特集 2015年8月26日

もろこしヘッドを再現したい

ほぼ出オチのもろこしヘッド。
ほぼ出オチのもろこしヘッド。
皆さんは『もろこしヘッド』をご存でしょうか。ウナコーワのかゆみ止めの外皮用薬で、先端がブラシ状になっているので薬を塗布する際に絶妙な掻き心地を与えてくれるのです。

私は力の下限が出来ずにかゆいところは血が吹き出るまで掻きむしってしまうので、もろこしヘッドの優しい掻き心地に何度も助けられました。

そんなもろこしヘッド、知らない間に「製造中止」になったらしいのです。
1980年北海道生まれ。
気が付くと甘いものばかり食べている偏った食生活を送っています。


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ほどよい掻き心地を求めて

もろこしヘッドが無いとなると大変です。自力で掻く場合血が吹き出るまで搔いてしまうため、腕や足が血だらけになってしまいます。

血まみれになる前にあの絶妙な掻き心地を再現することにしました。
1.絵筆(馬毛)
よくある絵筆。
よくある絵筆。
掻いてみます。
掻いてみます。
毛自体は硬さがあって粗い感じなのですが、筆としての毛量がちょうどよいのか、腕の上で動かしても硬い感じはほぼありません。むしろ軽く柔らかいくらいの印象で、毛先が不ぞろいなところも手伝ってくすぐったいです。
毛の硬さ:☆☆☆☆
気持ちよさ:☆☆
価格:☆☆
2.デザイン筆(ネオセブロン)
続いてデザイン筆。
続いてデザイン筆。
幅広の筆でチャレンジ。
幅広の筆でチャレンジ。
馬毛よりも滑らかですが、素材に弾力があって若干硬さを感じます。
馬毛の絵筆よりは掻いてる感じがします。
毛の硬さ:☆☆☆☆☆
気持ちよさ:☆☆☆
価格:☆☆
3.写経用筆(馬毛、イタチ毛)
写経用の細い筆。
写経用の細い筆。
写経もせずにこんなことを。
写経もせずにこんなことを。
毛の違いというよりは、筆の種類の違いのため、硬さがあります。
買ったままの状態だと痛いですが、少しほぐすとベースの硬さと毛先の柔らかさが絶妙で、くすぐったさの中に少しの気持ちよさが出てきます。
毛の硬さ:☆☆☆
気持ちよさ:☆☆☆
価格:☆☆☆☆
4.大筆(馬毛、鹿毛)
けっこうちゃんとした筆。
けっこうちゃんとした筆。
書道でも始めようかな。
書道でも始めようかな。
写経用より太い分、一度に触れる面積が増えて気持ち良さもアップ。太さの違いか毛の違いか、柔らかめになっているので、その影響もありそうです。
筆を使ってこなれていったらまた変わってくるのでしょうが、今のところ使う予定はありません。
毛の硬さ:☆☆
気持ちよさ:☆☆☆★(写経筆よりちょっと上)
価格:☆☆☆☆☆
5.モール
スタンダードなモール。
スタンダードなモール。
明らかに間違った使い方。
明らかに間違った使い方。
意外と気持ちいいんじゃないかと思ってモールを用意しましたが、もろこしヘッドとは方向性が若干違いますが、確かに気持ちよかったです。
かゆいところを掻くのではなく、ふわふわした柔らかさを楽しむのに向いています。
硬さ:☆
気持ちよさ:☆☆☆☆
価格:☆
ふわふわした部分は敢えて切り捨て、ワイヤーの硬さを生かして筆っぽくまとめたら掻くのに気持ちよくなるのではないかと思い、試してみましたが。
筆っぽいというか、ほうきっぽい。
筆っぽいというか、ほうきっぽい。
ワイヤーのギザギザしたところが腕をこすって痛かったです。これは無しです。
6.モール(キラキラしたやつ)
キラキラモール。
キラキラモール。
普通のモールよりもギザギザしていて、ガリガリ掻いた気持ちよさがあります。
ただ、気持ちいいのですが、肌を傷付けている気がするので、長時間の使用には向かないかもしれません。
硬さ:☆☆☆
気持ちよさ:☆☆☆☆☆
価格:☆
ちなみに、これも普通のモールのようにほうきバージョンを作ってみましたが、普通のモールよりは痛く感じませんでした。ある程度覚悟が出来ていたからでしょうか。
まぁ、それでも痛いですけどね。
まぁ、それでも痛いですけどね。
7.テグス
モールでほうきを作っている時にテグスを使ったのですが、ふと思ったのです。
テグスだったら質感的に、もろこしヘッドみたいになりそうだなぁと。
テグスほうきも作りました。
テグスほうきも作りました。
柔らかいようでいて硬さもあり、腕の上で動かしていると気持ちいいんだけどちょっと物足りないようなこの感じ!
これは、かなりのもろこしヘッドです!!
目をつぶった状態でかゆみ止めを塗ってからこれを使ったら、もろこしヘッドと錯覚する人も現れると思います。
硬さ:☆☆☆
気持ちよさ:☆☆☆☆
価格:☆
結論:もろこしヘッドを再現するにはテグスを使え!

