神輿よりスケールが大きいです。おそらく靴の神輿があるのはここだけだと思われますが…。皆様に幸運と幸福を発信するそうです。
ワッショイワッショイ!
ワッショイワッショイ!
よく見る下町の神輿は、のんきに近寄ったら怒鳴られそうな鬼気迫るものを感じるのですが、靴神輿はなごやかムードで進んでいきます。
フ~少ししか進んでないけれど休憩しましょう。
フ~少ししか進んでないけれど休憩しましょう。
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皆さんのテンションもあがり、神社の周りを半周したところで神輿は終盤へ。
境内に戻ります。
境内に戻ります。
神輿終了後、宮司さんによる靴供養が始まりました。靴山を一気に燃やすのかと思っていましたが、宮司さんの後ろに囲炉裏のようなものがあり、その中で数足お焚きあげされていました。
ここで一気に燃やしたら危ないですもんね。
ここで一気に燃やしたら危ないですもんね。
最後に抽選券を貰ったのを思い出し、くじ引き所に向かいました。結果ははずれのポケットティッシュでした。でも充分楽しめたので大満足です。
うしろにこっそり白木葉子さんが。この辺りは「あしたのジョー」のふるさとでもあります。
うしろにこっそり白木葉子さんが。この辺りは「あしたのジョー」のふるさとでもあります。
日も暮れてきてお祭りの終了時刻になったので「さあ帰ろう」と神社を出ると、朝寝ていたおじさんが起きて談笑していました。
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年内にもう一度会える

良い品買えてニコニコ、神輿かついでニコニコ。とても楽しかった「こんこん靴市」ですが、今年の秋に「靴のめぐみ祭り市」という名前でまたまた開催されるそうです。興味がある方はぜひ行ってみてください。
今後は履けなくなった靴は捨てずに供養しに行こうと思います。
今後は履けなくなった靴は捨てずに供養しに行こうと思います。
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