先日、知り合いが手にすごい擦り傷を作っていた。 「それ、どうしたんですか?」 と聞いてみたところ、朝ギリギリに家を出たため慌てて坂道で転んでしまった、とのことだった。
しかも、同じ場所で3回くらい転んだことがあるという。近所では「絶対走ってはならない」と言われている危険な坂らしい。
一体どんな坂なんだろう? ということで、見に行ってきた。
(T・斎藤)
●3回転べる坂
長崎は坂の町である。本当に坂が多い。 しかし、転んでケガをしたという話は今まであまり聞いたことがなかったのでちょっと新鮮だった。
しかも、すごい擦り傷だった。 手の平にも甲にも傷が出来ていたので 「一体どう転んだらそうなるんですか?」 と聞いたら、手をスクリューのように回転させていた。 足も擦りむいたという。つまり血だらけだ。
どんな坂なんだろう?
詳しい場所を聞き、後日独りで見に行ってみた。
こんな坂だった。 一目見て、「ああ、これは!」と思った。
が、上の写真だけではわかりにくいので、もう少しじっくり見ていこう。
こちらは下から見上げたところ。 勾配もさることながら、微妙なアップダウンがある。 急いで降りてくると、この傾斜角度の変化に対応できなくなってバランスを崩しそうだ。
滑らないようにとの配慮だろう、地面はヘックス状の石畳となっている。グリップはかなりいい。が、このグリップ感が逆に急いでいると躓いて転びかねない。
さらに坂はカーブを描いて、複数の坂を複合させている。 これがまた、慌てている時には平衡感覚を失わせる効果を発揮しそうだ。
慌ててる時だと、こういうワンポイントのアクセントも混乱を来たす一因と成り得る。
じっくり見てよくわかった。 近所の人から「絶対走ってはいけない坂」の称号を得るだけのことはある。ダテに3回転べる坂じゃない。
試しに、転んだ場面を再現してみた。こんな感じだろうか。
ちなみに、この時私は同行者もいなければ三脚も持ち合わせいなかったので、近くの工事現場の人に撮ってもらった。 (何の疑問も抱かずに笑顔で撮ってくださった。)
できた写真は転んでるというより、死んでるっぽい。 期せずしてダイインのようになった。
ついでに、もうひとつ。
●長崎で最強と噂される坂
長崎で最も傾斜がきついと噂される坂も見に行った。
↓ それがこちら。
やばい、写真で見るとまるで壁のようだ。
さすが、最強と評されるだけありすごい傾斜。 そしてここでもまたヘックス状の石畳が使われていた。 傾斜がきつい坂の地面はヘックス状になっているという法則が見えた。
さてこの傾斜、一体何度くらいあるんだろう? と思って撮ってみたのが下の写真。
分度器をお持ちの方は、是非測ってみてください。
ここで転んだら、本気でシャレでは済まなさそうだ。
この坂は車も通れる。できれば通りたくないが…。 こんなところで坂道発進とかバックとかはしたくない。
道を歩いてた人と少し話をしていたら 「タクシーにもたまに拒否されるとよ〜。」 と言っていた。