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コネタ


コネタ738

 
昼寝を売るお店、『昼寝屋』に行ってきました。
大阪のシンボル、戎橋(ひっかけ橋)はまだ工事中です。(本文と関係ありません)

普段は東京よりネタをお送りしている梅田ですが、帰省中につき大阪よりネタをお送りします。

昼寝屋。
いつも仕事をサボって寝ている人の事を揶揄する言葉みたいだが、違う。れっきとした商売らしい。
昼寝を売るお店。大阪の下町・天満にあるそのお店は常連客がひっそり集まって睡眠を楽しんでいるとか。昼寝は確かに心地いいけど、昼寝屋ってのはどんなとこなんだろう。なんだかよく分からないので、行ってみる事にしました。

梅田カズヒコ

電車の中から見える看板

いざ、昼寝をしに行くぞ。

JR天満駅(大阪駅から環状線で一駅)の駅を降りるとすぐ見えてくる「昼寝屋 一休」の文字。雑居ビルの3階にあって、環状線の電車の中から見ると看板がちょうど真ん前にあるので、気になっていた人もいるかもしれません。

昼寝屋を目指して雑居ビルの階段をのぼる。
僕は事前に昼寝屋の存在を知ってから来店しているのだが、通りすがりの人が突然『昼寝屋』なんて看板を見たら何の事が把握できずに一瞬躊躇するかもしれない。

雑居ビルの階段をのぼる。ちょっとどきどき。
『待ち時間0分』の看板

 

そうか、これはアトラクションだったのだ。

階段の途中には『待ち時間0分』の文字。お店というのはお客さんをひきつけるためにある程度アトラクション的な要素があると思うのだが、そうか、このお店はアトラクションだったのだ。つまりディズニーランドでいうところの『プーさんのハニーハント』であり、『ビッグサンダーマウンテン』であり、『天満の昼寝屋一休』なのだ。
どうりで階段をのぼるとき少しどきどき感があると思った。

そのドキドキのまま受付を済ませ添乗員(店員さん)にこちらです、と案内されるとそこには……



そこには個室とベッドがあった。ここで寝ていいんですか?
尋ねる間もなく
『1時間後に起こします』と言い残して店員さんは去っていった。

 

さっそく体験。

ちょうど東京から夜行バスで帰ってきた日で、少し疲れていた僕はあっという間に眠ってしまいました。ちょうどいい温度の部屋、柔らかいクーラーの風邪、昼だというのに真っ暗な店内。遠くで聞こえるかすかな列車の軋む音と街のノイズ。眠りを売るぐらいのお店だから眠りやすい環境なのは当たり前なんですが、それにしても都会の真ん中にただ眠っていいだけのスポットがあるなんて素敵だ。
誰もいないのに「これはいいわ」と一人でつぶやいていました。


眠り中。

眠り中。

 

そして1時間後……

起こされる。

足裏を丁寧に揉み解す店員さん
「足の裏が暖かくなるのは血行がよくなったって事なんですよ」と店員さん

足裏マッサージ。

「サービスで足裏マッサージでやっているんですけど、やります?」と店員さん。せっかくなのでやってもらう事にしました。

お湯で足を暖めたあとおもむろに足の裏を揉みだす店員さん
梅田「あ、気持ちいいっすね。もっと痛いかとおもってました」
店員さん「よくテレビとかで足裏マッサージっていうと痛いっていうイメージですが、これは気持ちよく目覚めてもらうために足裏を揉むので気持ちいいんです
梅田「そうですか。」
店員さん「痛くしますか?」
梅田「いや、いいです」

取材日はちょうど真夏の昼下がり。真夏日の外の地獄の暑さに比べなんと極楽にいるんだろう。昼寝屋、なかなかいいです。揉んでもらったあと、なんだか足の裏がじわじわ暖かくなったような気がしました。聞くとそれは血行がよくなった証拠だそうです。

疲れもとれて素敵な1時間でした。喫茶店や漫画喫茶で休憩するより数十倍いいです。

 

そもそも、なんでこんな商売をはじめたのだろう? 気になったので聞いてみた。

いつごろオープンされたんですか?

店長「オープンは去年の12月からです。昼寝屋というのは、大阪だとうち一軒だけですね。東京には何軒かあるみたいですが。お客さんはほとんど常連客です。利用者は1日15人ぐらいで、8割が男性、2割が女性、ほとんど会社員です」

すごく眠れたんですが、お客さんが眠りやすいように工夫が施されていたりするんですか?

店長「リラクゼーション効果を高める香りやマイナスイオン発生器、空気清浄機等を置いてます。眠りとマイナスイオンには深い関係があるようですよ」

マイナスイオンの影響かどうかは分からないが深い眠りにつけた事は事実だ。

店長「あとサービスとしては足裏マッサージのほかにシャワールームの貸し出し、ミネラルウォーターのサービスなどですね」

なんで昼寝屋なんていう商売を?

店員「うちの社長がはじめたんですが、社長曰く若い頃は働きづめでこういったお店があったらいいのにな、ってずっと思っていたそうです。考え事をするときや集中力が必要なときは睡眠をとったほうがいいですからね」

なるほど。そういった経緯だったのか。社長はアイディアマンっぽい。もともとは何の会社をやっているんだろう?

店員「会社の本業は農作物の遺伝子検査です。お米の産地を特定したりスーパーで売っている商品の原産地に偽りがないかチェックしたり」

昼寝屋も興味深いが本業のほうも面白そうだ。

僕が利用したベッド室と、リクライニング室があります。

漫画喫茶で夜を明かすことがある。最近はシャワーも浴びれるし、個室だし、リクライニングでマッサージチェアもついていたりする。
しかし、「漫画が読めるとか、ネットが使えるとか、シャワーとか、そういうのどうでもいいからとにかく寝かしてくれ!」という眠い状態もある。そういったとき、昼寝屋は最適だ。大阪に一軒、東京に数える程度といっていたが、いつの日か昼寝屋が一般化するときを待ちたい。

料金設定/コース紹介

利用時間1時間の場合
チャレンジコース 足浴+足裏マッサージ(5分間) 700円
ホップコース シャワー付き(バスタオル無料貸し出し)1,000円
ステップコース 15分間 足ツボマッサージ付 2,500円
ジャンプコース 30分間 足ツボマッサージ付 3,500円

※ 最大2時間まで利用可能。


お問い合わせ

昼寝屋 一休
06-6881-1955
大阪市北区天神橋4-4-20 ラインビル3F
営業時間: 10:00〜21:00
定休:土日祝
(8月13日から16日まではお盆のため休みです。)


 

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