六本木ヒルズの展望台は海抜250mである。
しかし東京は西のほう、多摩に行くほど標高が高い。東京でいちばん高い山は2017mもある(雲取山)。立川ですでに海抜85mである。
電車で西に向かったら250mぐらいあっというまに抜いてしまうのではないだろうか。横移動しているつもりがいつのまにか六本木ヒルズ展望台(と同じ高さ)に!
標高トリックだ。(林 雄司)
青梅にやってきた
新宿から約1時間。青梅にやってきた。もうこの時点で海抜200mである。東京タワーの一般展望台が150mなのでJRだけで東京タワーを軽く抜いているのだ。
東京の高いところと言ったら東京タワー。そんな観光の常識を揺るがしかねない事実である。ひるまずに駅の裏側の山を登ってみたい。
目指すは六本木ヒルズ展望台 シティビュー(と同じ高さ)である。山と言っても道は舗装してあるからただの坂だ。らくちん。
知ってました
おや?なんて書いてみたが、これを知っていて青梅に来たのだ。鉄道公園。わざとらしく書いてすいません。
ここには古い鉄道車両が展示してあり、新幹線もある。標高地図によるとここがちょうど六本木ヒルズと同じぐらいの高さなのだ。
六本木ヒルズと同じ高さに新幹線!
なんだかわからないけど興奮する。関係ない点と点を強引につなげる快感。
鉄道公園は斜面にあり、新幹線はやや低くなったところの広場にあったのだ。入り口では233mだったが、225mまで下がってしまった。
あらー。しかし現場に来ないと分からない事実がわかってよかった。自分をそう納得させる。
六本木ヒルズに当てはめるとこれぐらいである。
予想外の標高に落胆する僕の横でカップルが新幹線の床下の機械類について語っていた。展示のために撤去されているらしく、「これじゃ走れないよ」と落胆の様子だった。
このほか、鉄道公園は
たいへん面白かった。ここは経営がいま話題の鉄道博物館と同じ財団なのだ。大宮の博物館も楽しそうだけどここもおすすめですよ。なにしろ大宮より標高が高い。
250mをめざして登る
新幹線をオチにするのは諦めてハイキングコースをすこし登ることにした。海抜250mまであがろう。
僕の前にはギンナンを拾っている夫婦。六本木ヒルズ(と同じ高さ)も場所が場所ならギンナンが採れるのだ。
ちょうど250m付近で広場のようなところに出た。ここが六本木ヒルズ展望台 シティビューである。
冗談のつもりで登ってみたものの、予想外に気持ちのいいところでびっくりしている。台風一過の運動会みたいな青空のもと、山登りってたのしいですね。
実際の写真に変わるとタヌキにばかされてる人みたいに見えるのはどうしてだろう。
安くなかった
六本木ヒルズの展望台より山のほうが安い!なんてことはなく、往復の交通費で同じぐらいになった。場所によっては交通費のほうがやや高いだろう。でも山のほうがすいてるし、気持ちいい。
あと、なんといっても帰ってきてから高さをあわせた写真を作るのが楽しい。秋の行楽のあとはちまちま写真加工だ。
長野新幹線はもっと高いところを走ってるので、雲につくぐらいの合成写真を作れますよ。