卒業したら弱くなる
まず、なぜ卒業したらいけないのか。
卒業したら弱くなるからである。
例えば中学三年生は基本的に中学内最強の存在、いわば『中学生Lv.3』である。
上級生のしごきに耐え、教師というモンスターを倒して経験を積み、ようやく3年かけて到達したレベル3だ。
君はその最高レベルをあっさり捨てて『高校生Lv.1』というよわよわな存在になろうというのか。
えへへ。中学生Lv.3を卒業して高校生Lv.1になります。
RPG的な話をすれば「クラスチェンジをしてより高位職業になるからOK」というかもしれない。
しかし、また高校で3年間かけてレベルを積み重ねていく苦労は免れないだろう。
そんなの、面倒くさいじゃないか。部活でいばれないぞ。
残念ながら日本の法律で中学生Lv.4は基本的に認められていない。
そこで考えた。
中学生Lv.3を超えた、最強の卒業生。『超卒業生』になればいいんじゃないか。
見よ、中三なのに中二病的な勇姿。これが『超卒業生』だ。
どうだろう。とても強そうではないか。
装備は『強いがくらん』『卒業証書のつるぎ』『寄せ書きのたて』など、卒業生が装備しうる最強のものを揃えてみた。
卒業証書の筒から抜くとシャキーン!と伸びるつるぎ。強い。
強い。これは100パー強いやつだ。そこらの社会人程度なら、目をそらせてどこかへ逃げていくだろう。いろんな意味で。
最強のつるぎの作り方
装備の一つである卒業証書のつるぎ、作り方は簡単である。
まず卒業証書と筒を用意する。このとき、卒業証書はある程度枚数が必要となるので、本物をコピーするかなにかして複数枚を使おう。
今回はとりあえず自分で証書を作った。偽造だが強さに差はない。
証書用紙や筒は文房具店で簡単に入手できる。モンハンの素材集めを思えば簡単すぎるクエストだろう。モンハンやったこと無いけど、たぶん。
この卒業証書を両面テープで留めて、長い帯状の卒業証書を作る。ねじり方向にわりと負荷がかかるので、強力な両面を使うと良い。
端っこは両面テープで留めるだけ。簡単。
A4サイズの証書なら3枚ぐらい。ここが長すぎると、あとで伸ばす時に伸びにくいので、ほどほどで良い。
次に、残っている卒業書を半分にカット。
卒業証書を切るのは、偽造でも不思議な罪悪。
カットした卒業証書を先ほどと同じように両面で留めて、長い帯を作る。
ここで卒業証書を5枚カットして全部つなげた。
テープのり型の両面テープを使うと作業が早い。
一枚ままの卒業証書の帯と半分カット卒業証書の帯も両面で接着。
最後に、一枚ままの端っこに巻くための芯として長めの棒を貼り付ける。
ちょうどいい棒が無かったので、菜箸を使った。どうせほぼ見えないからなんでも平気。
あとは、芯の棒からくるくるくるくると巻いてロール状にしたら、卒業証書の筒にスポッと挿し込んで固定すれば完成である。
卒業書のつるぎ、完成。最強の武器だ。
工作時間は30分ほど。こんなに簡単に最強装備が手に入っていいのかという速度で完成である。
その他の、卒業生最強装備
さらに、今回は他にも最強装備を手作りしてみた。
要するに卒業制作的なものであるが、卒業するつもりはない。
クラスのみんなからの寄せ書き色紙も。
この通り、ぱたんと開けば盾に早変わりする。
『寄せ書きのたて』は、色紙を2枚テープでつないだだけ。
しかし、「クラスのみんなの思いを集めた盾」である。これもRPG的に言えば間違いなく強い要素のやつである。
おーい女子ー、第二ボタンはここだぞー。
『強いがくらん』は、銀色に塗った発泡スチロールコーンを貼り付け、卒業生の強さを表してみた。
さらに、学生服の魂とも言える第二ボタンの周りにLED電飾を施し、「自分の弱点はここである」というアピール。
超卒業生である僕の魂を奪いに女子が群がってくるかもしれないが、それをばったばったと切り払ってこその最強ではないか。
どうだろう。ここまで強そうな姿を見て憧れない者がいるだろうか。
今年すでに考えなしに卒業してしまった方々は可哀想だが、春から新中学生Lv.3になる諸君はぜひ、来年度の超卒業生進化を念頭に一年を過ごして欲しい。
ここまで書いて冷静に考えてみたけど、あれだ。超卒業生って、夏休みとかにふらっと部活に顔を出して「おまえら、たるんでるぞ」とか言ってくるOBの先輩だ。
あれは在学生にとって非常にうっとうしいので、超卒業生はできるだけ古巣に顔を出さない方がいいかもしれない。
最強とは、孤独な存在なのだ。