とうもろこしで、もろこしヘッド作り

ところで、我が家には毎年このくらいの時期になると北海道の知人からとうもろこしが送られてきます。
こんなのが30本くらい送られてきます。
こんなのが30本くらい送られてきます。
ありがたいのですが、ゆでて食べるくらいしかしないので、何だかもったいないような気がしています。この大量のとうもろこしをどうにか有効活用できないだろうか。
そう考えた結果、とうもろこしでもろこしヘッドを作ることにしました。

作り方はとっても簡単。
まず、とうもろこしをゆでます。
鮮やかな黄色が眩しいですね。
鮮やかな黄色が眩しいですね。
実を取った後のとうもろこしを、よく乾燥させます。私は1週間くらい乾燥させました。
劇的ビフォアアフター。
劇的ビフォアアフター。
乾燥したとうもろこしの先端を切って、中を掘ります。
彫刻刀を使いましたが、カッターでもいけるかも。
彫刻刀を使いましたが、カッターでもいけるかも。
市販のディスペンサーの先端に、穴を空けたとうもろこしをセットします。
もろこしヘッドの完成です!
もろこしヘッドの完成です!
で、使ってみたんですけどね。
使ってはみたものの。
使ってはみたものの。
多分、賢明な皆さんの予想通りの展開かと思います。ディスペンサーの中にキンカンを入れてあるのですが、とうもろこし部分で塗布することはできず、むしろとうもろこしの根本から漏れ出てきます。

腕の上で動かした時の刺激は本物のもろこしヘッドより強いですが、動かしすぎるとヘッドがずれるので注意が必要です。

そして、予想通りというか見た瞬間に分かることですが、この形状だとフタが閉められません。
キャプション!
あと、結構デカくてかさばって塗りにくい形状です。
虫刺されグッズとしては不十分ですが、たくさんのとうもろこしの消費方法にお悩みの方や、初デートのお祭りで食べた焼きとうもろこしを何かの形に残したいという方は、やってみてもいいかもしれません。
結論:使えるものは出来上がりませんが、夏の思い出作りにお勧めします。

実はもろこしヘッドが売られていました

ということで、もろこしヘッドがこの世から消えたと思い込んで頑張ってきましたが、ドラッグストアの虫刺されコーナーをよく見てたらあったんですよ。もろこしヘッド。
ウナクールパンチ。
ウナクールパンチ。
従来のもろこしヘッドは確かに製造中止になっていて、商品名には『もろこしヘッド』とは付いていませんが、もろこしヘッドの後継商品がこの『ウナクールパンチ』だそうです。
これが正しいもろこしヘッド。
これが正しいもろこしヘッド。
私の記憶の中のもろこしヘッドより、本物の方がブラシが柔らかくて繊細でした。

でも、気持ちよさと少しの物足りなさは想像通りです。そう、もろこしヘッドってこんなのでした。
ちょっとクールでスースーしすぎるところは私の好みから外れますが、それを補って余りある程よい掻き心地!

これで、かゆみに悩まされても血まみれにならずに済みそうです。
ガンガン使っていきたいと思います!
ガンガン使っていきたいと思います!
結論:売ってたので買います。

もろこしヘッド、是非お試しください

もう手に入らないのかと思っていたもろこしヘッドが、まだ手に入れられるのだと分かったこの喜び。
気になっていたプロレスラーが引退宣言をして去って行き寂しい思いをしていたけれど、数か月後に何食わぬ顔で現役復帰を果たした時よりも嬉しいです。

もろこしヘッド未経験の方、絶妙な掻き心地を是非体験してください。

一応言っておきますが、ウナコーワの回し者ではありません。
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