羽合町でハワイさがしをしよう
鳥取県の羽合町（正確には旧羽合町、合併後は湯梨浜町）。基本的には地方に行けばよくあるような風景の町だ。
この写真だけ見せられて「ここはどこでしょう」クイズ出されたら、たぶん難易度、超高い。
初めて来たとしても既視感あるような風景
店が多い通りはこんな感じ
「ハワイ」と名がついてるのに、びっくりするほどただの鳥取だ。けどところどころにハワイを意識してるような風景が突如現れたりもする。
ハ……ワイ……？？
バス停横の自転車置き場もハワイっぽい……か？
ハワイ町には温泉もある。ふらりと歩いてみたが、ごくごく普通の温泉街だった。泊まればなにか発見できたんだろうか。
静かな温泉街
看板はハワイっぽい
歩いてると、ちょっと目立つ看板っぽいものを見つけ、近づいてみるとこれだった。そのぐらいこの通りにはカラフルなものが少ない。
「日本のハワイに行ったよ！」写真が撮れる顔はめ。このとき三脚忘れてセルフタイマー撮影できず、ヤシの実になりそこねた
当サイトでも9年前に
ハワイ町の浮かれっぷりを探す記事があり、この時も「浮かれハワイはありませんでした」で締められので、ないんだと思う。
とは言っても、見てまわるとハワイへの意識をところどころに感じるのだ。
この「たまに出現するハワイ」を探してまわろう。
よーし、行くぞ （ヤシの木の後ろに見える田園風景をバックに）
「ハワイ海水浴場」は全世界でここだけ
この町の海水浴場の名前はそのまんまの「ハワイ海水浴場」。なんだかよくわからないが、このネーミングの直球さが、逆にハワイじゃない感を醸し出してる。
ちなみに「ハワイ海水浴場」とGoogle検索すると、なにも迷うことなくここが出てくる。世界中でここだけだ。
浮かれた格好で来た
ハワイの海っぽい字面ではあるのに、なにかが違う……と思わせられるのはこのバス停だけではない。
この看板でハワイっぽさってなんだっけ？ という思いが押し寄せる。
ドーン！！ 「ハワイ海水浴場」！！
ちょっとあたりを散策してみよう！ とジリジリと暑い日差しの中を歩き始めた。
海岸前の通り
道挟んで反対側にも同じ名前の停留所
ちょっと待て、「ハワイ風土記館」ってなに！？ （これについてはまた後で）
車の通りも少ない国道をさらに歩く。めぼしいハワイっぽいものはなにかないか。
しばらく歩いていくと……
ハッ……！！ これは……ヤシの木のあるビーチ！ サンセット……！？
そして次に見つけたのが、謎のハワイゾーン。どこからどこまでがハワイゾーンなんだろう。
要は見通し悪いぞ気をつけろ！ ってことか
ハワイゾーンを通過したところで、海岸へ行ってみよう。特にハワイっぽさも出現しない道をしばらく歩き……
海岸へ出てみると、海水浴シーズンも終わりかけだが、まだちらほら人がいた。
ハワイの海だーーー！！ （松がハワイっぽさかき消す）
いろいろ禁止らしい
透き通る水！
ザブンザブンと足だけ浸かる
海なんて10年ぶりぐらいに入った気がするけど気持ちいいな、海！！ このまま沖の方までザバザバと突き進んでしまいたくなる。
ふと海岸の脇に目をやると、昔使われてたらしい施設の跡が気になった。
これいつまで現役だったんだろう
更……衣…室？？
とりあえずハワイ気分を味わいたい場合は、海だけに集中することをおすすめしたい。
「ハワイ」+「風土記」の違和感
ところでさっきの風土記館が気になる。
さっきの「ハワイ」と「海水浴場」だと、まだイメージがマッチしてるが、「ハワイ」と「風土記」の組み合わせって斬新に思える。
この高台にあるのが風土記館
この公園内に古墳群がある（逆光で見づらい）
この公園に古墳があり、史跡や地域の歴史に関する資料の展示をしているらしいので「風土記」というのは分かるが、ハワイ要素は果たして……
ハワイっぽさ、皆無！！
この雰囲気なら漢字表記の「羽合」でよくないか、という意見は出なかったんだろうか。ギャップがあっていいけど。
中に入って目に付いたのは、歴史的資料の展示……かと思いきやモザイクアートだった。
ドーンと現れたこれは埴輪。公民館職員製作らしい
UFO？ と思ったら、どうやらこの建物の外観っぽい。ちなみに公民館職員製作って書いてある
なにで出来てるかというと、切手だ。一昔前の、見覚えのある切手もある。
切手で埋め尽くされてる
昭和56年から60年の消印のものが多いので、きっと30年ぐらい前に作られたものなんだろう。
使用後のなにか（切手や空き缶みたいな不要になったもの）を集めて作ったモザイクアートって、古いものだと発掘感あってちょっと楽しい。
ハッキリ残ってる消印
この60円と40円切手は懐かしい
他にはなにがあるかと言うと、歴史の教科書かなにかで見おぼえがあるようなパネルや地元の子供が描いた絵画が並んでる。全体的に学校っぽい。
歴史の授業っぽい
学校の廊下っぽい
そして、21世紀がちょっと遠い未来な感じで構想されてる時代の「2001年未来のビジョン」 （1982年製作）はレトロ加減が良い。
この絵の具の手塗り感や粘土っぽさ、今こういうのを作ろうと思ってもなかなかこうはならないだろう。
80年代初頭、21世紀への夢があふれまくり
歴史的資料の展示よりもこっちが目立ってた。この学校っぽいのにハワイと名の付く施設を一通り見学したら、次は町へ移動しよう。
ここではハワイ気分は味わえず。それどころかハワイと名の付く施設だったこともすっかり忘れてた。
「ハワイ店」をさがせ！
このあたりの店の店舗名は「羽合店」、「はわい店」、「ハワイ店」と大きく分けて3通りの表記パターンがある。
カタカナのハワイ表記で検索してみるとこんな結果だった。
チェーン店や飲食店が多い通りにずらりとハワイが並ぶ
例えば、銀行や信用金庫は「羽合支店」のようだが、郵便局は「はわい」というひらがな表記、一般のお店については店舗によるらしい。
やっぱ銀行だけあって堅いなぁ
ファミマはひらがな
カタカナ表記だと、店舗名決めるときに若干浮かれてたんじゃないか、店長が嬉しがりなんじゃないか、とか憶測してしまう。
そんな「ハワイ」表記の店舗と、ついでに店名に「ハワイ」が入ってるお店をざざっと並べて見てみよう！
まずは「鳥取ハワイ店」という純度が低いものから。
ハワイと名のつくローソンは全国でもここだけ
これは「HondaCars鳥取」の「ハワイ店」。ローソンよりハワイ度高い
つぎに「ハワイ店」をいくつか紹介。何の気なしにしれっと「ハワイ店」と名乗ってる感じが良い。
山陰と近隣県のドラッグストアチェーン店
ハワイ店だけど普通の弁当
全国チェーンのハワイ店
普通のスーパーのハワイ店
つぎは店や施設名に「ハワイ」を取り込んでるパターン。名前の一部にハワイを入れてるものから、もうそのまんま「ハワイ」と名乗ってるものまである。
店ではないが、ちょっと離れたところにあるホール。ハワイのみならずアロハまで！
ハワイっぽいパンが売ってる訳ではない。「Hawaii」じゃないのか
ケロケロ？
直球すぎて潔い。雰囲気が好きだ
猫の絵かわいい
ハワイを意識してハイビスカス。最もハワイっぽい
名前と店そのもののギャップが面白いと思ってるが、地元の人は見慣れてるから違和感を持たないだろうし、旅行で来た人がわざわざ立ち寄る場所でもない。
なのでこの数々のお店を珍しがって見る人はきっと少ない。穴場スポットということにしておこう。
そういやハワイっぽい景色は？
気になるところは一通り見てまわったが、結局のところ羽合町で一番ハワイっぽい景色ってどこだったんだろう。
これなんかどうだ！？
今回撮った写真の中から一番ハワイっぽい写真を探してみた。
けど、アップしてみると確実に違った。
遠くにある鳥居を見つけたらアウト
今後、本気でハワイっぽい写真を撮りたい場合は、鳥居と植物が重なって見えなくなる位置から撮ることにしたい。
羽合町、せっかくならもうちょっとトロピカルな場所があってもいいのに……とも思ったが、このままでもいいのかもしれない。
そういえば子供のころ、羽合町はどこかに行くときに何回か通ったことがある通過点だったのだが、「ハワイだよー」と言われても本物との関連性……というか、ここは一体なんなのか、訳が分からなかったな……と思い出した。
2015年8月31日
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